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ひとつの恋に、ひとつの香りを

高校一年生のとき、陸上部の先輩を好きになりました

その頃、初めてコロンなるものを父に買って頂きました

オハナマハロのマリエマヒナというオーデコロンでした

高校二年生のとき、初めて恋愛における別れというものを経験しました

その頃丁度、あのコロンが切れました



高校二年生の夏、同じクラスの男の子を好きになりました

その頃、都会の女子高生が好んでいるというコロンを買いました

SHIROのsavonでした



秋、あっけなくその男の子とは終わり、後輩のサッカー部の男の子を好きになりました

その頃、savonをなくしました



十一月、後輩の男の子とは終わりました

その頃、タイミングを見計らったかのようにsavonがひょっこり出てきました



大学一年生の夏、同じサークルの男の子を好きになりました

私は友人のCHANELをよく付けさせて頂いておりました

はたまた十一月の終わり頃、はらりとその恋は終わりました


それから一ヶ月後、私のお誕生日にCHANELのCHANCEを頂きました

そちらは今もまだ、私の手から無くなっておりません


お相手を忘れたいのならば、ずっと同じ香水を付けるのはおやめなさい

貴女がまたちがう女性になりたいのならば

まず香水をお変えなさい

恋した分だけ、お部屋に香水瓶が増えてゆくのです

ひとつの恋に、ひとつの香りを

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