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B Dash Campで感じた、プラットフォームビジネス好きすぎ現象について

参加のきっかけ

TechCrunch Japan時代からお世話になりまくりのB Dash西田さんに何度も誘っていただいたこともあり、10/4〜5にB Dash Camp 2018 Fall in Fukuokaに参加してきました。

昔からの知人と会えて近況報告できたり、初めましての方にお会いできてとても有意義なイベントでした(お話させていただいた方、ありがとうございました!)。

日本のスタートアップ業界の総意

さて、今回Campのテーマは「次のビッグウェーブとは?」だったようで、AIだったりブロックチェーンだったりドローンだったりいろいろありえると思うのですが、

現在のスタートアップ業界の総意というか、一番の希望はGAFAにプラットフォームビジネス全部取られているから、日本発のサービスで、グローバルに使われるプラットフォームを作りたいに集約されるのではないでしょうか。

AppleやGoogleのプラットフォームの上で、アプリケーションレイヤーとしてサービスを提供する(そして上納金をAppleやGoogleに払う)のではなく、プラットフォームを全世界に提供したい、という意味です。

上場後の一部株主からは賛同を得られていないようですが、現時点ではメルカリが一番近いところにいると思います。アフターメルカリのスタートアップ業界の我々は、グローバルプラットフォームを狙える次のサービスを作らなければいけないということでしょう。

これは、投資家であれば前のブログの「VCからの調達のしやすさ」の部分でで書いた通り、時価総額を上げて株式を売却するのが仕事なので、当然の判断だと思いますし、私も投資家としての仕事の時は「海外展開を真剣に考えよう」「資金需要が旺盛な事業がいい事業だ」「目先のことも大事だが経営陣は大きな画を描こう」などとしかるべきタイミングでは言っていると思います。

ただ、それが起業家側もみんなそういう考えだとしたら、ちょっと違いはしないのでしょうが違和感というか、起業家のわりに同調圧力が強すぎないか? という懸念を拭えません。

違和感とは

例えば、B Dash Campの参加者と話すと、こんな感じなります。

参加者「ティーンスピリットどんな事業やられてるのですか?」
私「アーティストのマネジメントです、レーベルもやっており音源も自分たちで作っています」
参加者「え、それってどこにインターネットが絡むんですか? 17とかShowroomとかのライバーですか?」
私「ライバーじゃないです。雑談じゃなくてコンテンツを作りたいので。テクノロジーが絡むのはマーケティングとかファンビジネスのところですかね〜」
参加者「?? VTuberとかはやらないんすか?」
私「VTuberはやりますよ。それはSNSをやりますと言ってるのに近い話なので」
参加者「おおー。配信プラットフォームとかは考えないのですか?」
私「コンテンツが作りたいのでプラットフォームは自社ではやらないです。投資先ではありますが」

とこんな感じです。現時点で言えることと言えないことがあり、私の説明が悪いところもあるのですが、プラットフォームビジネスはコンテンツビジネスよりも偉い、という雰囲気をひしひしと感じます(被害妄想だったら申し訳ないw)。

繰り返しになりますが、それを投資家が言うのは当然ですし(投資家としての)私も言っていますが、起業家もみんなそんな感じなのは思想の隔たりを感じるというか、そもそもみんなが右に行っている時に左に行って皆んなの目を向けさせるのが起業家なのではないでしょうか。

現在は過渡期かもしれませんが、2014年に懐疑的な雰囲気の中で日本初の仮想通貨取引所を作り、2017年に皆んなの目を向けさせたBitFlyerはその典型事例でしょう。

なので、このスタートアップ業界の人、プラットフォームビジネス好きすぎ現象は、私にとっては逆に美味しいというか、これが自分の進む道なんだ〜と再認識することができました。

なぜ新会社のティーンスピリットではコンテンツ/IPから作るのか

端的に言えば、今の時代、プラットフォームはもっても3-5年だからです。そのくらいテクノロジーの進化や、人の興味の移り変わりが激しい時代なので、YouTubeなどの例外を除き、永続的なプラットフォームは存在しえないと考えています。

一方、アーティストやキャラなどのコンテンツ/IPは、テレビが強かった時代はテレビに出て、SNSが浸透すればSNSをやり、ライブが重要になればライブに力を入れる、といった具合に、その時代にあったプラットフォームに乗り換えることで継続的に価値を提供することができるはずです。

例えば、安室奈美恵は安室奈美恵として価値があり、出るメディアや注力する活動は、時代に合わせて変えることで25年活動されていたと思います。

今の時代の雰囲気や、今後の流れを推測した結果、プラットフォーム志向のITサービスを提供するよりも、アーティストやキャラなどのコンテンツ/IPを自前で作った方がビジネスとして強いと判断しました。

もちろん、コンテンツをクリエイターとして作ることが楽しいし、それ自体がやりたいからという率直な気持ちもあります。

特にエンタメ分野では、まずは強いコンテンツホルダーになることが重要ではないでしょうか。その後でプラットフォームを作ってもいいですし、新しいファンビジネスの形を模索してもよいと思います。

なので、ティーンスピリットの今後の進化で、そんなアプローチ方法があるんだ! と驚いてもらえるように精進していきたいなと思った、そんな福岡のB Dash Campでした。

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