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《小説》「幸せの届け愛」

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✨「幸せの届け愛」 ~人は出会いと別れの狭間で生きている〜 無理なことは無理、と思っていても、思い癖の問題だったり?心が変れば、人は変われる。主人公の誠弥(せいや)は人と関わるの… もっと読む
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幸せの届け愛 〈第1章〉

幸せの届け愛 〈第1章〉

あらすじ
「幸せの届け愛」
~人は出会いと別れの狭間で生きている。
主な登場人物の誠弥(せいや)は普通の人が見えない姿や世界が見える。そして、あまり人と話さず自分の世界に生きているような彼が、幼馴染みの紗優(さゆ)をはじめ、関わる複数の登場人物と共に成長していく姿を描く物語🍀*゜
フィクション。

登場する人物名や団体名等が万が一実在する名称等と同一であっても一切関係ありません。

「プロローグ

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幸せの届け愛 〈第6章〉(最終章)

幸せの届け愛 〈第6章〉(最終章)


「繋がる思い」僕の見ている世界は
いつも願いや希望の光と
恐怖と不安の影が複雑に交わっている
結局、暗く感じて好きになれないと思っていた
でも、よく見たら、どの場所も、いつの時代も
本当に神秘的で美しく癒やしと安穏の世界だった

近江の国にて

滋賀県には日本最大の面積と貯水量を持つ琵琶湖がある。
およそ440万年前に形成された古代湖だとか。
誠弥は、電車に揺られながら車窓から見えた琵琶湖や雄大

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幸せの届け愛〈第5章〉

幸せの届け愛〈第5章〉

新たな自分育ての道へ2021年5月15日

誠弥は金曜日の夜からの仕事が終わり、明け方に帰宅した。
なぜだろう?今日は仕事中、何度も、胸騒ぎがして落ち着かなかったが、
月花の寝顔を見ると安心し、シャワーを浴びて一寝入りすることにした。
ホットミルクでも飲もうとキッチンに行くと、月花が起きてきた。

「お帰りなさい。今日もお疲れ様!」

「あっ、起こしたかな?ただいま。」

「ううん、目が覚めちゃっ

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幸せの届け愛〈第4章〉

幸せの届け愛〈第4章〉

影の世界病棟1階フロアーの一帯に広がる黒い影
誠弥に続いて、紗優、星來そしてアーナンも駆けつけた。

・・・誠弥様、おいででしたか・・・
アーナンの声に誠弥は
「はい、さっきまで上の階に居たんです。
体に痛みを感じたから、強く感じる方向に、きっと強力な影があるとは思ったけど、これほど大きな影は初めて見ましたよ。」
『いったい、何なの?』と紗優。

異様な光景にしばらく立ちすくんでいると、影の中心が

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幸せの届け愛 〈ユメのつぶやき編〉

幸せの届け愛 〈ユメのつぶやき編〉

幸せの届け愛シリーズに登場する誠弥ん家の猫、〈ユメ〉目線の短編。
捨て猫から人間と一緒に暮らすようになってからのつれづれ物語。

家族ウチは〈ユメ〉って呼ばれてる。
家族という名の飼い主は、久下誠弥(くげせいや)、ちゅうねん。
今は社会人1年目の新婚さんだニャ。
奥さんは、月花(るか)ちゃん、まだ、あんま知らんねんけど・・・
そのうち、何回も会うやろう思てる。

そんで、誠弥のお母ちゃん、お仕事忙

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幸せの届け愛〈第3章〉

幸せの届け愛〈第3章〉

願うは自由されど、時、既に遅し?!情報不足で超不安

『なんとか保てていた気持ち
今は相当揺らいでる
心のどこかで
あ〜どうしよう、ばかり
本当は自分も好きなように時間を使いたいのに
スーパーネガティブな思いを抱えてしまう
誰にでもよく思われたい、好かれようとして
一生懸命努力してた自分の姿を思い出すと
辛いな、て思いながら皆のことがほんとに好きだったんだ、って』

『でも、もう叶わない
何もかも

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幸せの届け愛〈第2章〉

幸せの届け愛〈第2章〉


エントリー⁉️初めて見るタイプだな…
誠弥から見て歳は同じくらいの
目の前の者を真っ直ぐに見つめた。
光る目ん玉かと思ったら、耳だったんだ・・・

銀色に輝く耳、存在全体は黒っぽい霧で包まれていて
胸の真ん中あたりだけ金色っぽく
まん丸の光を帯びている。

ぎんじは、物怖じしない目の前の男が
何者で何をしたのか考えを巡らせていた。
一瞬、眩い光と銀色の布で覆われたように
その存在を隠して包まれた

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