津軽鉄道で太宰治の実家に向かった
結論
四季によって変わる津軽鉄道は、1回乗るだけではもったいない。
津軽五所川原駅に行けば、津軽名物グルメ、お土産に出会える。
津軽鉄道自体が津軽半島博物館である。
津軽鉄道
津軽鉄道は五所川原〜津軽中里間を結ぶ20.2kmの路線です。1930年、開業しました。開業当初、津軽中里駅から小泊を経由して三厩駅で津軽線に接続する計画がありました。三厩駅へ接続することにより、津軽半島を環状線のようにつなぎ、津軽半島の交通の便を改善させ、津軽半島の林業、漁業の発展も期待されました。しかし、開業当初から経営が厳しかったため、三厩まで延伸する計画は白紙になりました。現在は、乗合タクシーによって、奥津軽いまべつ駅~津軽中里駅間が結ばれています。予約必須です。
季節によって変わる名物列車
津軽鉄道の名物は、夏の風鈴列車、太宰電車、秋の鈴虫列車、冬のストーブ列車です。風景とともに季節ごとに楽しむことができるため、津軽鉄道は1回乗るだけではもったいないです。
風鈴列車
夏の風鈴列車は、毎年7月1日〜8月31日に運行されます。冷房がないため、夏は窓を半開きにして、扇風機を回して対応しています。津軽金山焼の風鈴は、風と電車の揺れに反応して、カランコロンと甲高い音を響かせ、癒されます。
秋の鈴虫列車
鈴虫列車は9月1日〜10月中旬に運行します。鈴虫の合唱を楽しむための電車です。津軽半島は、田舎の原風景が色濃く残ります。
8月中旬、鈴虫は五所川原駅構内の待合室で飼育されていました。家は、屋根を網戸にして通気性をよい仕様でした。ナスをエサとして与えていました。暑さが落ち着き、長袖必須になる9月下旬以降、鈴虫が活発に鳴き出します。
冬はストーブ列車
12月1日~3月31日、1日2往復のストーブ列車が運行されます。ストーブ列車を求めて、全国各地から集まるほど人気の電車です。SL機関車がストーブ付きの客車を引っ張ります。燃料コストがかかるため、冬のストーブ列車に乗るためには、500円の課金が必要になります。津軽パスも利用できません。干したスルメイカをストーブの上で炙ってから食べることも名物です。津軽弁による魅力発信も行っています。津軽半島は日本海に面しており、冬は雪が降り積もり、真っ白な世界に包まれます。
年中楽しめる太宰列車
太宰列車は6月~9月、楽しむことができます。昭和時代の文豪、太宰治は金木地区出身です。太宰治の作品を車内で読むことができます。運がいいと、太宰治の作品の朗読を聴くこともできます。7,8月は、風鈴列車とコラボしていました。9月は、鈴虫列車とコラボする見込みです。
津軽鉄道で購入できるお土産
奥津軽の名物、石炭
石炭は、ストーブ列車を牽引するSL機関車の燃料として使われています。石炭2個入り500円でお土産として買うことができます。ツルツルの表面、黒曜石のようにも見えます。黒いダイヤと呼ばれるわけが、わかります。
石炭そっくりな石炭クッキー
大きさが2種類あり、おみやげとしてピッタリです。石炭の大きさが異なることもリアルです。黒い色の秘密は、竹炭です。正体はココアクッキーです。サッと消える上品な甘さです。竹炭の風味は感じられません。
赤いリンゴジュース
五所川原市には、「赤~いりんご(御所川原)」という品種があります。皮だけではなく、実、種、新芽、花、枝も赤いです。ジュースにしても、赤色が濃く残っています。酸味を感じられ、スッキリした味わいでした。
自動販売機で買うこともできる
五所川原駅前にある本社の入口には、自動販売機が置かれています。自動販売機でも、使用していた切符など、一部のお土産を買うことができます。ただし、2024年8月当時、新紙幣は対応してませんでした。2000円札、5000円札、10000円札は利用できません。高額紙幣、旧紙幣しかない場合は、五所川原駅の窓口に行って両替する必要があります。
津軽鉄道本社で味わえるグルメ
五所川原駅前に本社があります。1階は、お土産屋さん、「でる・そーれ」という食堂兼カフェがあります。2階は事務室です。でる・そーれで、食事しました。
津軽地方名物料理
食堂は、津軽地方名物の津軽そば、煮干しラーメン、津軽鉄道が考案した津鉄汁があります。津鉄汁、津軽そばで悩ませられました。
津鉄汁の魅力は、青森県のブランド鶏、青森シャモロックを出汁と肉がたっぷり入っています。長芋を加えたすいとんも食べたくなった理由です。
悩んだ結果、津軽そばを食べました。津軽そばについて、近日語ります。
津軽鉄道社長シリーズ
社長が考案した津軽鉄道社長シリーズもありました。津軽鉄道社長シリーズは、「これできる?」という社長のアイデアから誕生しました。タンメン、玉子とじそば、玉子乗せカレーの3種類ありました。
カフェとしても利用できる
コーヒーだけではなく、赤いりんごジュースもあります。アイスクリームも食べられます。
五所川原から金木駅へ津軽鉄道の旅
弘前→五所川原
まずは、JR奥羽本線、五能線を利用して弘前から五所川原駅へ向かいます。弘前駅から五所川原行きの電車に乗りました。
一方、青森駅から行く場合、弘前、大館駅方面の電車に乗って、川部駅で乗換が必要です。青森駅から、リゾートしらかみ号に乗車すれば、五所川原まで直行できます。
津軽五所川原駅は昭和レトロな駅だった
五所川原駅では、30分間の休憩がありました。電車を待っている間、お土産を買ったり、駅舎を散策しました。
津軽五所川原駅は、昭和レトロな駅舎でした。毛筆で書かれた時刻表、中央にストーブが置かれ、周りにプラスチックのイスがある風景など、昭和時代の懐かしい雰囲気がしました。
座布団は、津軽地方名物のこぎん刺しでした。津軽地方に伝わる金魚ねぷたも飾られていました。津軽五所川原駅には、津軽地方の工芸品も詰まっていました。津軽地方の観光案内の役割も果たしていました。津軽地方の工芸品について、詳しくは後日話します。
23分間の津軽鉄道旅
五所川原〜金木へ向かいます。JR五所川原駅構内で接続しています。津軽鉄道の駅では、唯一、線路を跨ぐ橋があります。JRとは切り離されているため、見学する場合でも、入場料が必要になります。しかし、津軽パスを利用すれば、入場料不要です。津軽パスは、2日間乗り放題+指定の施設で特典が受けられるオトクなキップです。津軽パスの活躍術について、近日、お話します。
行きは風鈴列車、帰りは太宰列車に乗車しました。行きの風鈴電車でも、車内に本が置かれており、移動中、読書に集中することができます。窓に広がる田園風景、リンゴ畑も楽しむことができます。
風鈴電車のカランコロン音、心地よい風を浴びながら、20分の金木までの津軽鉄道旅を楽しみました。
車窓から駅を眺める
本の中で、紹介されていた駅舎を窓から眺めました。電車だけではなく、駅舎も個性がありました。
戸川駅
津軽五所川原駅の次の駅です。とんがり屋根が特徴でした。とんがり屋根は、積雪量の多い津軽半島で、雪が滑り落ちることにより、雪の重さに耐えられず、駅舎が倒壊することを防ぐ工夫であると感じられました。
嘉瀬駅
嘉瀬駅は、津軽五所川原駅を出発して6駅目にあります。津軽中里方面の次の駅が金木駅です。嘉瀬駅には、かつて津軽鉄道で活躍した電車(キハ22)がアート作品として眠っていました。香取慎吾さんと子どもたちが描いた落書き風のイラストが特徴です。青色を中心に鮮やかに染められていました。夜空に浮かぶ街と昼間の大自然という対比が感じられました。
ちなみに、香取慎吾さんのアートは、世界中にあります。香港でも観ました。
金木駅
有人駅です。日本唯一の腕木式信号が現役で動いています。駅舎ホーム側の信号てこ操作、上下列車のスタフ交換が見どころです。
2003年、コンクリート駅舎に改築されました。金木駅交流プラザとして地元の方の交流の場となっています。2階にあったカフェは斜陽館の近くに移転しました。
津軽鉄道に乗って金木まで移動しました。金木では、太宰治ゆかりの場所を訪問しました。その話は、10月頃、記事にする予定です。
公式ホームページ
参考文献
堀内重人,(2013),チャレンジする地方鉄道 - 乗って見て聞いた「地域の足」はこう守る,交通新聞社
矢野直美,(2011)鉄子の全国鉄道ものがたり,北海道新聞社
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