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小名浜港で楽しむ福島の海

結論

  • 常磐線いわき、湯本、泉駅からイオンモール小名浜行のバスで直行でき、福島県最大の漁港であり、有数の観光地である。

  • イオンモール小名浜、いわき・ら・ら・ミュウでグルメ、お買い物を楽しめる。

  • アクアマリンふくしまは、生物を観るだけではもったいない。


小名浜港

小名浜港は、東北地方太平洋側で最も南にあり、福島県最大の港です。海の幸だけではなく、セメント、化学製品、木材など貨物も取り扱います。小名浜港は、1747年、幕府へ納付するためのお米を運ぶために、造られました。明治時代には、常磐炭鉱が見つかったことにより、石炭を全国各地に運ぶ役割も果たすようになりました。

小名浜港周辺には、アクアマリンふくしま、イオンモール小名浜、魚市場もあり、幅広い世代に向けて観光が楽しめます。平日は、関係者、休日は観光客が多く集まり、常ににぎわっています。

鉄道から小名浜へ運転せずに行く方法

常磐線泉駅で下車します。泉駅は品川、上野、水戸から、いわき、仙台方面へ行く特急ときわも全車止まります。泉駅から徒歩で行くと1時間かかりますので、片道290円払ってでも常磐バスイオンモール小名浜行で終点まで行くことをオススメします。泉駅だけではなく、いわき、湯本駅からでも常磐バスでイオンモール小名浜まで1本で行くことができます。

イオンモール小名浜

湯本温泉、いわき駅、泉駅につながるバスが集まります。イオンモール小名浜は5階建て構造で130店舗が入り、福島県最大のショッピングモールです。イオンでも、ままどおるなど、福島県のお土産を買うことができます。歩道橋でイオンモールと小名浜港はつながっていました。

小名浜港の海の幸

小名浜港は、メヒカリ、メカジキ、さんま、カツオの藁焼きが名物です。

いわき市の魚、メヒカリ(目光)

漢字で、「目光」と書きます。一般的に、「アオメエソ」と呼ばれる魚です。目が大きく、光に反射すると光って見える姿から「メヒカリ」と呼ばれています。メヒカリは、いわき市の魚にも指定されています。旬は冬。身はフワフワで淡白です。丸ごと揚げて食べると美味しいです。

メヒカリの唐揚げ

秋の味覚、サンマ

小名浜港はサンマの水揚げが盛んです。秋、サンマ漁が解禁すると、小名浜を出港した船は、北海道沖に向かい、光でおびき寄せ、群れを追いながら小名浜に戻りつつ、網で捕まえていきます。漁港の近く、鮮度がよい状態だからできる刺身、小名浜発祥のみりん干しにして食べられます。もちろん、定番の焼魚でも食べられます。

今回は、サンマポーポーを食べました。サンマポーポは、味噌風味のさんまのハンバーグ。たたいてミンチにして、味噌、ショウガ、片栗粉などと混ぜて丸めて焼きます。サンマを炭で焼くときにサンマの脂で火が「ポーポー」と燃えあがることからポーポー焼きと言われるようになったと言われています。ポン酢との相性もよいです。

サンマポーポー

カツオの藁焼き

福島県の海産物で最も取扱が多い魚はカツオ類。総務省が実施した家計調査によると、福島市は、高知市、盛岡市に続いて全都道府県庁所在地の中で3番目にカツオの消費量が多いです(2021年)。いわき市では、お祝いのときに食べられることが多く、刺身として食べられます。最近は高知県で食べられているような藁焼きも増えました。焼いた身を生姜醤油に漬けた「焼き浸し」が保存食として食べられていました。

藁焼きカツオの入った海鮮丼

「いわき・ら・ら・ミュウ」

いわき市観光物産(かんこうぶっさん)センターとして、誕生しました。いわき市のお土産、観光情報が集まるだけではなく、美味しい海の幸が味わえるグルメ街、魚市場が食べ歩きもできます。海鮮も並べられて、買った魚介類はバーベキューで食べられます。

いわき市の名物は、貝焼き。ウニだけを貝殻の中に敷き詰めて焼いたり蒸した料理です。チリ産のウニを使用した貝焼きは1500円程度で購入できます。しかし、地元産になると、5000円になり、高級品です。今回は、高価のため、断念しました。

営業時間 9:00~18:00(エリアによって異なる)
定休日 不定期(月1、2回)

アクアマリンふくしまは体験型水族館

アクアマリンふくしまは、福島県唯一の水族館。本館は、ガラスに覆われ、日光がほどよく当たり、温室にいるような雰囲気です。時間、季節によって雰囲気が変わります。

東日本大震災では、震度6弱の揺れと3.3mもの津波が襲いました。イオンモール小名浜側に、当時、津波が到達したときの高さを示した看板があります。

アクアマリンふくしまは、地盤対策が万全だったため、津波の被害を受けず、ガラスが数枚割れた程度で済みました。4ヶ月後の7月15日に営業再開しました。

アクアマリンふくしまに入ってみた

入場口でお金を払ってから入場します。最初は福島県に縄文時代、生息していた動物が展示されていました。本館に入ると、3億年前から始まる海の生物の歴史を学ぶことができます。生きている化石の展示は興味深く、カブトガニが飼育されていたり、シーラカンスの標本が目玉です。

生きている化石、カブトガニ

長いエスカレータを上り、4階に上がります。4階に入ると、福島県の川に生息する生物の観察から始まります。トド、ゴマフアザラシも生息しています。サンマが特に印象深いです。

「ガラスに囲まれたデザインがシンボル。ゴマフアザラシ、キタオットセイ、トドも生息。ビオトープになっており、浅瀬には、マダイ、アジなどが泳いでいた。ホヤの養殖も見られます。カワウソ、アシカも生息しています。カジキの飼育にも挑戦しています。しかし、くちばしが折れたり、カジキにとって水槽が狭いためストレスがかかり、長生きできてません。

大水槽を眺めながら食べられる寿司

土日祝限定で、お寿司屋さんもあります。目の前の潮目の海を見ながら寿司が食べられます。マグロ、タコ、赤貝など地元産の魚がネタの中心でした。いけすのあるお店の雰囲気がします。ただし、目の前に泳いでいるマグロが視界に入ると、少し複雑です。残さず食べることが供養につながると感じました。

潮目の海の目の前で食べる寿司

冷たい海と温かい海をトンネルで分けた大水槽

福島沖が潮目に当たり、寒帯と温帯がぶつかる福島県沖の潮目の海を再現された水槽。寒流と暖流では、水温、密度が異なるため、なかなか交じり合わず、水面に境界が生じます。周辺より水の色が変わったり、泡、海藻が帯状に集まる現象も見られます。中央は三角形のトンネルとなっており、左側は親潮、右側黒潮に分かれています。

三角形のトンネルの左側が親潮の水槽、右側が黒潮の水槽

親潮は冬はギリギリ凍らない程度まで冷えます。プランクトンの素が豊富で、春になると植物プランクトンが多く発生し、それを食べる動物プランクトンも増え、魚が集まって豊かな生態系をつくります。さらに、昆布などが海底に森を形成します。三陸名物のホヤを中心に、カレイなど冷たい海を好む魚が泳いでいます。

ホヤとカレイ


一方、黒潮は、フィリピン付近から大陸棚の線に沿って北上し、日本の南岸を通り、福島県沖に達します。黒潮は1秒間に数千万トンもの水を運んでいるとされ、日本の気候に影響を与えています。イワシの大群とそれを普段は食べる(水槽内では、たっぷりエサが与えられるため、めったに食べません。)キハダマグロ、カツオが泳いでいます。

キハダの大群

サンマの飼育も見どころで、世界で初めて何世代にもわたって繁殖させて飼育することにも成功しています。アクアマリンふくしまでは、サンマの完全養殖を目指しています。

サンマ

充実した体験コーナー

アクアマリンふくしまは、生き物を観るだけでは終わりません。さまざまな体験もできます。特に、釣った魚をその場で食べられる釣り体験コーナーが人気です。アジなどを釣ることができます。

アジなどが釣れる

他にも、ホタテガイを釣ることができたり、缶詰の外観のデザインもできます。

入江で泳ぐタイ

入館料 小学~高校生1850円、小学~高校生900円、
開館時間 9:00~17:00(12月~春分の日前日)
               9:00~17:30(春分の日~11月)
           ※GW、お盆、クリスマス、花火大会期間は延長あり
閉館日 なし


小名浜港は、お買い物や海の幸を味わうだけではなく、水族館で魚を観たり、釣りを楽しむこともでき、1日いて楽しめる場所でした。

小名浜港で楽しんだ後、湯本温泉に行きました。続きは、こちらの記事をお読みください。

この旅の最終目的地は、岩手県陸前高田市にある奇跡の一本松。ここまでの道のりは、不定期に更新します。

参考文献


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