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【七夕】七夕と東北の祭りの関係【東北の祭りのまとめ前半】

 7月7日は七夕

 七夕は中国発祥のイベントで、日本には奈良時代に伝わりました。日本の七夕は、中国発祥の「乞巧奠キッコウデン」と日本発祥の「棚機タナバタ」という行事がベースになっています。乞巧奠とは、手芸などの職につく女性が、もっと上達するように星空に祈りを捧げる行事で7月7日の夜に行われます。棚機は、秋の豊作を願い着物を織って神へに供える行事です。
 現在の日本の七夕は、織姫と彦星が年に一度会うことの許される日です。機織りで生計をたてることだけに打ち込んで貧困な織姫をかわいそうに思った天空の最高神が、彦星とお見合い結婚させました。しかし、結婚後、だらしなくなった織姫を見て、激怒した神様が、天の川を挟んで離れ離れにさせました。その距離は14.4光年。しかし、神様には、情があり、仕事を一生懸命行うことを条件に七夕だけは、彦星に会っていいとしました。
 実際は、光の速さでも14年かかるため年に一度の再会は不可能です。織姫はこと座のベガ、彦星はわし座のアルタイルのことを指し、天の川銀河を挟んで夏の大三角形の一角の存在となっています。織姫も彦星も移動をしないため、遠距離生活は生涯続くことになります。
 さらに、笹に願い事を書いた短冊を飾り、流れ星に祈りを捧げます。この文化の発祥は平安時代。貴族たちは芸の上達を祈り、紙に願いごとを書いてお供え物と一緒に7月7日の朝に川へ流していました。当時、紙は貴重なものだったため、本当に大切なことのみ書き、神に祀ることもありました。笹竹に短冊を飾る理由は、笹が天に向かって願い事を天に届けるためと言われています。江戸時代には現在の七夕の風習が庶民の間に定着しました。

東北6県の祭りが集結する「東北絆まつり」

 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の復興を願って東北6県の祭りが集まった東北六魂祭が2012~2017年行われました。毎年1ヶ所ずつ開催され、東北地方を一巡する東北地方を6年かけて一巡しました。その後、さらなる復興と発展を願って2018年から「東北絆まつり」に名称を変えました。東北絆まつりでは、東北6県それぞれ代表する祭りが集結します。青森県は「ねぶた祭り」、秋田県は「竿灯まつり」、岩手県は「さんさ踊り」、山形県は「花笠まつり」、宮城県は「七夕まつり」、福島県は「わらじまつり」が県を代表する祭りとして登場しています。この6つの祭りは、すべて8月上旬に行われます。
 今回は、東北の祭りの中でも、七夕と関係しているものを取り上げました。それは、「ねぶた祭」、「竿燈まつり」、「七夕まつり」。この3つの祭りは、「東北三大まつり」と呼ばれ、旧暦の七夕を中心に行われていた眠り流しネブリナガシがルーツとなっています。

8月7日

 一般的には7月7日が七夕です。しかし、北海道、東北地方では旧暦の七夕に当たる8月7日に祭りが行われる地域が多いです。本来の七夕は、旧暦の7月7日です。元々、七夕はお盆の行事の一環という位置づけでした。現在の暦上の7月7日は、本州で梅雨により、あいにくの天気になる傾向があります。数年に一度晴れる程度です。2023年は東日本の一部地域では晴れていますが、西日本を中心にあいにくの空模様になっています。
 8月7日は梅雨が明け、晴れる確率が上がります。天の川で再会する織姫と彦星を見ることができるでしょう。さらに、学校は夏休みに入ります。天気がよく、7月より多く人が集まりやすいです。

ねぶり流し

 七夕に、農作業を妨げる睡魔や病魔を追い払う行事としてねぶり流し(眠り流し)が行われていました。人形や灯籠を川に流すことによって、けがれ、睡魔、病魔など悪いものを川に流して心身を清めます。また、豊作も願いました。眠気を覚ますために、豪快な踊り、催しが行われていたと考えられます。

ねぶた祭(青森県津軽地方)

 8月第1週に津軽地方各地で観られる祭り。特に、五所川原、弘前、青森は三大ねぶたと言われています。それぞれのねぶたに特徴があり、青森のねぶたは横幅か広く、3D型。弘前のねぶた(ねぷた)は扇形で2D。五所川原のねぶたは建物のように巨大なねぶた。
 各地のねぶたについて、まとめた記事はこちら

竿燈まつり(秋田県秋田市)

 毎年8月3日~6日に開催される竿燈まつり竿燈は高さ12m、重さは37kg。若者が法被を着てはちまきを巻いて、片手や額、顎の上にこの巨大な竿燈を乗せ、絶妙なバランスで倒さず、圧巻のパフォーマンスに圧倒されました。出会いは東京ドームで毎年1月中旬に開催される「全国ふるさと祭り」。ここでは、全国各地のグルメ、祭りを中心にPRが行われています。2021~2022年を除いて毎年訪れています。
 竿燈は、かつて、お盆に人物のある家で高さ12~13mもの杉の長木を立てて横に木を結び、油明かりをつけ、庭先に固定した高灯籠がルーツです。18世紀、ろうそくが入手できるようになってから、高さ12mにも及ぶ巨大な竹竿に横竹を貼り、46,48個の米俵型の提灯を9段に吊り下げる竿燈が誕生しました。提灯には、「七夕」、「若」という字が書かれており、電灯式になる前はロウソクで明かりを灯していました。竿燈は稲穂のように見え、五穀豊穣を祈願するお祭りでもあります。秋田市にあるねぶり流し館(秋田市民俗芸能伝承館)では、ミニチュアの竿燈を持ち上げることができます。竹でできているため、思ったよりも軽いです。秋田県は江戸時代、久保田藩と呼ばれており、その拠点となった久保田城跡にできた千秋公園がメイン会場です。「オウエタサッ」、「ドウドッコイショ」という掛け声をかけながら街中を練り歩きます。

ねぶり流し館(秋田市民俗芸能伝承館)
開館時間 9:30~16:30
入館料  100円
定休日  12月29日~1月3日
アクセス JR秋田駅から徒歩15分

七夕まつり(宮城県仙台市)

 毎年8月5日〜7日に行なわれます。巨大な七夕飾りが特徴です。繁華街を中心に各商店で豪華な吹き流し、色紙、短冊、千羽鶴、紙細工など吊り下げてデザインを競争します。
 仙台では、伊達政宗の時代から七夕に関する行事がありました。当時は、短冊などを飾りつけた笹を旧暦7月6日の晩に飾り、7月7日の朝に笹を川に飾りをついたまま流していました。
 日本は、戦争から復興したヨーロッパへモノが売れなくなった上に、関東大震災、世界恐慌に巻き込まれ、昭和初期は不況に襲われました。1927年7月、仙台では、商店街に華やかな七夕飾りを復活させました。好評のため、翌年から旧暦の七夕に合わせて商店街に七夕飾りをつけて、コンテストが行われるようになりました。戦後、観光客を呼び込むため、8月5日~7日の3日間、華麗な七夕飾りが展示され、他に、グルメ、ステージイベントも集まり、日本最大の七夕まつりとして有名になりました。

 今回は、青森県のねぶた祭、秋田県の竿灯まつり、宮城県の七夕祭りを紹介しました。東北きずな祭でも登場した岩手県のさんさ踊り、山形県の花笠まつり、福島県のわらじまつりについても7月中に公開します。
 みなさんの地域の祭りについて、コメントで教えていただけると嬉しいです。

参考文献


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