東西の回転寿司に行って食べ比べしてきた
大手回転寿司店で問題になった客による悪質ないたずら。そのため、回転寿司では、寿司をオーダー制にしたり、食器の共用停止など回転寿司のありたい光景が失われつつあります。世間から認められたい、ビュー数、いいねを増やしたい、承認欲求を満たしたい。SNSを利用することにより、不特定多数の人々と簡単につながるため、承認欲求を満たすことにはピッタリでしょう。しかし、問題行動はあっという間に拡散され、誹謗中傷や個人情報の特定など火に油を注ぐ状態に陥ります。目の前の承認欲求を満たしたい行動が、炎上することにより、就職の困難など信頼の失墜、日常生活へ支障をきたすことにつながります。顔が見えないからといって、やる方も問題ですけど…
インターネットとの向き合い方を見直すべきと思いつつ、今回は、東西の回転寿司の食べ比べをしました。日本は海流、地形、水温など条件が異なり、生息する魚が異なります。狙うネタも四季、地域によって異なります。地方にも、独自の回転寿司チェーンがあります。
みなさんは、回転寿司の楽しみ方はありますか?コロナ禍の前から、食べたいネタが来るまで待てないこと、鮮度のよい寿司を食べたいのでタッチパネルで全部注文してしまいます。さらに、地方の回転寿司であれば、その土地でとれる旬の魚介を狙い、大手チェーン店では、サイドメニュー中心に食べます。
回転寿し トリトン(札幌市)
北海道は国土の22%を占め、日本海、太平洋、オホーツク海に面しており、太平洋側に親潮、日本海側に対馬海流、リマン海流が通り、寒い海、暖かい海を好む海産物などさまざまな海鮮が穫れます。
回転寿しトリトンは、北海道北東部の北見市が発祥です。札幌市に10店舗、北見、旭川、遠軽にも支店があります。休日を中心に行列ができるほど繁盛しています。平日の17時に着いたにも関わらず、30組待ちでした。45分後、入店できました。トリトンは、北海道を中心に、全国各地の美味しいネタが勢ぞろいしています。北海道に来たため、北海道産のネタに絞りました。
北海道といえば、市場で見られるように、巨大な貝、甲殻類が印象に残りました。貝の鮮度がよく、つぶ貝はコリコリ、北寄貝(ほっき)の身は、肉厚ですけど柔らか、ひもは〆サバのような柔らかさでした。大きなタコも3貫盛りで食べました。タコの頭はモチモチ、足も筋肉質を感じつつ、柔らかいです。タコマンマは、ヤナギタコの卵のこと。北海道のスーパーマーケットで見られる食材です。しかし、本州ではめったに出会えません。ドロっとしとろける食感が印象に残ります。とろにしんは、さんまのような脂ののりでした。スジコは、ねっとりした旨さが特徴。ウニは、すっと消えるさっぱりした甘さ。昆布などのエサの違いからか、天草の濃厚な甘さとは違います。
ひょうたん寿司(福岡市)
新千歳空港から飛行機で2時間半。福岡県は北部は関門海峡を挟んで西側は日本海、東側は瀬戸内海、南西を有明海に面しています。福岡で訪れたのは、「ひょうたん寿司」。地元の方も並んで食べたいほど人気の回転寿司です。福岡県を中心に九州のネタも揃います。
ひょうたん寿司は鮮度の良さが魅力でした。アワビの踊り軍艦。アワビが軍艦の上で90度回るなど踊り出します。口の中に入れると吸われる感触がしました。命をいただくという罪悪感をもちましたが、一瞬で〆ると、コリコリ感と適度な柔らかさを感じました。本来の生物の捕食のあり方を思い浮かべました。生穴子は鮮度がないと食べられません。脂のっていてコリコリで、泥臭さも感じません。ヒラメと同じさっぱりコリコリ。キビナゴは薩摩半島の西の沖合にある甑島付近でさかんに獲れる魚で、水から1秒でも出ると死ぬほどデリケート。そのため、鹿児島でしか食べられないと思っていました。しかし、運送技術の向上により、福岡でも食べられるようになりました。味はイワシに近いです。白菜はゆずの皮をまぶし、塩で味付けされ、ほのかな甘みも感じました。お口直しにぴったりです。アカムツはのどぐろのことです。玄界灘で捕れたもののため、注文しました。脂が乗り、白身のトロと言っても過言ではありません。佐賀牛は脂少なめでさっぱりしていて赤身のおいしさを感じました。
醤油だけではなく、ポン酢も用意されていることが九州うらしさを感じました。
地元で愛されている回転寿司。地元でしか食べられないネタを中心に、その土地の旬の味覚に出会える場所です。気づいたら、お会計の金額に腰を抜かすことがあります。しかし、価格では表せない感動も待っています。
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