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天然水を通じて南北アルプスを比較してみた

結論

飲み比べて分かったら一流。

アルプスの天然水との出会い

 富山旅行からの移動中、喉が渇いたため、長野県のスーパーマーケットに寄ったところ、販売されていたのが北アルプスの天然水。SUNTORYが2021年8月から販売してます。一方、南アルプスの天然水は以前から販売されています。東西の日本のカップうどんのように、南北アルプスの違いによって味が変わるのでしょうか?
 気になったので、今回は南北アルプスの天然水を飲み比べました。せっかくですので、南北アルプスの違いを実際に行ってみて比較しました。

北アルプス

 正式名称、飛驒山脈。新潟県親不知から富山県、長野県、岐阜県の県境付近を通り、乗鞍岳まで南北にそびえる3000m級の山脈。最高峰は穂高岳3190m(日本3位)。代表的な山は、立山、槍ヶ岳、乗鞍岳。
 北アルプスは、約400万年前、日本海が拡大してから、日本列島が圧縮されて隆起が始まりました。北アルプスの東側にフォッサマグナがあります。フォッサマグナプレートの境目。西はユーラシアプレート、東は太平洋プレートがあります。太平洋プレートにユーラシアプレートが沈み込んだときの圧縮、マグマの活動によって隆起して3000m級の山脈ができました。
 北アルプスの天然水は、長野県北西部の大町市で採水されています。長野県のスーパーマーケットを中心に、北陸地方でも販売されていました。
 富山県では立山連峰、長野県には上高地、乗鞍高原、岐阜県には平湯温泉など観光地も多くあります。

大町市から眺めた北アルプス

南アルプス

 正式名称、赤石山脈。鋸岳〜光岳長野県、山梨県、静岡県の県境付近を120kmへ南北に走る3000m級の山脈。最高峰は北岳(3193m、日本2位)。代表的な山は、甲斐駒ヶ岳、間ノ岳。
 南アルプスは、西を中央構造線、東をフォッサマグナで挟まれています。地下は東側の太平洋プレートが西側のフィリピン海プレートに沈み込み、フィリピン海プレート上に伊豆ー小笠原弧という火山弧ができ、本州に向かって北上。60万年前に衝突して形成されました。ちなみに、この火山弧が現在の伊豆半島です。現在も1年で4mm程度高くなり続けています。
 山梨県の北西部北杜市白州町で生産されている南アルプスの天然水。韮崎駅からバスで1時間かけて国道20号を長野県方面へ進むと、SUNTORYの工場があります。工場見学(リニューアルのため2023年秋まで休止中)では、南アルプスの天然水の製造、白州などのウイスキーの製造工程を見学できました。山梨県だけではなく関東地方のスーパーマーケットでも販売されていました。

SUNTORY白州工場で撮影したパネル

南北アルプスの天然水の違い

 山々に雨が降り、地層、岩盤を20年かけて通り、地下へ溜まります。地層、岩盤を通ることにより、水にミネラルが溶け込み、天然水が完成します。
 見た目、味の違いは特に感じません。プロの方、敏感な方、毎日飲まれている方なら分かるかもしれません。北アルプスの天然水はやわらか、南アルプスの天然水はさわやかと言われます。
 この2つの味の違いは水に溶け込んでいるミネラル量が要因の一つです。ミネラル含有量は硬度によって表されます。100mgL未満は軟水、以上は硬水と定義されます。SUNTORYの天然水を含め、日本の水のほとんどは軟水です。北アルプスの天然水は約10mgL、南アルプスの天然水は約30mgL。
 誰でもわかる違いは、ラベルの山の絵。北アルプスは大町市東部にある鷹狩山から望む餓鬼岳中心の北アルプス連邦、南アルプスは甲斐駒ヶ岳の山体が描かれています。

 SUNTORYは地域によって販売している天然水が異なります。関西地方であれば鳥取県の奥大山の天然水、九州地方であれば阿蘇の天然水が販売されています。4種類の天然水を比較してもおもしろいと思います。

まとめ

 南北アルプスについて、天然水を通じて比較。北アルプスは東西の圧縮によって隆起して誕生。一方、南アルプスは南でできた火山弧が北上して日本列島に衝突して隆起。天然水の味はほとんど変わらない。違いは天然水中に含まれるミネラル量とラベルの絵。北アルプスは鷹狩山から見た餓鬼岳、南アルプスは甲斐駒ヶ岳を中心に描かれている。




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