【スープカレーの研究前編】スープカレーの歴史を学ぶ
まとめ
札幌の喫茶店「現在のアジャンタインドカリ店」の薬膳カリィが発祥。
マジックスパイスがアジャンタも巻き込んで、スープカレーという名前に変えた。
現在では、札幌を中心に北海道内で230店舗で個性あふれるスープカレーが食べられる。
札幌名物の一つと言えば、スープカレー
大きくカットされた野菜、大きな骨付きチキンが器からはみ出るほど豪快に盛りつけられています。ご飯をスプーンですくい、スープに浸して食べます。箸休めに大きな具材をほおばりながら、食べます。スープはあっさりしており、スパイスにより、身体の内側からじんわり温まります。食べてポカポカしていく感覚がスープカレーの魅力です。鶏肉だけではなく、野菜もたっぷりとれ、完全栄養食に思えます。
スープカレーは、札幌のご当地グルメの一つです。現在では、札幌を中心として北海道内に230店舗存在します。お店によって、スープ、スパイス、具材が異なり、飽きがきません。札幌に行くと、食べたくなる味です。
今回は、スープカレーの歴史を掘り下げつつ、訪れたお店も紹介します。
スープカレーとは?
「出汁をとって作ったカレー」
大きくカットされた野菜、大きな骨付きチキンが器からはみ出るほど豪快に盛りつけられています。ご飯をスプーンですくい、スープに浸して食べます。
スープカレーの歴史
スープカレー発祥のお店:アジャンタインドカリ店
1971年、札幌市の喫茶店「アジャンタインドカリ店」でスープカレーの原型が誕生しました。スープカレーの誕生前は、プロの料理人向けに書かれたレシピにあるインド風チキンカリーが看板メニューでした。1971年、考案者の父の体調不良の回復のため、薬膳カリィが誕生しました。この薬膳カリィがスープカレーの原型です。薬膳カリィには、35種類のスパイス+10種類の漢方をブレンドした香辛料、大量の野菜と鳥でとった出汁が使用されていました。ニンジン、ピーマン、骨付き鶏が入っていました。
札幌まで行かなくてもスープカリー発祥のお店の味が伊豆長岡で味わえます。伊豆長岡店では、本店の味を継承しています。隣に日帰り温泉も楽しめますので、お風呂上がりにお店に寄ることもできます。とり、やさいは受け継がれた味です。
他にも、カシミール(本店はラム肉を使用、伊豆長岡店では、豚と鶏肉の合挽肉を使用した肉団子)、エビ、牛スジという、札幌とは異なるオリジナルメニューもあります。
今回は、大きな骨付き鳥と大量の野菜がとれる、「とりやさいカレー」を注文しました。元祖のスープカレーの味は、サラサラしており、あっさりしていて優しい味わいです。スパイスは、漢方も香り、後からじんわり広がる辛さです。身体の内側から暖まります。スープはあっさりしており、豊かなスパイスが主役になっていました。三寒四温の三寒、雨がしとしと降り、冷える身体をじんわり暖まります。
スープカレーの名付け親:マジックスパイス
1993年創業の「マジックスパイス」がスープカレーの名付け親とされています。マジックスパイスのルーツは、薬膳カリィではなく、インドネシア料理のソトアヤムです。ソトアヤムとは、インドネシア語で「鶏肉の具だくさんスープ」という意味です。ソトアヤムという名前では、売れないと思って、アジャンタの店主にもスープカレーの名前を持ち込んで、全国に広めました。
東京、大阪、名古屋、福岡にも支店があります。
札幌で食べたスープカレー
アジャンタカリィのように、大きな骨付き鳥と大きくカットされた野菜がフォーマルとされています。しかし、お店によって、具材、出汁、スパイスが異なります。この3つの要素の組み合わせのちがいを、楽しみました。
GARAKU
札幌市内に、千歳市にも支店があります。特徴は、和風だしがしっかり効いていること。五穀米と白米が選べます。今回は、「やさい15品目大地の恵+やわらかチキンレッグ」の中辛を注文しました。出汁を活かすためか、中辛は、一般のカレールー(辛さレベル3)の中辛より辛くありません。最初にだしの旨味が来てあとからスパイスの風味が追いついてくる味です。野菜は素揚げしているものが多く、じゃがいも、かぼちゃ、人参が甘く感じました。ナス、ブロッコリーは素揚げしているからか、香ばしくジューシーでした。きのこも入り、肉厚な舞茸、きくらげの食感も感じられます。
お土産にスープカレーの素を購入しました。カレーうどんにもピッタリです。
奥芝商店
円山公園付近に本店があります。エビをふんだんに投入したスープが特徴です。エビだけではなく、チキンベースのスープ、牡蠣でとったスープもあります。ご飯の量も選ぶことができます。札幌メシをハシゴしたいので、今回は、少なめを選びました。ご飯はレモンが添えられており、味変もできます。
エビが強く効いており、濃厚です。エビ団子を課金しました。スープとのバランスを考えて、辛さは抑えられています。同じレベルなら、カレーライスの方が辛いです。柔らかく、エビ出汁を活かすためか、中辛はほのかに辛い程度に仕上がっている。
札幌名物、スープカレーの歴史をたどりながら、お店によって異なる味を食べ比べました。スープカレーは、スープとスパイスの風味のバランスが釣り合っています。辛いものが苦手な方は、レベル0、初めての方は、中辛レベルがオススメです。2回目以降に、お好みの辛さを選ぶとよいと思います。
スープを活かすため、スパイスの辛さは抑えられています。
スープカレーの素やレトルト食品は、お土産にピッタリです。札幌のスーパーマーケットで、スープカレーの素を買ってやりたいことが浮かびました。下の記事をお読みください。