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山形で学んだ暑さ対策

結論 冷やせるものは冷やす

 2023年の夏は太平洋高気圧の勢力が強まると予想されており、観測史上最高の暑さになると気象庁が警告しています。さらに、燃料費の高騰により、電気代も上がっています。「節電しながら猛暑を乗り切る方法はないか?」その答えを探るために、山形市を訪れました。

なぜ、山形市の夏は暑いのか?

 1933年7月25日、山形市で40.7℃を観測。2007年8月16日、埼玉県熊谷市、岐阜県多治見市で最高気温40.9℃を記録するまでの74年間、公式の記録上の日本歴代最高気温をキープしていました。東北地方は涼しいイメージがあります。なぜ、山形市で40℃を超えたのでしょうか?
 山形市は山形県東部の山形盆地にあり、西側は出羽山脈、東側は奥羽山脈に挟まれています。夏はフェーン現象により東の 奥羽山脈を越えて、乾燥した高温の南東風が入ります。さらに、盆地は、山々に囲まれた平地であり、涼しい海風が山で塞がれるため、熱気が溜まりやすいです。そのため、日中は気温が上がりやすくなります。

山形市で学んだ暑さ対策

冷やしシャンプー

 「冷やし中華始めました。」ならぬ「冷やしシャンプーを始めました。」というキャッチコピーに惹かれて山形駅近くにある美容院で冷やしシャンプーを体験しました。
 冷やしシャンプーは、1995年頃、山形市にある美容院メンズ・ヘアリズムで夏限定のサービスとして登場しました。当時はシャンプーを冷蔵庫で冷やして使いました。このサービスが評判を呼び、山形県内に冷やしシャンプーが普及し、山形県冷やしシャンプー推進協議会が設立するところまで発展しました。冷やしシャンプー専用のシャンプーもあり、山形県冷やしシャンプー推進協議会が独自の調合で作っています。冷やしシャンプー専用のシャンプーは、冷やして使うことを前提に作られており、ひんやり成分のメントールだけではなく、山形県名物のサクランボエキス、月山の天然水など地産地消も意識されています。シャンプーはお土産として美容院だけではなく、山形駅にあるお土産屋さんでも購入できるため、自宅でも冷やしシャンプーを体験できます。
 冷蔵庫や氷を使ってシャンプーを冷やし、冷たい水(刺激を抑えたい方はぬるま湯)で頭を洗います。思ったより7℃ほど冷えます。頭がスースーしてすっきり、シャキッと目が覚めます。メントール配合の成分が入ったシャンプーが薬局でも販売されています。しかし、一般のシャンプーはお湯で使うことを前提に開発されているため、メンソールの刺激が冷やしシャンプーより強いですので、スースーしすぎるのが苦手な方はご注意ください。

冷やしラーメン

 冷やしラーメンは山形市で1952年に誕生しました。発祥は山形市にある老舗、栄屋本店。「夏には冷たい蕎麦を食べるから、ラーメンも冷たい物が食べてみたい」というお客さんの一言が冷やしラーメン開発のきっかけになりました。
 開発にあたり、動物性の脂が固まってしまう欠点がありました。しかし、冷蔵庫でスープを寝かせてから表面の油を取り除いて植物油を加えることにより解決しました。他にも冷やしても美味しく食べられるように工夫が施されています。
 現在では、山形県以外でも見られるようになり、新たなジャンルとして築いています。麺のコシの強さ、スープのコク深さを感じられ、さっぱりしているため、通常のラーメンより好きです。冷やしラーメンは、夏でも売上が維持できます。
 山形駅東口のそばにあった修ちゃんラーメン山形駅前本店で冷やしラーメンを食べました。現在は閉店しているため、二度と食べられません。見た目は冷やし中華に冷たいスープを加えた料理。氷も浮かべており、涼しさを感じます。麺が締まり、コシが強く感じます。スープも冷やし中華のように、さっぱりしています。


 ちなみに、山形市のラーメンの支出額は都道府県庁所在地、政令指定都市の中では一番高く、全国平均の2倍程度あります。さらに、タウンページによると、人口あたりのラーメン店の数は日本一です。
 山形県のラーメンのルーツは、横浜中華街で働いていた人々が関東大震災で被災したため、山形に移住して屋台でラーメン店を始めたからと言われています。おもてなしのため、出前や家族での外食で利用されます。辛味噌ラーメンなど山形県では、地域によってラーメンの特徴が異なりますので、山形県を訪れるときはラーメンを探る旅もオススメです。

だし

 大手牛丼チェーンの松屋では、夏限定メニューとして登場します。松屋で食べて以来、本場の味が気になっていました。
 キュウリ、ナスなど水分を多く含む夏野菜、ミョウガ、ショウガなど香味野菜を細かく刻んで、醤油、みりん、鰹節で味付けし、よく混ぜて冷蔵庫で冷やすだけ。オクラ、長芋、刻み昆布などネバネバ食材をみじん切りにして混ぜ合わせることによってねばりも出すなど、使う野菜、食材や味付けは家庭で作り方が異なります。作っただしは日持ちしないため、すぐ食べましょう。ごはんに冷たいだしをかける食べ方が定番です。ごはんだけではなく、冷奴、そうめん、冷しゃぶ、刺身の薬味にもぴったりです。
 今回は、山形県にある山寺(立石寺)のふもとの山寺駅近くの食堂で朝食として食べました。ネバネバでとろみもあるため、ごはんが流れるように入ってきて、食欲が落ちがちな夏でも進んで食べられます。夏の暑い日でもさっぱり食べられます。


 農業で忙しいときのインスタント食品として誕生しました。「だし」という名前の由来は、出汁のように食材を引き立てる事から、包丁で野菜を細かく切り「出す」ことから、手早く食卓に「出す」ことからなどさまざまな説があります。
 簡単にパパっと作れてスルスルと食が進みます。

 今回は、山形市で暑い夏を乗り切るヒントを探りました。気候変動の影響により、40℃前後まで気温の上がる地域が増えました。電気代も高騰しています。冷やせるものは冷やして、無理のない範囲で節電しつつ、乗り切りましょう。
 みなさんが行っている暑さ対策がありましたら、コメントで教えていただけると嬉しいです。

参考文献


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