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釧路へ戻る道中、牡蠣が食べたくなったから、厚岸で下車した。【厚岸の旅前編】

まとめ

  • 2000年以上の歴史をもつ厚岸の牡蠣。

  • 厚岸牡蠣は、「弁天かき」、「マルえもん」、「カキえもん」の3種類がある

  • 小さな身から、高密度の旨味が広がる。


東根室駅を出発し、釧路へ向かう道中、厚岸で下車しました。

厚岸といえば、牡蠣

花咲線の電車は、別寒辺牛川の河口に広がる広大な湿地帯を通り抜けます。反対側の車窓には、湿地帯の奥に、田沢湖、諏訪湖より広大な厚岸湖が見えます。厚岸湖を越えたら、厚岸駅に到着です。

厚岸で降りた理由は、「カキが食べたかったから。」

道東地方へ行く1年前、札幌のバーで出会った厚岸牡蠣のアヒージョを食べました。小ぶりながらプリっとして旨味も詰まっている牡蠣を食べた瞬間に、厚岸に行こうと決めました。

牡蠣といえば、広島県、宮城県を思い浮かべると思います。しかし、北海道でも牡蠣は生産しています。2021年の北海道の牡蠣出荷額は全国6位です。

今回は、北海道内で江戸時代には、牡蠣が名物として知られていた厚岸町の途中下車の話をします。

厚岸の牡蠣の歴史

厚岸町は厚岸湾と厚岸湖に面しています。厚岸湖は、西側を太平洋に開けており、海水が入り込みます。北側を流れる別寒辺牛川ベカンベウシガワが、山の養分をたっぷり運びます。太平洋の海水が混ざり合うことにより、栄養分をたっぷり含んだ汽水湖になり、生き物が集まります。

花咲線から眺めた厚岸湖

厚岸湖では、2000年以上前から人々が集まり、牡蠣も多く食べられていました。厚岸郷土館には、縄文土器が展示されており、人々が定住していました。地名の由来は、アイヌ語のアッケケシ(牡蠣が多く取れる所)から来ています。アイヌ語で呼ばれていたことから、2000年前より、カキの一大産地だったことが分かります。

厚岸の牡蠣養殖

しかし、牡蠣をとりすぎたため、20世紀に入り、漁獲量が減少しました。牡蠣を保護するため、漁獲量を規制する取り組んでいました。

大正時代には、牡蠣の養殖が始まりました。宮城県の松島やサロマ湖から種牡蠣を持ち込み、松島から養殖技術を投入しました。しかし、牡蠣が成長せず、模索する日々が続きます。

昭和に入ってから、ようやく出荷できるようになりました。当初は種牡蠣を蒔いて成長させる方式をとっていました。しかし、1983年、夏の低温により産卵できず大量死を招いたため、平成に入ってから、種牡蠣をロープで垂直に吊るし、潮に流れるような垂下方式が採用されるようになりました。

3種類の牡蠣が食べられる

厚岸町では、下の3種類の牡蠣が出荷されています。

  • 弁天かき→ホタテの養殖技術を応用して2014年誕生のレアな存在。

  • カキえもん→厚岸一筋、小ぶりな身に味がギュッと濃縮。

  • 身がギッシリと詰まっているマルえもん→宮城県三陸生まれ厚岸育ち。

弁天かき、マルエもん、カキえもんの順で手軽に入ります。1~3年かけてじっくり大きく育ててから出荷します。

年中出荷できる

厚岸湖は、親潮の影響を受け、水温が低いため、牡蠣がゆっくり成長します。牡蠣の成長がゆっくりのため、成長速度をコントロールできます。そのため、成長速度をコントロールでき、年中出荷できます。

牡蠣の最も美味しい季節は冬です。一番、旨味が凝縮され、濃厚な味わいになります。

厚岸で牡蠣を食べる

厚岸町の飲食店では、生、蒸し、焼き、フライなど、さまざまな調理法で牡蠣が味わえます。

厚岸駅前では、かきめしが名物です。道の駅厚岸グルメパーク、厚岸漁協協同組合直売店エーウロコでは、先ほど紹介した3種類の牡蠣の食べ比べを楽しむことができます。

氏家のかきめし

厚岸駅で下車して2分で到着します。厚岸前の氏家待合所では、氏家のかきめしが販売されています。

氏家のかきめしは、厚岸町のある食堂のまかないから誕生し、100年以上続く味です。

かきめしは、甘辛いしょうゆベースの煮汁で煮込んだ牡蠣、あさり、つぶ貝を煮汁で炊いたひじきごはんの上に乗せています。一口食べるだけで、なぜ、100年以上も人々に愛されてきたか、わかります。さらに詳しい情報は、下の記事をお読みください。

道の駅 厚岸グルメパーク

マルえもん2個と牡蠣ソフト

厚岸駅と歩道橋でつながっています。1階のカフェと2階のレストランで厚岸の牡蠣が味わえます。5月の大型連休期間、2階のレストランは10時半には75分待ちと栄えていました。3種類の牡蠣の味比べをしたかったです。

しかし、時間が限られていたため、今回は1階のカフェでマルえもんのみ生牡蠣で食べました。あっさりしていて、レモンをかけると磯の香りが抑えられます。

ギュッと旨味が詰まっています。2個でも、物足りなさを感じました。生牡蠣特有の磯の香りを懸念していましたが、全くと言っていいほど感じられません。

デザートに牡蠣ソフトを食べました。カキソフトは、コーヒー風味を強め、オイスターソースが隠し味になっています。最中の内側は白く、牡蠣を再現してます。牡蠣最中をスプーン代わりに、ソフトクリームを味わうのも一興です。

厚岸漁協協同組合直売店エーウロコ

町の南北をつなぐ厚岸大橋の北側のたもとにあります。3つのブランド牡蠣がサイズごとに販売されています。マルえもんは、小さいサイズでは、1個180円から販売されており、お買い得です。お気に入りの牡蠣を自由に選べます。さらに、生牡蠣だけではなく、店内のレンジで蒸し牡蠣を作って食べ比べもできます。

長期連休中のためか、車があふれるほど繁盛しており、お店の外にはみ出そうなほどの行列ができていました。

全国発送も対応しています。オンラインショップもあります。オンラインショップでは、牡蠣だけではなく、アサリ、花咲ガニなど厚岸でとれる海の幸も販売されていますので、ぜひ、下のリンクをクリックして、公式ホームページをご覧ください。

お土産を買う

道の駅厚岸グルメパークでは、カキを使った加工品も販売されています。おみやげにぴったりです。明治時代から続く、干し牡蠣、オイスターソース、牡蠣醤油、牡蠣のオイル漬けは、もちろんオススメです。時代が経つにつれて、白いオイスターソース、牡蠣ドレッシングなど、多種多様に広がっています。

牡蠣を使った調味料といえば、オイスターソース。炒飯、炒め物など中華料理には欠かせません。実は、おでんの出汁が再現できます。出汁1Lに対してオイスターソース大さじ1杯加えるだけで、本格的なおでんのつゆが完成します。オイスターソースではなく、牡蠣醬油を使ってもよいです。大根、玉子など定番の具材を煮込むだけで、さらに複雑な味わいになります。

厚岸の旅、後編に続く

エーウロコから出て、厚岸大橋を渡ると、厚岸町の南側の集落に入ります。南側は、北側とはちがう表情が見られました。続きは、後編で話します。

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