見出し画像

フルリモートは逆にレア? 2016年から全国で在宅勤務を続けるテクロの環境・体制を大解剖

みなさんリモートで働いた経験はありますか?

コロナ禍をきっかけに注目され始めたリモートワーク(テレワーク)ですが、近年は出社に戻したり在宅勤務と出社のハイブリッド型にしたり、フルリモートで働く企業は少なくなっているように感じます。

しかし、テクロは2016年の創業時からずっとフルリモート。そして今後も変える予定はありません。

上は東北から下は九州まで、全国にメンバーが散らばるなかどうやって業務を進めているの? 会わないと疎外感を感じない? など、よく聞かれます。

そこで今回は、弊社のフルリモート環境や問題なく業務を進めるために取り組んでいることなどをまとめました。


社内でほかのメンバーにアンケートなど協力してもらいながら執筆したので、今回は社員みんなで作った記事です〜!


▼テクロのWebマーケティング支援はこちら
オウンドメディア運用代行サービス
メルマガ・MA運用代行サービス
eラーニングサービス


テクロのフルリモート環境大解剖! 20〜40代が全国から在宅で勤務

まず弊社のフルリモート体制と、メンバーの属性を紹介します。

メンバーの属性

弊社の正社員は現在11名。今回は社長を除く、CS(カスタマーサクセス)とセールス、マーケティング部、管理部の10名の社員が回答しています。

年代

年代のみ全社員(11名)の割合を算出

30代前半が3名ともっとも多いですが、それ以外は2名ずつ。意外と30代以上が多いです。ちなみにいちばん若いのは社長の天野です。

居住地

フルリモート経験

仕事環境

住居タイプや家族構成・同居人の有無

意外とパパさん・ママさんが多い弊社。ベンチャーではめずらしいのでは?

30代以上の既婚者やお子さんのいるメンバーが半数を占めるため、一人暮らしは意外といません。またパートナーやお子さんと住んでいる人は、生活スペースと仕事部屋をしっかりわけていることも多かったです。

一部のメンバーはお子さんの勉強部屋の一角で仕事をしているそうです。いつか仕事スペースができると良いですね……

ちなみに「フルリモートという点は入社の決め手になりましたか?」と聞くと、9割のメンバーが「決め手になった」と答えました。

全員が別の会社や働き方でもリモートワークの経験があるからこそ、「フルリモート」というのは魅力に感じたのかもしれません。

利用ツール

あくまで一部ですが、連絡や資料共有などには次のツールを使用しています。

アイコン素材はこちらから拝借しました
Notionアイコン by Icons8、その他:本アイコンの著作権はFreepikにあります

テクロがフルリモート環境構築のために取り組んだこと

フルリモートは社員目線だと確かに働きやすいですが、「情報共有が進まない・漏れることもある」「社員同士、仲良くなるスピードが対面よりは鈍る」といったデメリットもあるのは事実。

業務に影響が出る可能性も考慮し、テクロでは次のような体制作りに取り組んでいます。

  • 社内限定で資料全公開&マニュアル化

  • バーチャルオフィスの導入

  • 雑談機会の用意

  • フルリモート手当

社内向けに資料全公開&徹底的なマニュアル化

社内のみになりますが、Notionを使って資料を共有しています。

以前はConfluenceを利用していましたが、この夏にNotionへ引っ越しました

共有する情報は例えば次の通りです。

  • ツールごとのマニュアル

  • プロジェクト・施策情報

  • MTGの議事録

  • タスク・スケジュール

  • 入社時の説明資料

また社内メンバーを知るツールとして、下記コンテンツも用意しています。

  • メンバー紹介

  • 会社ヒストリー

  • 各部署コンテンツ

    • マーケティング部であれば部署内コラムなど

業務委託、社員、部長、役員など雇用形態・役職によってアクセスできる範囲はわけていますが、基本的にNotionを確認すれば資料が見つかる仕組みです。

特にツールの操作や社内の稟議フローなど、全員が同じ作業をするものはマニュアルを共有したほうが早いこともあります。メッセージでも聞けますが質問から回答までタイムラグがあり、その時間がもったいないです。

そのためか弊社はマニュアルが多く、CSのプロジェクトマネージャー向けだけでこれだけの量(あくまで一部でまだまだある)が……アサイン初期はちょっと大変ですね(笑) PMのみなさんいつもありがとうございます!

各自の作業をスムーズに進め、その時間をもっとコアな業務に使えるよう、多くの作業やノウハウをNotionに落とし込んでいます。

バーチャルオフィス「Gather」の導入

MTG以外で軽く質問をしたい、おしゃべりしたいときってありませんか? これもオフィスなら簡単にできますが、リモートだとなかなか難しい。少し話すことでリフレッシュしたりアイデアが湧いたりすることもあり、意外と疎かにできない部分です。

そこでオンライン上のオフィス「Gather(ギャザー)」を導入。

メンバーはアイコンを動かせば他の人に話しかけることができます。そのアイコンも自由に着せ替えられるため、個性が出る部分です。

2024年時点のアイコン一覧。なぜか人間が少ない弊社……

Gatherがあることで軽い質問やお願いがしやすくなりました。なによりも、全国各地で仕事をしていても一緒にいる感覚があり、「会社で働いているんだ」という所属感を持てるようになりました。

雑談機会の用意

Gatherと似ていますが、次のような雑談の機会を別途設けています。

  • メンバー全員との月に一度の1on1

  • 社員同士のランチ会

弊社では部署関係なく、月に一度はメンバー同士が1対1で話す時間を設けています。内容はなんでもOK。仕事の相談はもちろん、休日に出かけた話やお子さんの話、おもしろかった漫画やドラマの話など、なんでもアリです。

また各部署の社員のみで月に一度オンラインランチ会も開催。食事をしながら部署の垣根を超えて話すことで、横のつながりが生まれました。

雑談はなくても業務は進みますが、一度話していると場が温まり、その後の会議で発言しやすくなったり距離が近くなったり……。なによりも同僚とのおしゃべりは少しホッとする感覚もあります。

ちなみに……これ以外にも社員のみのDMグループがあり、たまにおしゃべりをしていましたが、先日ついにチャンネル化しました! 上司は立入禁止、社員のみの秘密基地です

フルリモート手当

福利厚生の一環としてリモート手当を支給しています。

フルリモートは単純に出社よりも家にいる時間が長くなります。その分光熱費などは増えやすく、昨今の値上がりの影響もあるだろうと、一定の金額を支給しています。

微々たるものですが、働きやすい環境作りに貢献できればうれしいです。

以上、全国で在宅勤務をしながら業務をスムーズに進めるために工夫していることでした。

テクロがコロナ禍以降もフルリモートを続ける理由

フルリモートなので、研修もオンラインで実施

弊社は創業時からフルリモートですが、近年はコロナがあけると同時に出社に戻したり、出社と在宅勤務のハイブリッド型にしたり、 フルリモートは減少傾向にあると感じます。

東京都(従業員が30人以上の都内企業)に限った調査ですが、2024年3月におけるテレワークの実施率は43.4%。緊急事態宣言が発令されていた2020年4月頃の62.7%と比べると、この4年でゆるやかに減少傾向であることがわかります(※1)。

※1…東京都 産業労働局「テレワーク実施率調査結果をお知らせします!3月の調査結果」
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2024/04/10/03.html

このような流れのなか、どうしてフルリモートを続けるの? そもそも、なぜ最初からフルリモート勤務にしたの? という声もあるかと思います。

創業当初は「リモート」しか選択肢がなかった

実は、創業当初は「リモートでしか仕事ができなかった」というのが正直な理由です。

2016年の創業からしばらくは代表と取締役で事業を進めていましたが、当時代表・天野はシンガポールに、取締役・森川はフィリピンにおり、お互い日本と海外を行ったり来たりする生活。Webマーケティング支援の事業であること、当時はまだ少人数だったこともあり、業務や連絡はリモートで問題ないだろうと判断しました。

ところが、2020年頃からコロナが蔓延。テクロはリモートだったゆえに業務に支障はないものの、お互い帰国しても対面で働くのは難しい状況でした。

同時に自粛で集客・販促のオンライン化が進み、ありがたいことにWebマーケティングの支援会社であるテクロにも商談や依頼が急増。リモートのまま新たなメンバーを雇い、お客さまともオンラインでやり取りする働き方を続けざるを得ませんでした。


もともとすべての業務や連絡をオンラインで完結していたこともあり、特に支障もなく……。


どちらかというと「世の中の状況として出社して働くことが難しかった」「フルリモートというスタイルに違和感も心配もなかった」というのが最初の理由です。

現在もフルリモートなのは社員が豊かな生活を送る選択肢を増やしたいから

最初は仕方なかったとはいえ、コロナがあけてから出社に変更することもできたはず。それでもフルリモートを続け、全国各地のメンバーを採用し続けるのは、代表・天野の「社員が自身にとって豊かな生活を送るための選択肢を多く持っておきたい」という気持ちがあるからです。

実際、弊社のお客さまは全国にいらっしゃいますが、その大半を東京の会社が占めています。テクロのオフィスも東京にあるため、出社体制であれば東京オフィスへの出勤を命じることになり、社員は東京近辺に住む人で構成されていたと思います。

東京は便利で生活しやすいですが、首都ゆえに家賃や食費などが高い傾向にあるのも事実。同じ金額のお給料をもらっても、東京に住む人と地方に住む人では手元に残るお金に差が生まれることもあります。

実際に国土交通省の調査によると、可処分所得(手取り)から基礎的な支出を引いた手元に残る金額ランキングで東京は第42位と、下から数えたほうが早いです(※2)。

※2…国土交通省「都道府県別の経済的豊かさ(可処分所得と基礎支出)」
https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001389727.pdf

東京はいろいろな企業が集まるため、年収を上げたい場合は東京に住んで働くのがベストだと思います。しかし収入や可処分所得が多い一方で、物価が高いゆえに支出も増え、手元に残るお金が少なくなりやすいのも事実です。

また首都圏での生活は働きすぎてプライベートが疎かになったり、生活費が高くて趣味を楽しむ余裕がなかったりと、別の問題も浮上します。


もちろん企業経営は利益を出さないと成り立たないため、会社としては「お金を稼ぐこと」は非常に大切です。そのためにも、働くのであればしっかりと顧客のニーズを満たし、満足のいくサービスを提供すること、自身の担当業務を責任を持って遂行することは必須だと考えます。


ただ近年は「お金をたくさん稼ぎたい!」「バリバリ働きたい!」という価値観だけではなくなっています。

「激務で仕事ばかりの毎日よりは、家族との時間を大切にしたい」「便利でなくても良いから、自然豊かなところでのんびり暮らしたい」「地元から出たくない」

このような価値観の人だっているはず。

多様化している世の中で、東京に住んで働くことだけが正解ではないのかもしれない。むしろ希望のライフスタイルによっては、東京を出たほうが精神的な豊かさは高いこともあります。

弊社のMVVに「価値観を大事に」とある通り、個人の価値観にとって良い選択をしてもらうためにも、住む場所の選択肢はできるだけ多く取れるようにしておきたい。その結果、本人やその家族に精神的に豊かな生活を送ってほしい。

このような思いもテクロがフルリモートを継続する理由のひとつです。


実際、代表・天野も東京に住んでいましたが、数年前に福岡に移住しました。


フルリモートで働くときに身に付けておきたいこと

フルリモートはどうしても「楽に働けそう」と見られがちです。しかし意外と多様なスキルが求められる働き方で、あくまで一部ですが下記の姿勢があると一緒に働きやすいと感じます。

  • 積極的に情報を取りに行く姿勢

  • 自らコミュニケーションを取る姿勢

  • わかりやすいテキストコミュニケーション力

積極的に情報を取りに行く姿勢

フルリモートは出社に比べてメンバーと話す機会が少なく、わからないことを質問するハードルも高くなりがち。

でも業務中にわからないこと、確認したいことがあれば、上長や他メンバーに積極的に質問する姿勢があるとうれしいです。

テクロでは必要な情報はできるだけマニュアル化し、質問が少なくなるよう努めていますが、すべてがマニュアル化されているとは限りません。

そのときにただ「これは教えてもらっていません」と情報提供を待つのではなく、「これってどういうことですか?」「こういうことで合っていますか?」など、自ら確認できる人は良いなと感じます。

上長や既存メンバーも見えていない部分があり、それがクリアになるという意味でも質問をもらって解消する姿勢があるとありがたいのです。

MVVに「きっちりかっちり」「チカラを合わせて」とあるように、担当業務をしっかり遂行するためにも必要なことを確認しながら、協力を仰ぎながら取り組めるとなお良いです

マニュアルに書かれていることを聞かれると「ここに書いていますよ」と言ってしまうとは思いますが……(笑)

「これってどうなんだろう?」「どうしたらいいんだろう?」と迷ったら聞くほうが早く解決できますし、その分ほかの大事な業務に時間を割くことができます。

自らコミュニケーションを取る姿勢

ここで言うコミュニケーションとは、MTG前の雑談やランチ会、1on1など業務に関係のない雑談です。

メンバーと「仲良しこよしであれ」という訳ではありません。ただ業務で他の人と連携したり、相談したりすることは発生するはず。そのときに「関係性があるかないか」では、進めやすさが大きく変わります。

みなさんも、仲の良い人からの相談に対して「応えたい!」「なんとかしてあげたい!」と思うことはあるのではないでしょうか?

自分の周りにそう感じてくれる人が多いほうが、自分が困ったときの協力者が増え、早く問題が解決します。雑談のなかで壁打ちのように話すことでより良いアイデアが浮かぶこともあるはず。

自分のアウトプットを良くするには他人の協力も不可欠で、そのためには普段の関係性が深いほうが良い。その関係性を作るのが業務外のコミュニケーションです。


別に無理に話したり、自己開示をしたりする必要はありません。雑談の時間に相手に興味を持って、話を聞く。自分のことも少し話してみる。それだけでも「お互いこの時間をより良いものにしたいんだな」という空気感が伝わり、少し距離が近付きます。


普段の関係性があると、自分が困ったときにも人を頼りやすくなります。

わかりやすいテキストコミュニケーション力

テキストコミュニケーション力には、「情報をわかりやすくまとめる論理的思考力」と「見やすいテキストデザイン力」の2つがあると考えています。

情報をわかりやすくまとめる論理的思考力
弊社はフルリモートのため、依頼やお願いは基本的にテキストでやり取りします。

相談なんかは特に、下記が整理されているとわかりやすいです。

  • なんのための連絡なのか

  • いまどういう状況なのか

  • 何に困っていて、どう解決・サポートしてほしいのか

特に「どう解決・サポートしてほしいのか」「何をお願いしたいのか」を明記することは大事。

相手が指示・相談を理解できるか? 相手に何をしてほしいのかがわかるか? をテキストで表現する力は必須です。

どうしても伝わらないときはGatherやHuddleでのやり取りをお願いするなど、その臨機応変さも重要ですね!


と言いつつ、弊社メンバーもテキストでの指示がわかりにくいことは多いので、汲み取ってくれる業務委託パートナーの方には感謝の日々です……。


見やすいテキストデザイン力
テキストデザイン力とは、メッセージを視認性が高い状態に編集できる力を指します。

文字が隙間なく羅列した文章は読みにくいです。また改行がない文章も相手の読む気を削いでしまいます。

例えば次のような工夫があると伝わりやすいです。

  • 適度に改行する

  • ボックスや太線など装飾を使う

  • 伝えたいことを番号でわける

個人的に、Slackは箇条書きやグレーのボックスでデザインできるところが便利だと思います!

多少まとまっていなくても、テキストをデザインするだけで見やすくなる上、編集するなかで言いたいことも整理されていきます。

全員集合! フルリモートでも年に1回は会います

ここまで紹介したようにテクロはフルリモートで働いていますが、実は定期的に集まっています!

年に一度の全社会

年に一度、全社会と称して「研修&飲み会」を開催しています。

フルリモートで業務はできるけれど、やっぱり定期的に顔を合わせるのも大事。直接会うことで仲良くなる上に、一度顔を合わせればその後オンライン上でも話しやすくなることってありませんか?

会える機会があれば対面で会って話し、近況報告や仕事の話をカジュアルにする。そんな時間として年に一度の全員集合の場を大切にしています。

前回は研修の後、みんなでたこパをしました(笑)

次回は熊本でワーケーションの予定

2024年はなんと、熊本に行きます! 研修とワーケーションをするため、10月に2泊3日で熊本へ。いつも都内開催だったため、初めての遠出&数日のビッグイベントで楽しみです!

いきなりフルリモートは不安。まずは業務委託から一緒に働きませんか?

今回の記事を通して、テクロに興味を持ってくれる人がいればうれしいです。とはいえ、いきなり正社員として入社してフルリモートで働くのはハードルが高いという人もいるのではないでしょうか?

弊社は一部の部署・ポジションで業務委託パートナーも募集しています。
もちろん全員フルリモートOK! 気になる方は業務委託からのアサインも大歓迎です。

CSは業務委託も積極的に採用中

業務委託パートナーを募集しているのは主にCS(カスタマーサクセス)の以下職種になります。

・プロジェクトマネージャー
・エディター
・ライター

時期によって募集人数などは変動しますが、全ポジション絶賛採用中です。またディレクター(ホワイトペーパー制作)やデザイナーを募集していることもあります。

各募集要項をご確認のうえ、弊社採用サイトからご連絡ください!

募集要項&応募はこちら

まとめ

フルリモートの企業はWebやITの世界では多い印象ですが、それでも減少傾向にあります。

そのなかでも、テクロは今後もフルリモートを継続予定。全国各地のより多くの人と出会うためにも、在宅勤務の体制を続けていきたいですね。

次はリモート関連として、弊社メンバーのデスクツアーをやりたい……! 実現できるよう、ガジェット好きメンバーを捕獲しておきます(笑)


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?