見出し画像

【抄訳】ピーター・ティール3時間インタビューのハイライト

Joe Rogan Experience #2190 - Peter Thiel

2024年8月7日、コメディアンでYoutuberのジョー・ローガン氏が起業家でコントラリアンのピーター・ティール氏へのインタビューを公開した。
3時間に及ぶロングインタビューから、個人的なハイライトを抄訳と感想でお届けする。
なお私の可処分時間の都合上、動画を少し視聴しては、少し引用して記事を更新するという細切れスタイルを採用させていただくことをご了承願いたい。

テック企業の一極集中はインターネットのパラドックス

インターネットの本質は、物理的な場所という暴君(Tyrany of space)を倒すことだったはずだ。インターネットの歴史に多いて大きなパラドックスの一つは、インターネット企業の多くがカリフォルニアに集積しているということだ。
COVID19でサンフランシスコ・ベイエリアから出て行ったのはクリプト(暗号資産)の会社だった。クリプトは中央銀行から独立して、非中央集権化を目指しているし、どこにいてもクリプトのプロトコルを書くことができる。
現在テック領域のナラティブの中心にいるのは、AIだ。そしてAIは中央集権的だ。クリプトがリバタリアンだとしたら、AIはコミュニズムなのかと自問したことがある。これがテックが進む姿だ。サンフランシスコ・ベイエリアから出られなくなる。

Joe Rogan Experience #2190 - Peter Thiel
  • シリコンバレーやベイエリアにスタートアップが集積していることについて、ティールは苦言を呈する。住宅価格が信じられないほど高騰するなど、生活しにくい場所になっていることを受けての発言だ。

  • ティールは歴史を紐解く。引き合いに出すのは、ミシガン州のデトロイト。フォード、GM、クライスラーが集積し、工場のみならずサプライチェーンも含めて全てがデトロイト周辺で完結していた。しかし結局は「マネジメントがうまくいかなくなって(mismanaged)…みんなバカらしくなって出ていった」(ティール氏)。

  • ここで「マネジメントがうまくいかない」というのが何を指すのかが不明だが、おそらくは自動車産業の衰退を指しているのだろう。

  • テック業界に冬の時代が訪れた時に、サンフランシスコ・ベイエリアに何が起こるのか、警鐘を鳴らしたのかもしれない。

物理学や化学が真のサイエンス

私はサイエンスが好きだが、「なんとかサイエンス」は好きではない。例えば気候科学(Climate Science)や政治科学(Political Science)、社会科学(Social Science)というのは、物理学や化学などとは違って本当のサイエンスではないことを示す。
コンピューター・サイエンスも同様だ。本当のサイエンス、本当の工学からドロップアウトした人たちがやっている偽のサイエンスだ。

Joe Rogan Experience #2190 - Peter Thiel
  • ここしばらく、テクノロジーの進歩といえば物理の世界(the world of atoms)ではなく、デジタルの世界(the world of bits)になってきたことに苦言を呈する。「原子炉や半導体のエンジニアリングはマシだったが、その後進化したのはただコンピューター・サイエンスだけだった」とまで言ってのける。

  • ティールが例に挙げているのはニューヨークの「100歳の地下鉄」で、「100年間何も変わっていない」という。要するに、デジタルの世界の進歩によって確かに生活は良くなっただろうが、まだまだ物理の世界でやることが残っているんじゃないか?という強烈な問いかけだろう。

気候変動はサイエンスで説明されていない

気候変動が起きているのは事実で、それに異議を唱えるわけではない。しかしそれはサイエンスなのか。たとえばメタンが原因なのか、牛のゲップがどれくらい影響しているのか、はたまた我々がステーキを食べすぎているのか。これらを科学的に(scientific)に本当にやっているのかは疑問だ。
これらを気候科学と呼ぶのなら、それは本当のサイエンスではなくドグマに過ぎない。

Joe Rogan Experience #2190 - Peter Thiel
  • ローガンは鋭い質問を投げかけた。「気候変動がサイエンスじゃないって?」と聞いたのだ。それに対して、ティールは何度も言い淀んだ挙句、10秒の間をおいて上記のように話し始めた。

  • ティールが明らかに念頭に置いているのは「グリーンウォッシュ」そして「ウォーク(woke)」だろう。気候変動に関する多くの主義・主張はドグマであり、サイエンスに基づいた理論ではないという主張だ。

This is a developing story…


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?