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第13回 社会主義の生みの親 マルクス vol.2

前回の前半ではマルクスによる資本主義の分析と批判についてみていきました。

後半ではマルクスの生み出した社会主義と社会主義の崩壊ついて見ていきましょう。


8.社会主義国の誕生

マルクスの『資本論』を読み、共感した人物が世界中で共産党という組織をつくり、共産主義運動をしていきます。

ロシア・中国・北ベトナム・北朝鮮・東ヨーロッパ・アフリカなど各地に次々に社会主義国家が生まれていきました。


9.社会主義国家は理想の社会を目指した。

経済に景気循環はつきものです。供給よりも需要が多ければ景気がよくなる。景気がよくなれば、資本家が大量にものを生産する。どんどん生産して需要より供給のほうが増えすぎることによって、ものが売れなくなり、不況になる。

これがさらに深刻になり、恐慌となって失業者が街にあふれる。失業者が増え、供給能力が落ちてくることにより、やがて供給と需要のバランスがとれ、やがてまた需要が増えてくることによって景気がよくなる。これを繰り返します。

マルクスの時代は定期的に恐慌が起きていました。資本主義で自由な競争をやらせているからだとして、革命を起こして計画経済にしようと理想の社会をつくろうとしました。


10.実際の社会主義

実際に社会主義を作ろうとしたら何が起きたのでしょうか。

全ては計画生産であるため、たとえば女性のブーツは来年何足つくるとあらかじめ計画を立てます。全てが計画によって生産がコントロールされるため、それしか買うことができなくなります。

そうするとデザイン性などはまったく無視したダサいブーツしか店頭に並ばないことになります。そうすると大量に売れ残りが出てきて、資源の無駄遣いが起きるのです。

たまにおしゃれなものが出ようなら行列ができ、あっという間に売り切れてしまいます。また店員に賄賂を渡してこっそり手に入れる人も出てくるのです。

また、資本家たちが資本主義に戻そうとすることを防ぐために、考えが世の中に広まらないように言論を統制しようということになります。

自由な言論が抑圧され、共産党を批判する人たちは資本家の手先であるというかたちで捕まり、場合によっては処刑される場合もありました。


11.自由競争がなくなり社会主義は崩壊

ベルリンの壁によって隔てられていた東西ドイツでは、東ドイツは社会主義による計画生産が行われ西ドイツの資本主義経済にかなり遅れをとっていました。


西ドイツでは自由な経済競争により新型車が次々と生まれていきますが、東ドイツでは社会主義になった最初の頃の自動車がずっと作られていたのです。


12.中国の社会主義市場経済

ソ連は完全に崩壊して資本主義の国になりました。しかし中国は、共産党体制はそのままで社会主義市場経済というやり方をとりました。

あくまでも社会主義ではあるけど、市場経済を導入したよと言っています。政治的には社会主義を維持しつつ、民間企業による商品・サービスの生産や販売を認めて、経済成長を図る経済体制です。

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