さよならモラトリアム 第8話
就職活動をしていた時間が空いたことで、またあたしは小説を書き始めた。そこで、あたしは悟ってしまった。
結局、あたしが小説を書くのは、何かしらで有名になりたいという承認欲求を満たすことと、まともな職を手に入れることが出来ていない現実から逃れることが目的であり、それを読んだ他人がどう思うかなど、もはやあたしには関係なかった。
現に、スミレに愛されている、と思えていたときには、小説など書かなくても生きていられた。そもそも、小さな頃から、本などまともに読んでこなかった人間に、小