睡眠のプロフェッショナル、マシュー・ウォーカーが教える睡眠の質向上のプロトコル③/③ エピソード2
このシリーズでは睡眠について約20年以上睡眠に関して研究をされているマシューウォーカー教授が、毎度お馴染みのアンドリューヒューバーマンと共に6つのエピソードに分けて面白い解説をしてくれていますので、共有しています。
難しい化学的用語は都度解説しているので、気になる方は最初の記事「睡眠のプロフェッショナル、マシュー・ウォーカーが教える睡眠」から読んでいただくのがいいかと思います。
このエピソード2 ③/③では前回に続き、睡眠のプロフェッショナル、マシュー・ウォーカーが教える睡眠の質向上のプロトコルという題名で、どうすれば睡眠の質が向上するか?を解説していきます。
眠りのコツ、その1〜何もするな、羊を数えるな〜
よく寝れなかった翌日の夜に、「昨日はよく寝れなかったから、早くベッドに行こう」や「昨日は寝なかったからお昼寝をしておこう」などと思った事はないでしょうか?
これはあまり良くないという。
なるべく日常で眠くなるタイミングを把握しているのなら、そのタイミングまで頑張って待ってから、ベッドに行くのがベターだそうだ。
前回のエピソードでも共有したが、ベットという場所を「睡眠を取る場所」という認識のみ学ばせ、「寝る努力をする場所」という認識を作らない方がベターだそう。
また、身体を疲れさせるために、ジムに行こうというのも、良くないアイデアだそう。
睡眠の質に関して、向上させるのであれば、高度な運動は午前に済ませておくのがよいそう。
これに関して科学的に説明すると、Insomnia (睡眠障害)として診断された方の治療方法としてCBTI(Cognitive Behavioral Therapy for Insomnia)というものがある。
このCBTIの効果として、睡眠障害の原因として、嘘のような話だが、睡眠に関しての自信(Sleep Confidence)というものを向上させることができふのである。
この時間、このパターン(ご飯を食べて、お風呂に入って、ストレッチをしたら眠くなるetc.)など、自分で睡眠をコントロールできているという意識が、睡眠にとって大事なのである。ちなみにこのパターンや眠りの前のリラックスの時間などをワインダウンルーティーン(winedown routine)などという。
また、羊を数えるというのも、睡眠導入に平均より長くかかってしまうという結果があるほど、効果がないものだという。
(もちろんのの羊を数えるということをワインダウンルーティーンに適応し、習慣づけられているものであれば別の話である)
代わりに、マインドウォーク(Mind Walk)というものの効果がみられているそうだ。
これは、自分のよく知る道を頭の中で回想し、頭の中で細かく説明をしていく。というものだ。例えば
玄関で、あの、歩きやすい靴を履いて、
いつも、右から履いているので右から履く。
玄関を開けるときの、あの重さがなんともなく好きだと思いながら、ポストに何か入っているかちょっと気になる。。鍵をして、後ろのほうからくる車に気をつけて、「あ、コンビニでチョコを買ってから駅に行こう」.....
など、よく知る場所を歩いているところを頭の中で回想するのである。
眠りのコツ、その2〜熱い風呂とサウナ〜?
不眠症の人は、健常者と比べ、温かい水に手足をつけても暖かくなるのに時間がかかるそうだ。これは類基底細胞(basaloid cell)表皮の下の層にある基底細胞の反応が薄く、基礎的な体温調節管理に不備があるのではないかと言われている。
これは高齢な方が真夏でも毛皮の帽子をかぶっていたりするのと似ており、類基底細胞の反応が薄いからだそうだ。
サウナやお風呂の睡眠への影響はもちろん、リラックス効果やデジタルデバイスから離れられるところなどもあるが、前回も説明したように、
深い睡眠を維持するのにはなるべく涼しいところがベターだそう。
そして、脳に、「あなたは涼しいところにいますよ」と認識させるために、このサウナや熱い風呂に入り、一度温めることだ効果的だというのだ。
イギリスの大学のJim Horne 教授が研究していたプロトコルでは、
40度のお風呂に入り、睡眠の質を調べたのだ。
検証結果として平均25分ほど睡眠の時間が延びたそうだ。
続けてマット氏とアンドリューがお勧めするプロトコルとして、長時間フライトでの睡眠に関しては、
温かい靴下を履き、体を温める、
眠る姿勢に入る時に靴下を脱ぐ
涼しい環境をキープさせること
というメソッドを紹介していました。
眠りのコツ、その3〜医学的快眠薬?DORAs〜
さて-眠りのコツその1〜何もするな、羊を数えるな〜、-眠りのコツ、その2〜熱い風呂とサウナ〜では快眠を促すコツを教えてくれましたが、
マットは続けてREM睡眠を効率化させることができるのではないか?と言われているDORAsについて紹介してくれました。
DORAsとは(Dual Orexin Receptor Antagonists)(Dual、双方の|Orexin Receptor、オレキシン受容体| Antagonists、拮抗)の略であります。
まず、このオレキシンというものに注目されたきっかけとして、ナコレプシー(日中の過度の眠気(重度)を煩う人を調べたところ、このオレキシンというものが日中の活力などのスイッチの元であると言われている視床下部に支障を及ぼし、正常に機能をさせていなかったことが原因だと言われていました。
このメカニズムを利用し、逆に眠ることができなかった睡眠障害がある人へこのオレキシンの量を変化させ、眠くさせることができるのである。
また、このDORAsの素晴らしい点としては全体的な睡眠を促すだけではなく
MCH(Melanin Concentrated Hormone)Acetylcholine(アセチルコリン)というREM睡眠の最中に分泌される神経伝達物質というものを効果的に促すことができるのだそう。
まとめ
睡眠のエキスパート、マシューウォーカーとUCバークレイ校脳神経学教授のアンドリューヒューバーマンが解説している睡眠シリーズを共有しました。今回は6つのエピソードに分けて解説してくれている2エピソード目の中の③を解説しました。いかがだったでしょうか?
また次回をお楽しみください。
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