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農業・漁業の技術

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#種子

種子適格率

種子適格率

持続可能な食料生産が求められる時代だが、作物生産のもととなる種子を取り巻く日本の現状は持続可能にほど遠い。品質基準に満たないとして実際は利用可能な種子までが多く廃棄されている。これに対し、九州大学の松田修助教ら研究チームは、種子の適格率を改善する新しい選別技術を開発。

国内で使われる野菜種子は約9割が海外生産で、世界情勢が不安定化する中、食料安全保障の観点からも意義は大きい。

現在、作物種子は

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【技術史】遺伝子組み換え作物の誕生②

【技術史】遺伝子組み換え作物の誕生②

アメリカの巨大企業モンサントは、遺伝子組み換え技術により、莫大な収入をえることになります。
農家は「ラウンドアップレディ大豆」導入にあたり、モンサントと契約を交わして、この種子を毎年購入しなければならず、特許料を含む割高な価格により、コストがかかるため借金がかさみます。さらに、モンサントは子世代の種子自体が自殺する遺伝子「ターミネーター」を組み込んで、収穫した種子は発芽しないようにする技術も確立し

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わすか数ヶ月で樹木の花を咲かせる

わすか数ヶ月で樹木の花を咲かせる

野菜の品種改良では、よりよい特徴を持つ品種ができたかどうかは、普通は1年以内に確認できる。なぜなら、芽が出てから種子が実まで、たいてい1年かからないからです。ところが、樹木の場合成長して、次世代になる種子ができるまでに、数年〜数十年かかるため、品種改良に長い時間がかかる。

アメリカジョージア大学の研究チームはゲノム編集により、ポプラの開花抑制遺伝子を改変して、約7年〜10年かかる開花開始時期を3

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