マガジンのカバー画像

農業・漁業の技術

121
運営しているクリエイター

#ゲノム編集

鶏卵内の目の色で性別を判断

鶏卵内の目の色で性別を判断

徳島大学の研究チームは、ゲノム編集の技術を使い、鶏卵の中にいるヒナの性別を「目の色」で判定できる新手法を開発した。

採卵用のニワトリは、卵を産むメスだけが飼育される。大半のオスはふ化後間もなく殺処分されて飼料などに使われる。その数は国内で年間1億羽を超えるという。

「ニワトリの胚が痛覚を持つとされる産卵13日目より前に性別を判定できないか」と考え、研究が始まった。

オスのニワトリの遺伝子の一

もっとみる
食糧危機に備えろ

食糧危機に備えろ

現在、地球規模で環境変化がおこり、干ばつや土壌の荒廃が世界中の農地で起こっています。国内でも、極端な豪雨をはじめ、肥料価格が高騰するなど、農業を取り巻く自然環境や経済状況は大きく変化しています。

農研機構は、将来の不良環境でも育てられる食物の確保にむけ、異常気象を人工的に作り出す気象室を開発しました。

室内で干ばつや冠水・少ない肥料環境を作り出し、作物の成長をカメラで記録。こういった過酷な環境

もっとみる
海は微生物のスープ『ゲノマイミング』

海は微生物のスープ『ゲノマイミング』

海は微生物のスープだ。平均的な海水1リットルには約10億個の細菌と100億個のウイルスが含まれている。スープに浸かって暮らす海洋の生物たちは、自分の身を守る様々な化合物を作り出す。

しかし、長らく海の生物に由来する薬の研究は遅れてきた。海洋由来の生物を実験室で育てることは難しい。しかも海中とは異なる環境で、それらの生物に身を守る化学物質を作らせるのは至難の技だった。

ゲノム科学が進み、現在では

もっとみる
イカもフグもゲノム編集

イカもフグもゲノム編集

遺伝子を効率よく書き換えるゲノム編集技術を使って品種改良した食品の実用化が進む。

すでに国の販売許可が出ている、トラフグは
ゲノム編集で食欲を抑える遺伝子の働きを止めた。成長が早くなり、通常2年以上かかる出荷までの期間を半分にでき、同じエサの量で体重が約4割多く増えるようだ。本年11月から流通し始める。

その他にも、イカをゲノム編集することで墨を吐かないようにする。墨がエラに絡まったり、墨に驚

もっとみる
ゲノム編集されたタイが消費者のもとへ

ゲノム編集されたタイが消費者のもとへ

京都大学や近畿大学はタイを使ったゲノム編集の研究を進めてきた。ゲノム編集で筋肉の成長を抑える遺伝子「ミオスタチン」を働かなくさせることで、通常のエサの量を与えるだけで身が約1.5倍増えるという。

生産コストを下げられるメリットがある一方、これまでにないアレルギー反応が出る可能性はないのか最終確認し、ゲノム編集したタイが海に逃げ出し、天然魚と交配しないようにしっかり管理する体制を整える必要があるよ

もっとみる