じぶんはたらき方講座2020「自分事業、はぐくみ講座」 第2回 参加レポート
「自分事業、はぐくみ講座」は、長野県佐久市とワークテラス佐久が主催する、「2020年度佐久市ママ&プレママのためのじぶんはたらき方講座 」のうち、創業支援に特化した講座である。佐久地域に暮らしながら、就労や創業に悩むママ達をサポートするプログラム。佐久市は、育児中の女性がいきいきと働くことができる地域を目指している。
11月5日「自分事業、はぐくみ講座」の第2回目が開催された。
この講座は、すでに何らかの事業を始めているママたちが、さらに"もう一歩進む"ためのスキルと知恵を学ぶプログラム。つまり受講生たちは、母でありながら"ビジネスマン"なのである。
今回のテーマは、「価値を届ける仕組みづくりについて」。
この講座は毎回、オンラインでの開催。受講生はそれぞれのお家やオフィスから参加している。どこからともなく聴こえる、猫の「にゃ〜」という声や、赤ちゃんのやわらかな泣き声が、みんなの表情をやわらげてくれた。
チェックインというスイッチ
ホテル等に入るときの「チェックイン」。講座やワークショップの中でもこのアクションは使われていて、「場の導入技法」と呼ばれるのだとか。「じぶんはたらき方講座」の面白いところは、講座のいたるところにファシリテーションの技術やキャリアデザインの指標が散りばめられているところだ。
「ファシリテーション」(facilitation)とは、人々の活動が容易にできるよう支援し、うまくことが運ぶよう舵取りすること。
「キャリアデザイン」とは、自分の職業人生を自らの手で主体的に構想・設計=デザインすること。
チェックインでは、「最近の良かったこと」や「前回、ライフラインシートを書いた感想」などを手短に語った。
「やりたいことのイメージが沸いている。」
「前回まで、目標を大きく捉えすぎていたかも…。」
語ったテーマはそれぞれ。でも、みんな自然と原点を振り返っている。じぶんをみつめるスイッチがぱちんと押されて、気づいたら講座の中にいた。
「天職」と、夢のまた夢の話。
私たちは、顧客に対して何を届けていきたいのだろう。満足感、幸福感…いろいろあるけど、なぜ届けたいのだっけ?じぶんが事業に取り組む「目的」(Why)と、目的を達成するために掲げる「目標」(What)。この二つは、じぶんの事業の「価値」を築いているそう。
突然、「誰にも見せないので、思いの丈を、制限を振り払って書いてください。」という指示のもと、とある課題がふたつ提示された。
① 自分の天職ってどんなものだと思いますか?
② 手に入れたいこと"having、やりたいこと"Doing、ありたい姿"Being"を書いてください。なるべく”これは無理じゃないかな…”ってものを書いてださい。
まず「天職」について考えることは、じぶんが事業を持続する理由、つまり「目的」に直結するのだという。自分自身が楽しく、充足するなりわいは、続けていくことができる。このイメージが「天職」。
そう考えると天職って、決して出会えないようなものではないかも。事業を続けることの原動力が自分の思い描くビジョンそのものだというだけなのだから。
次に、夢のまた夢のようなビジョンを書き連ねること。これは、じぶんの目標を指し示すことに直結するのだそう。
確かに、制限を取り払って思い描いた、手に入れたいこと"having"、やりたいこと"Doing"、ありたい姿"Being"は、自分が望むことの、いちばん高いところにある。
突き抜けすぎて、普段いる世界では考えなかったことたちの数々。でも、なぜ考えもしなかったのだろう?
厄介者「ドリームキラー」
じぶんの心の中にある夢や目標たち。これらを想像したとき、同時に聴こえる「どうせできっこない」「あなたには無理」の声。これらの声を再生するのは、親の声だったり、パートナーの声だったり、さまざまかもしれない。しかし実はこの声、じぶんがじぶんに囁いている声なのだそう!
その名は「ドリームキラー」。こやつを退治する言葉を身につけることで、目標はきちんと目標として腑に落ち、臆さず挑戦する自分と出会えるのだ。
そうだよ。いつも最後に制限をかけるのって「やらない」じぶんじゃないか。
ここにいるみんなが地域の先駆者になれる
後半は、じぶんの事業の「価値」を届ける仕組みについて考える。使うのはビジネスモデルキャンバス。じぶんの事業の「顧客」や「リソース」などをばらばらと解体していく、いわば事業の設計書。
このビジネスモデルを使う理由は「見える化」。大切なことの抜け漏れがないようにすること。また、視覚化されることで他のメンバーからアドバイスが貰いやすい!ということで、グループワークに突入した。
グループワークでは、それぞれが思うじぶんの事業の「顧客」と「価値」を言葉にする。
そこで気がついたのは、みんなの事業の根っこには共通して、「誰かに寄り添いたい・助けたい・地域を良くしたい」という気持ちがあること。そうした温かい気持ちを土台にしている事業者さんが、ここで磨きあっているのってすごいなあ、とふと感動してしまった。
この講座を受けたママたちが自立し、佐久地域で事業を成功させたり、いきいきと働き暮らしていくこと。これは、佐久地域に暮らす女性たちにおいて、キャリアを実現させた先駆者になるということだ。
地域の女性のはたらき方そのものを、先鋭的でポジティブな方へ引っ張っていける。そんな可能性を、この講座に感じている。
エムラヤスコさんによる、当日のグラフィックレコーディング『絵で見るじぶんはたらき方講座』はこちら♫
ライター:team OHAYASHI 小島 美里
まちの広告や team OHAYASHI(チームオハヤシ)です。すてきなデザインやことばで、まつりばやしのように、この街で活動するあらゆるひとたちを盛り立てていきたいと思っています。