キセキのロックバンドのキセキ④ 4thアルバム「智」への道のり
亡きデザイナーの友に捧げた「ホワイトアルバム」
結成9年、全国を旅しながら9年間活動を続けてきたロックバンド「ソーセージ」。
自分史を通じて彼らの「素の姿」を見せることをコンセプトに据えた「B-side Story」プロジェクトで、4月から彼ら自身の連載と、メンバーのインタビューをはじめた。
まず、メンバーの連載と私のインタビューを含めすべての投稿52本が載っているnoteのマガジンがこれ。
そしてこれが私がメンバーに行ったインタビューだけを抜粋しているマガジン「キセキのロックバンドのキセキ」だ。
しかし現時点で3人目のセイジのインタビューはまだ書けていない。
二人目のソウから3ヶ月近くも時間がかかっているのには理由がある。この間、彼らの5年ぶり4枚目となるアルバム「智」の制作に、セイジが忙殺されていたからなのだ。
ジャケットはあえて真っ白の「ホワイトアルバム」。そこには「ソーセージのデザインは全部オレがやる!」とメンバーと約束しながらも2017年に急逝したデザイナー、ヒューイこと土屋能風(ツチヤヨシカゼ)さんへのトリビュートの意味がある。
この制作期間に行ったインタビューで、セイジをどう描こうかと考え続けていたが、なによりもまずこのアルバム制作を通じて見た彼の「プロとしての在り方」を書かずにいられない、多くの人に知ってもらいたいと自然に指が動き出した。
新メンバーとして2020年に加入したナオトが初参加し、全14曲からなるこのアルバム「智」は、B-side Storyのコンセプトにしたがい、メンバーそれぞれのオリジナルソングも1曲ずつ収録されている。
さらに、彼らのテーマソングの一つで、東日本大震災で母を亡くした少年の思いを綴った「Dear ウルトラマン」もついにこのアルバムに収録された。
この曲を作詞作曲した石井勝司さんも、2016年に急逝している。
コロナ禍のため、作業のほとんどはオンラインで進行。
そのなかで、自身の楽曲はもちろん、メンバーから送られた音源データのアレンジや打ち込み、ミックスやマスタリングといった音作り、ジャケットやポスターなどのプロモーショングッズのデザインまで、彼がすべてを担当した。
しかも今回、当初予定していたスケジュールは諸事情により大幅に遅延。
今だからこそ言えるが、9月11日、横浜でのライブ3days開始日のリリースはほぼ絶望的だった。
しかし彼は何日も徹夜し、プロとしてのクオリティを保ちながらアルバムを完成させ、ライブ直前に直接店への納品を実現、さらにライブをも大成功させた。
彼らの横浜での本拠アビームにて、彼らのステージ写真やMVを担当した村橋茜と、ベースの井戸雀琇(ゆうしゅう)のフルメンバー。彼らは7年にわたり東日本大震災の東北の被災地へ音を届け続けている。
横浜ツアー3daysの初日には、セイジが師匠と慕うSuparGoooodの高田エージさんも出演。大変な盛り上がりを見せた。
最終日は横浜の老舗ライブハウス 7th Avenueで。またアビームとは違ったステージとなり、こちらも盛況のうちに横浜ツアーは幕を閉じた。
「命を削って」仕上げた作品
2010年に頚椎の重い病気になり、2度の手術で未だに鉄板が入ったまま、手にしびれが残る障害者認定を受けたセイジ。
しかし絶望にめげず地獄のようなリハビリでギターを弾けるところまで復活し、それに加えて今回のアルバム制作のほとんどを予定どおり仕上げたその精神力に、私は、正直なところ愕然とするしかなかった。
このアルバムのライナーノーツも彼らが執筆した。それぞれの曲に関する思いやストーリーも満載なので、こちらもぜひ読んでみてほしい。
このアルバムは、ヒューイや石井さんなど、すでにこの世を去った友人らの思いを込めて、まさに彼が「命を削って」仕上げた作品だ。
あなたがこのnoteを読んで、もし少しでも興味をもってくれたなら、まずはこのアルバムをまずは手に取って聴いてもらいたい。
ソーセージ4thアルバム「智」はこちらから
https://www.souseizi.com/songswisdom
そしてアルバムをBGMに、彼自身が書くnoteもじっくり読んでみてほしい。彼らの曲がさらに彩りをもってあなたの耳に入ってくるはずだ。
最初はセイジのインタビューでこのアルバムについて書くはずだったが、こんなに長くなってしまったので、このnoteはここまで。
追って別のnoteでセイジの音楽、ソーセージに対する思いなどをお伝えしていきたいと思う。
4th アルバム『智』1曲目 "This is entertainment"
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