ちーむ ふぁらふぇる

2020年8月4日のベイルートの爆発被害の支援のために集まった、レバノンにゆかりのある…

ちーむ ふぁらふぇる

2020年8月4日のベイルートの爆発被害の支援のために集まった、レバノンにゆかりのある者たちです。25万5千725円の寄付をレバノン赤十字に送りました。ベイルート、レバノンに想いを寄せるプラットフォームになれればと。

最近の記事

映画『セメントの記憶』感想リレー④

▼映画鑑賞後に現地を訪問したくなることってありますか。映像の風景を目前に、映画で語られた想いを再認識するために。だが、本作「セメントの記憶」に関しては、レバノンを訪問すれば、映画の光景が否応なく目に入り、映像と現実が即座に繋がる。今のレバノンを知るためにはもってこいの映画だ。 ▼映画鑑賞(19年3月)とレバノン滞在(19年7-8月)を踏まえ、映画の見どころとシリア人の今をお話ししたい。 ▼昨今のレバノン映画「判決、ふたつの希望」「存在のない子供たち」を考えれば、本作「セメン

    • 映画『セメントの記憶』感想リレー③

      映画に疎い自分、それでも僅かながらに痛感した哀傷。 シリアの悲嘆…それは父に染み付いたセメントの匂い、そして自分自身のまぎれもない体験を通して渾然一体と化し、記憶の深淵に深く刻み込まれているようであった。 …… 戦争と建設、破壊と創造。 過去と現在、理想と現実。 相対する概念を前に、シリア人移民労働者は隣国レバノンがかつて自分自身が夢想していた楽土とは程遠いということを、無機質なセメントと排他的な法令を目前にしてなすすべもなく幻滅する。 均質化された日々と環境の中

      • 映画『セメントの記憶』感想リレー②

        道路工事で狭まった近所の道を通るとき、懐かしい匂いがして思わずいっぱいに吸い込んだ。 夏の蒸し暑さに紛れた、セメントの匂い。 街中のいたるところに建設現場がある。ベイルートはそんなところだ。 映画の中で”セメントの匂い”は、レバノンの建設現場から帰った父の旅人の証、そしてシリア内戦のさなかに生き埋めになり味わう心を蝕むものとして登場する。 シリアから職を求めて、兵役から逃れてレバノンに働きに来る人々。内戦の続く故郷にいるよりも本当に良い環境なのだろうか。そう疑問に思う

        • 映画『セメントの記憶』感想リレー①

          現実と向き合うこと。 どれほど、勇気がいることか。 どれほど、苦痛をともなうことか。 どれほど、「過去」を受け入れるか。 どれほど、「未来」に想いを馳せるか。 ・ 「創造」と「破壊」の対比。 特に映画後半。映像を直視できなかった私は弱いのだろうか。 映画前半に美しいベイルートの海を見てしまったばかりに、後半に映るがれきの山々や実際の戦場の様子にはとても胸が痛んだ。映画終了後も、戦場の音は忌々しく耳に残った。 ・ 言葉少なく語りかけるこの映画は私に多くの疑問

        映画『セメントの記憶』感想リレー④

          募金終了・送金のお知らせ

          皆さま、ちーむふぁらふぇる主催ベイルート大規模爆発被害救援募金にご協力いただき、誠にありがとうございます。 8月10日から8月29日に集まった寄付金は 25万5千725円 です。 本日9月7日、レバノン赤十字のウェブサイトから、2406USDを寄付いたしました。 *9月7日午後0時(JST)時点の1ドル106.28円のレートで換算しています。 また、8月24日から27日に開催しましたちーむふぁらふぇる共催オンラインイベント、”~4夜連続~日本では報道されにくいレバ

          募金終了・送金のお知らせ

          大学生が出会ったベイルートの一角 第五弾「おしゃれと空港間の空白」

          ベイルート!って言うと中東通の中でもなかなか小洒落た街。バーやクラブがあるし、中東のパリって言われたりして。ただそのオシャレな北部と玄関口の空港のある南部の間、貧困地区のこと、ご存じですか。 今日お話しするのは、第一弾でお話したコーラの南部、ダーヒヤと呼ばれる貧困地区、そしてパレスチナ難民キャンプ。これらの地区は爆発の直接影響は少ないにせよ、タクシー運転手や建設労働者が多い。とある夜、ベイルート市内で乗せてもらったタクシー運転手。「出身はどこ」って聞くと、「ダーヒヤ」。話し

          大学生が出会ったベイルートの一角 第五弾「おしゃれと空港間の空白」

          ちーむふぁらふぇる連携企画「日本では報道されにくいレバノンの真実」

          2020年8月4日 中東のパリと称されるレバノンの首都ベイルートを襲った突然の大爆発。死者は170名を超え、6000人以上の負傷者、家や商店は崩れ約30万人が家を失ったと言われています。 爆発前のベイルートはどんな街だったのか? 爆発後のベイルートはどうなっているのか? レバノンとは? レバノン人とは? レバノンと難民問題など。 日本の報道では、なかなか知ることができないのが現状です。そこで、レバノンにゆかりのある方々や各分野の専門家をお招きし、4夜連続で、日本のメディアが

          ちーむふぁらふぇる連携企画「日本では報道されにくいレバノンの真実」

          大学生が出会ったベイルートの一角 第四弾 「若者の日常」

          8月4日の爆発で甚大な被害を受けたレバノン、ベイルート。 そのベイルートの港湾部では、以前から毎晩爆音が鳴り響いていた。 ちーむふぁらふぇるのメンバーで唯一、ベイルートに居座り続けた私の1お話。 私は首都ベイルートで半年間、インターンに従事していた。 9to5の勤務時間外では、沢山の友人を作り、いろんな経験をしてきた。 ここでは、ベイルートの若者の生活がどのようなものであったのか、そして今後どのようになっていくのか考察したい。 ベイルートは一言でいうと「ナイトライフの街」

          大学生が出会ったベイルートの一角 第四弾 「若者の日常」

          大学生が出会ったベイルートの一角 番外編 「シリアック・クリスチャン」

          はい、ニッチなレバノン紹介だよ〜。 レバノンの政治体制の肩書の1つー「多極共存型民主主義」ー政治学者のアレンド・レイプハルトが唱えたこの概念はレバノン社会を観察する際に必ずぽわ〜んと脳内に浮上してくる。というのも、レバノンには18の宗派が存在し、キリスト教の宗派だけでも11は存在するからだ。 (北部タラーブルス市内の聖ジョージ・ギリシャ正教会内部・筆者撮影) レバノンで一番有名なキリスト教宗派と言えばフランスの後援を得まくったマロン派カトリックであろうが、今回は敢えてマ

          大学生が出会ったベイルートの一角 番外編 「シリアック・クリスチャン」

          大学生が出会ったベイルートの一角 第三弾「楽しむは、強さ」

          レバノン杉の旗を掲げて、満面の笑みで歩く人たち。向かうはダウンタウン。デモ会場だ。2019年10月に始まったデモを、人々はサウラ(ثورة)、革命と呼ぶ。 顔文字みたいな、サウラ(ثورة) デモ?大丈夫なの?学校も休みだし、道路も封鎖してるし、やばくない?と思った。でもとりあえず、車のいない道路を同じ方向に歩く人たちについてデモ会場に行ってみた。 向かった先はこれだった 太鼓を打ち鳴らして、輪になって踊って、歌って、シーシャを吸って。 楽しいデモだもん、花火もあげ

          大学生が出会ったベイルートの一角 第三弾「楽しむは、強さ」

          大学生が出会ったベイルートの一角 第二弾「愛すべき混沌」

          ベイルート中心部から東へ。 私が勝手に「愛すべき混沌」と名付けた街がある。 レバノンはダウラ。 この街に一歩踏み入れれば、ここはレバノンだろうか、と目を疑う。第一印象は「混沌」だ。とにかくカオスなのだ。 アジアはフィリピンにスリランカ、インド、ネパール、アフリカはエチオピアなどなど。街のいたるところに明らかに「外国」の文字や国旗、各国のエスニック料理屋が並ぶ。料理屋だけでなく、格安の衣料品から食料品、日用品を販売するエスニック商店も目立つ。 「愛すべき混沌」ダウラ(Dao

          大学生が出会ったベイルートの一角 第二弾「愛すべき混沌」

          大学生が出会ったベイルートの一角 第一弾「全ての道はベイルートに通ず」

          「じゃあベイルートのコーラ集合で」と、レバノン留学組が口にする。コーラってシュワシュワしないのかって? レバノンの交通事情から爆発の影響を考えてみたい。 (ベイルートバスマップ/水色が爆発現場、赤色がコーラ) 昨夏、レバノンは北部トリポリに滞在したが、10週程度の滞在中に90km離れたベイルートまで15往復した気がする。全ての道はベイルートに通じるレバノン、滞在には特にバスターミナル・コーラ(Cola,الكولا)が欠かせないからだ。レバノン各地、特に南部のサイダー(S

          大学生が出会ったベイルートの一角 第一弾「全ての道はベイルートに通ず」

          振り込み・送金明細

          寄付にご協力いただいている皆さま、誠にありがとうございます。 こちらのページに、皆さまからの振り込み・送金の詳細を定期的にシェアさせていただきます。ご確認ください。 8月25日までに寄付していただいた金額は【19万789円】です。 ご協力いただいている皆さま、ありがとうございます。 引き続きよろしくお願いいたします。

          振り込み・送金明細

          ベイルート大規模爆発被害救援募金~レバノンの未来のために~

          中東の小国、レバノンの首都ベイルートで8月4日爆発がありました。現時点で154人の死者、5000人以上の負傷者が報告され、家や商店は崩れ約30万人が避難民となっています。長年の政府の腐敗、経済破綻とインフレに苦しむ人々の生活にさらなる打撃となった爆発。その復興を支援するため、レバノン赤十字への寄付をお願いします。 ちーむふぁらふぇる 今回このプロジェクトのために集まったのは、昨年留学やインターンシップでレバノンに滞在していた大学生5人。遠く離れた日本からエールを届け、少し

          ベイルート大規模爆発被害救援募金~レバノンの未来のために~