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【SS小説】入眠時計

作:碧風ゆうり

 フランキー・フランクリンは憑りつかれている。映画を観ることに。一度見始めると止められない。寝る前には最低三本の映画を観ることになっている。フランキーは自慢の高い集中力を持っていた。だからこれは上手くいった日の話で、大抵は三本目が終わると四本目、四本目が終わると五本目……といった具合で、延々と映画を観続けてしまう。もちろん次の日は起きれなくて、そして遅刻が積み重なって会社をクビになってしまった。今は自宅で仕事をしているので遅刻の心配はないが、今度は家から出られなくなってしまった。そんな生活がかれこれ十年も続こうとしていたある日、どうしても映画館で観たい映画が封切りされた。悩める人はこの生活を変える一大決心をした。
 フランキーは自分の力ではどうすることもできないとわかっていたので、すぐに他の人の力を借りるという結論を出した。しかも、そのアイデアが素晴らしく、絶対に成功するということもわかっていた。目論む人は郊外の集合住宅の十三階の角部屋に住んでいた。つまり、隣人という言葉を非常に狭義の意味で使うとすれば、その定義が当てはまる人物は一人だった。そのお隣さんはジャクソン博士と呼ばれていて、昔はタイムマシンを作ったらしいが、今はその影もない。
 「かくかくしかじかこういうわけなんです。何とかお力添えしていただけないでしょうか、ジャクソン博士。」
 フランキーはおずおずと電子レンジ用ポップコーンを一箱差し出した。細めた目を見てドキリとした客をよそに、ジャクソン氏は目をつぶって深く頷いて考え事を始めた。そんな状態がもう三分も続いたので、待ち人はポップコーンを作りにキッチンに向かった。適当な皿に出来立てのポップコーンを盛ってジャクソン氏の元に戻ると、ローテーブルにはごてごてとした、アコースティックギターの胴体ほどの大きさの機械が置いてあった。皿が机に置かれるなりジャクソン氏はポップコーンをつまみ始めた。
 「これは、私の友人が、亡くなった、後に、無心で作った、ものだ」
 ポップコーンを口に入れる度に言葉が途切れる。
 「設定した時間になると眠れるようになる。ただし、このダイヤルをいじり過ぎないように。でないと宇宙にまで届いてしまう」
 効果はてきめんだった。この機械の電源を入れると、きっかり設定した時間の一時間後に寝てしまうのだ。こうしてフランキーは一度に何十時間も映画を観ることがなくなった。欲張ったフランキーは、ダイヤルを少し右に回した。そうすればもっと早く眠ることができると考えたからだ。すると驚くことに、なんといぇrtyぶnswjibiswnnpf


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