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車のトラブルが多い人生を送ってきました-車屋失格-⑲

書類の確認も終わり、
時計を見ると空港に向かう時間になる。

「じゃあそろそろタクシーを捕まえようか。」
「自分行ってくるんで待っててください。」
そう伝え近くにタクシーがいないか探しにいく。
無事タクシーも見つかり空港に向かう

タクシーに乗ってすぐ不安だったので
ボディバックの中に
財布とパスポートが入っているのかを確認した。
「よし大丈夫!」後は飛行機に乗るだけ。

大きな心配ごとは解決したがもう一つ不安なことがあった。
それは、今回のメンバーでは自分が一番年下。
今まで面識のない先輩ばかりだったので
どういう風に話たりすればいいか不安に感じていた。

そんな事をタクシー内で話をしていると
「今回は私も一緒だし安心してていいよ!」と言ってくれた。
普段の仕事中は指導されることが多かったが
この時ばかりは頼りになるなーと先輩を尊敬の眼差しで見ていた。

空港に着いてタクシーを降りる。
トランクから荷物をもらい元々聞いていた
集合場所に向かう。

空港内を入ってすぐに見覚えのある人がいた。
「お〜こっちこっち」と手招きされる。
メンバーが約10人ほどいるところに近づく。
「今回一緒にハワイに行く同じ拠点の白田!」と
先輩がすぐに紹介をしてくれた。

自分もすぐに
「宜しくお願いします!」と大きな声で話す。
早朝の静かな空港に自分の声が響き渡る。

「おっおうよろしく」と気まづそうに
返答が返ってくる。


恥ずかしさで目を合わせられなかった。
先輩の後ろを着いていくように空港の中へと進む。

前では先輩たちが楽しそうに話ししているが
自分が入っていく度胸はなかった。

「パスポートみんな出して!」と事前にパスポートを提出する。
みんな各々カバンの中から取り出して渡す。
自分も何度チェックをしたので慣れた手つきで
ボディバックからパスポートを取り出し渡す。

これで後は飛行機に乗るだけ!と安心していたら
「あれ?ない!ない!」と後ろから女性の声がする。

拠点の先輩が慌ててカバンをひっくり返して探している。
そこには入るスペースないだろうというところまで
隈なく探すが出てこない。

周りの人たちも不安そうにその光景を見る
数分探した後・・・
「あっ・・・お店に忘れてきた」そう発した。

一番海外旅行では忘れてはいけないパスポートがない現実・・・
書類確認をする為に出した時に
直しておらず空港に着いてそれが発覚した。

”海外に行くのにパスポートがない”
もちろん飛行機に乗れることもなく、時間も絶対に間に合わない。

「どうにかしていくから現地で合流しよう・・・」
そう言葉を伝えてくれるが先輩の顔があきらかに焦っている。
すぐにタクシーを捕まえてお店に戻る姿を見ても
何も声をかけることが出来なかった。

先輩がいるから安心と思っていたが
出発する空港で離れ離れになることになってしまった。



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