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1.4. 論文全体の流れの提示

第1章では,本稿が目指す問いと,研究の動機と意義を示す。

第2章では茶道修練者に関する先行研究上の問題点を指摘するだけでなく,茶道に留まらない前衛芸術に関する先行研究を挙げ,前衛芸術研究と同じ観点で現代の茶道を見つめることの不具合を示す。

第3章では,今日の茶道の概要とその問題点を述べ,「茶道団体」の活動がどのような背景の中で生じたのかを,聞き取り調査で得られた証言に基づいて示す。

第4章で,彼らがどのような「お茶」をするのか,参与観察とフィールドワークで得られた資料を元に描写し,インタビューでの証言も合わせて,「茶道団体」の活動が現代の茶道界でどのような立ち位置にあるのかを論じる。

第5章では,各茶道団体の代表者のインタビューを中心に,現代における社会人の生活に「お茶」が存在し,働き方にまで影響を及ぼす様相を,「お茶」と「仕事」との関連性を中心に明らかにする。

第6章では結論として,個人が「伝統」や流派との衝突を避けてどのように共存しているかと,社会人生活の中で「お茶」が趣味以上の存在(=働き方)になる理由について述べる。
その働き方を巡る議論そのものが,まさに平成後期の茶道論と呼ばれうる,2010年代の「お茶」を表象するものであることを主張したい。

そしてこれらは,同時代に生き,仕事以外の余暇活動に駆られる,全ての社会人を巻き込む議論である。

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修論目次

→次の項目 先行研究批判 2.1. 茶道の前衛性に関する先行研究への批判

お急ぎの方は実際の事例の章に進まれることをオススメします。
→3.1. 茶道教室の中の問題点
→4.1. 「茶道団体」の活動内容
→5. 個人としての「茶道団体」の代表者:現代の社会人茶人たち
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