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これも「お茶」だと言い続ける

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毎日点てるお茶,茶人の修士論文,バーチャルろくろ。バラバラに見える活動に共通していたのは,ある主張でした。
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#文化人類学

文化人類学から学んだこと。

文化人類学から学んだこと。

生涯忘れない言葉大学院生だったころ,指導教官が受け持つ学部生向けの授業に参加したことがあった。

人類学は主に人類(多くは自分以外の誰か)を調査する学問だが,その大前提として,自分と違う文化を侵害したり変化させたりする目的はない。

その話をしていたとき,学部生の一人が「そのフィールド(研究対象)の文化が間違っていると感じたとき,人類学者は何もしないんですか?」と言った。

例えば成人儀礼として女

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運命を前に,私は何を「選択」できるのか

運命を前に,私は何を「選択」できるのか

宮野さんが『急に具合が悪くなる』20年以上「偶然性」に向き合ってきた哲学者・宮野真生子さんが,ガンと闘いながら人類学者・磯野真穂さんと書簡を交わし,結論を出してひと月もしないうちに亡くなる。
つまり長年研究してきた結論が,死の直前の書簡の中に示されている。そんな文字通りの魂の交換が,そのまま書籍になったのが『急に具合が悪くなる』。

「選ぶの大変,決めるの疲れる」もし決定論が正しければ,ガンに

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賞賛も批判もせずに「解釈」するということ

賞賛も批判もせずに「解釈」するということ

批判的な文章が溢れているのは学術界ではなく,ネット上だ。

例えば論文では,先行研究のような他の研究者が書いた文章に対し,どの視点が足りないなどと指摘し,自分の観点をその上に重ねる。この過程とネット上の批判は,どのように異なるのだろう。

自分には理解できない出来事に出くわした際に,私たちはどのような態度をとれるだろうか。

3つのアプローチ方法
ある人々の文脈を汲み取ろうとする文化人類学や社会学

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