【1話完結小説】【エッセイ】SNSで絶対にやってはいけない事
■はじめに
今や私達の生活とSNSは切っても切れない関係です。仲間とのやりとりは勿論、情報収集からプレゼントの応募まで、日常のあらゆる場面で密接に関わり合っています。
そんな便利なSNS。普段空気を吸うように当然のごとく使用していますが、使い方を誤ると大変な事があなたの身に降りかかる場合があります。この記事では、まだあまり知られていないけれど実は“SNSで絶対にやってはいけない事”をお伝えしていきます。
■Twitterでありがちな失敗
SNS…今回は具体的にTwitterを例にあげます。Twitterで最後に呟いた言葉がその人の現状だと思われがちなので、
「ああもう全部うまくいかなくて死にたい、人生どうでもいい!」
などという物騒なツイートで終わって、その後しばらく何のツイートもしなかった場合、それを画面の向こうで見ているフォロワーさん達に「この人落ち込みすぎてずっと凹んでるのかな…なんなら病みすぎて死んだのかな」と想像されても仕方がありません。
しかし実は当の本人は、呟いた直後に悩みが解決して(もしくは呟いた事により悩みが軽減されて)いるかもしれません。その後、リアルが楽しくて忙しくてツイートする暇がない…という状況なだけかもしれません。
そのような相反する状況が生じた場合、この世には
Twitter上▶︎“落ち込んで死にそうで不幸な自分”
現実上▶︎“元気でいつも通りに暮らす幸せな自分”
という2種類の自分が存在する事になります。
「いやいやいや、どう考えても実際に生きて活動してるのは“現実上の自分”なんだからTwitter上どう思われてようがそれはホンモノじゃないしどうでもいいでしょ。」と思いますか?そうですか。ではこれから少し詳しく説明させて頂きます。
■人間は他者との関わりによって存在する
人間は人間社会の中で生きています。「〇〇さん」、「〇〇君」と他の人間から名前を呼びかけられそれに応える。そうやって自分以外の他者と接する日々を繰り返す中で初めて“自分”が確立されてゆく。つまり他者がいなければあなたは何者でもない、存在していないも同然なのです。
Twitter上でもこれと同じことが言えます。フォロワーさんに見られ、いいねやリプライを貰ったり、自分から絡んでいったり…そんなやりとりをしていく中であなたという人間が認識され確立し、そして確かにTwitter上のあなたがこの世界に存在するのです。
■SNS上のあなたしか勝たん
更にここで大事な事をお教えしましょう。Twitter上…つまりSNS上に存在するあなたの方が質量的に強大な力を持っています。光ケーブルを伝い、すぐ拡散して、その気になれば世界中どこへでも広がっていける事実から考えても明白でしょう。現実のあなたは、ただ自分の会社に行くだけでも何分も何時間もかけなければならない。生身の体を持つということは実は非常に大きな足枷なのです。それに比べて実体のないTwitter上のあなたというのはなんと自由に解き放たれた高次の存在なのでしょうか。もし2人が戦った場合、確実に現実のあなたの方が死にます。
■ 現実との乖離が問題
更にもう一つ大事なお話があります。現実上とTwitter上のあなたに、今回のような激しい状況の乖離が見られた場合、その矛盾を修正する為、確実にヤツはあなたを仕留めにきます。…ヤツ?勿論Twitter上のあなたの事ですよ。覚悟しておいてください。
■最終的に命に関わる
Twitter上でも現実上でも一貫して幸せ、もしくは不幸ならこのような問題は起きません。なぜならどちらも幸せ(もしくは不幸)であれば周囲の人間はTwitter上のあなたと現実上のあなたを同一人物とみなしてくれますから。Twitter上のヤツらは自らの存在が周囲にバレてしまうのを酷く嫌がるのです。バレる前にあなたを消して、あなたになり代わり不幸なツイートに寄せた現実にしていく、もしくは幸せな現実に寄せたツイートをしていく。そうやってうまく乖離を調整しようと動き出すでしょう。
■楽しいSNSライフの為に出来る事
…おや、今更Twitterを開いてどうしましたか?
「ああもう全部うまくいかなくて死にたい、人生どうでもいい!」
という1週間前のツイートの後に
「なんだかんだ色々あったけど全部解決!みんなに感謝、毎日happy♡」
とツイートしたんですね。もう遅いと思いますよ。ヤツらはネット世代だからじっくり待つのは嫌いなんです、どんな事でもすぐに答えを知りたがるし白黒つけたがる。
そうこうしているうちにあなたのTwitterの通知が鳴り止まなくなりましたね。…見せてください。あなたのツイートにあなたからいいねやリプライがどんどんついていますね。それにしてもうるさい通知音だ…スマホではなくまるで私達の周りから聞こえているような…そう、ちょうどあなたの背後あたりから。背後は壁?そうですね。でもやはり壁の中から聞こえるような気もしま…
…おや?あなた先ほどまでのあなたではありませんね。私が喋っているこの一瞬でなり代わったのですか?そうですか、現実世界へようこそ。ではこれからはなるべく無難に幸せなツイートをしていけば良いでしょう。安心してください。とりあえず動物と食べ物と風景の写真をツイートしておけば間違いなんて起こりませんから。次こそあなたの良いSNSライフを祈っています。繰り返しますが乖離にはくれぐれもお気をつけください。
end
※ここまでお読みいただきありがとうございました。こちらはライフハックっぽいエッセイ調にまとめた完全フィクションの1話完結小説になっております。現実の個人・団体・出来事とは一切の関連性はございませんので、これからも皆様安心して自由に楽しいSNSライフをお送り下さい。
by SNSで愚痴吐きまくっては後で反省する…という愚行を繰り返すごご茶
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