マガジンのカバー画像

英文法レクチャーシリーズ

69
英文法解説記事をまとめました。各記事は基本的に無料で公開されています。是非、ご覧ください。*分野ごとにまとめた有料記事もあります。
運営しているクリエイター

#勉強

英文法解説 テーマ8 仮定法 第4回 定番の“I wish I were a bird.”という文について

 こんにちは。今回で仮定法の最終回になります。扱うテーマは、仮定法を用いた慣用構文です。仮定法の公式(仮定法過去および仮定法過去完了)を前提とした構文の説明になるので、それぞれの公式をしっかり確認してもらうために、しつこいかもしれませんが再度、掲載します(簡略版ですが)。 これらの公式の主にif節中の「SV~」の部分が繰り返し用いられるので、難しいと感じたら、ここに戻って公式を確認してください。一部の慣用構文の中には、各仮定法の公式の帰結節部分の「S+助動詞の過去形+V/h

英文法解説 テーマ8 仮定法 第2回 未来のことについて仮定してみると…

 こんにちは。今回は仮定法の2回目「未来のことについての仮定法」です。簡単に言うと、「未来」という時制の中で「もし~ならば」を考えるということなのですが、一筋縄ではいかないのがこの範囲の難しいところです。まずは前回の復習として、「反実仮想」について確認しましょう。 仮定法というのは、反実仮想を表すための方法でしたね。ここをよく意識してください。 未来のことについての仮定法 さて、ここで「未来時制」における仮定法(=反実仮想)について考えてみたいと思います。なんかややこしい

英文法解説 テーマ8 仮定法 第1回 「もしもボックス」があればいいのになあ ~仮定法の基本~

 こんにちは。今回から「仮定法」の解説に入ります。仮定法は、得意な人と苦手な人がはっきり分けれる分野です。コツを知っていて得意な人は「仮定法、楽勝!」と言うのですが、苦手な人は「何度勉強してもできない…」と嘆きます。苦手な人の特徴としては、ifを使えば何とかなると思って、「仮定法とは?」という基本から理解していないことが多いので、まずは「仮定法とは何か?」ということから解説していきたいと思います。 直説法と仮定法 仮定法というと「もし~ならば」というイメージが強いと思います

英文法解説 テーマ7 助動詞 第5回 他にもあるぞ!こんな助動詞、あんな助動詞

 こんにちは。今回は、助動詞の解説の最終回になります。これまで解説してきた以外の助動詞とイディオムについて取り上げていきたいと思います。 助動詞or一般動詞のneed/dare まずは、助動詞needとdareから説明します。needと言えば、一般動詞のイメージが強いと思いますが、実は助動詞としての用法もあります。といっても、助動詞needは否定文や疑問文でのみ用いられ、肯定文で用いられることはありません。  また、助動詞dareはおそらく中学英語で習うことはなく、高校に

英文法解説 テーマ7 助動詞 第4回 助動詞の時制ってどう決まるの?

 こんにちは。今回のテーマは「助動詞の時制」です。助動詞を用いている文の時制はどのように判断するのか?そして、助動詞の過去形は実際には何を表すのか?そのあたりを詳しく解説していきたいと思います。 助動詞の時制の基本 助動詞を用いると、その直後に動詞の原形が置かれるため、その動詞の原形自体からは時制の判断をすることができなくなります。そこで、助動詞によってその文の時制を判断することになりますが、基本的には、「現在時制」か「未来時制」になる場合がほとんどです。  それぞれの助

英文法解説 テーマ7 助動詞 第3回 くせ者のshouldについてまとめよう

 どうも、こんにちは。助動詞の3回目、今回は助動詞shouldについて解説します。「すべきだ」という意味を覚えるだけでなく、言い換え表現や訳さないshouldも出てくるので、助動詞の中でも意外な「くせ者」と言えます。というわけで、ひとつずつ丁寧に解説したいと思います。 助動詞shouldの基本 まずは、助動詞shouldの基本的な意味を確認していきましょう。2つしかないので簡単です。  義務「すべきだ」だけでなく、推量「のはずだ」もしっかりと覚えておきましょう。では、さっ

英文法解説 テーマ7 助動詞 第2回 意外と難しいwillの攻略法

 こんにちは。今回は、助動詞willについて解説していきたいと思います。助動詞willというと、「未来時制」というイメージが強いと思いますが、それだけではありません。実は、「現在時制」を表すこともできます。また、「テーマ2 第2回「「未来形」と言ったらベテラン講師から皮肉られる!?」」でも解説したように、willとbe going toは必ずしもイコール関係ではないので、そのあたりもおさらいしたいと思います。 助動詞willの基本的な意味 助動詞willと言えば、「するつも

英文法解説 テーマ7 助動詞 第1回 まずは基本のcanとmustとmayから

 こんにちは。英文法解説シリーズもテーマ7を迎えました。今回からは「助動詞」に入ります。助動詞というのは、「動詞を助ける」という名の付いた品詞ですが、どういう意味で「助ける」のかを考えながら解説をしていきたいと思います。といっても、いきなり色々な助動詞を紹介していっても煩雑になるだけなので、今回は、can, must, mayについてのみ解説していきます。 助動詞の基本(語順) まずは、助動詞の基本的な使い方から確認しましょう。助動詞は動詞に意味を加えるという意味で「動詞を

英文法解説 テーマ6 分詞 第6回 少し注意が必要な分詞構文

 こんにちは。今回で「分詞」は最終回です。「少し注意が必要な分詞構文」について解説します。具体的には、①独立分詞構文、②with+独立分詞構文、③分詞構文関連の慣用表現です。なんか難しそうに思えるかもしれませんが、基本から丁寧に解説したいと思いますので最後までしっかり読んでください。 独立分詞構文 「テーマ6 分詞 第4回「分詞構文の基本①~分詞構文の形~」」でも解説したように、分詞構文の語形(現在分詞or過去分詞)は、主節の主語の立場で考えるのが基本です。  これは、分

英文法解説 テーマ6 分詞 第5回 分詞構文の基本② ~分詞構文の訳し方~

 こんにちは。今回は分詞構文の第2回目です。分詞構文の訳し方について解説していきたいと思います。前回の「テーマ6 分詞 第4回「分詞構文の基本①~分詞構文の形~」」において、分詞構文が用いられる位置について説明しましたが、まずはそこから確認しましょう。  よく教科書の例題に、副詞節(例えばBecause SV)から分詞構文に書き換える練習があるので、分詞構文と言えば「文頭タイプ」の印象が強い人も多いかと思いますが、実際には文中で挿入句として用いられたりや文末で付加的に用いら

英文法解説 テーマ6 分詞 第4回 分詞構文の基本① ~分詞構文の形~

 こんにちは。今回は分詞構文について解説していきたいと思います。  いきなりですが、この「分詞構文」という名称が誤解を招きやすいですよね。「構文」と付いていると、何か形式的な語句のかたまりや決まった文構造のパターンみたいですが、実は「分詞構文」というのはそういう類のものではなくて、「分詞の副詞用法」なのです。  というわけで、「テーマ1品詞と文型 第1回「品詞を理解するのはコスパが良い!」」や「テーマ4不定詞 第3回「準動詞って何?③ ~不定詞の副詞用法~」」でも触れまし

英文法解説 テーマ6 分詞 第3回 分詞は置く場所が大切です!② ~限定用法~

 こんにちは。前回は、分詞の叙述用法について説明しましたが、今回は分詞の限定用法について扱っていきます。早速ですが、まずは、限定用法とは何かという説明から始めましょう。そもそも、分詞には、①形容詞のはたらき、②副詞のはたらき、の2つの機能がありますが、その中でも「形容詞のはたらき」に注目しましょう。  さらに、形容詞には、(1)Cとしてはたらく、(2)名詞を修飾する、という2つのはたらきがあります。後者の「名詞を修飾する」というはたらきのことを「限定用法」と言います。分詞に

英文法解説 テーマ6 分詞 第2回 分詞は置く場所が大切です!① ~叙述用法~

 こんにちは。分詞の第2回目になります。今回は、分詞の「叙述用法」について解説していきたいと思います。といっても、「叙述用法」という用語自体、あまり知らない人も多いので、そもそも「叙述用法」とは何だろう?というところから説明します。 叙述用法とは? 分詞というのは、準動詞の一種ですが、不定詞の回で次のような図を用いて準動詞を解説したのを覚えているでしょうか?  分詞に関しては、「形容詞の機能」「副詞の機能」の2つがあることが分かります。この中でも、今回は「形容詞の機能」に

英文法解説 テーマ6 分詞 第1回 現在分詞と過去分詞って時制の話じゃないんだよ!

 こんにちは。プロ予備校講師のタナカケンスケです。今回から新テーマ「分詞」の解説に入ります。「不定詞」「動名詞」と続いてきた準動詞シリーズも、ようやく大トリ「分詞」まできました。今回から全6回に渡って、しっかり基本から解説していきたいと思います。 時制の分野で登場した分詞の使い方 まず、分詞には「現在分詞形」と「過去分詞形」の2種類があります。これまでも、進行形、完了形、受動態で、その2種類の語形を使ってきたのでなじみはあると思います。  ちなみに、過去分詞形のことをVp