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英文法レクチャーシリーズ

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英文法解説記事をまとめました。各記事は基本的に無料で公開されています。是非、ご覧ください。*分野ごとにまとめた有料記事もあります。
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2020年2月の記事一覧

英文法解説 テーマ3「受動態」 第1回 そもそも「態」って何?

 こんにちは。英文法解説シリーズは今回から新たなテーマ「受動態」に入ります。第1回目は「態」とは何かについて解説していきたいと思います。 態とは?その1  「能動態」「受動態」という用語はよく耳にすると思いますが、そもそも「態」とは何でしょうか?日本語だと「態度」の「態」なので、多くの人はattitude「態度」というイメージを持ちやすいでしょう。でも実は、文法用語としての「態」というのは、英語ではVoiceなんです。「Voice、え、『声』?」と思われそうですが、とりあえ

英文法解説 テーマ2「時制」 第5回 完了形がよくわからない人へ② ~過去完了形と未来完了形について~

 どうも、こんにちは。とうとう時制の話も最終回になりました。今回は、第4回目で解説した「現在完了形」の続きとして、「過去完了形」と「未来完了形」について解説していきたいと思います。そちらを読んでない方は、まずは「テーマ2 第4回「完了形がよく分からない人へ① ~現在完了形について~」を一読して頂ければと思います。 過去完了形と未来完了形の基本について  まず、「過去完了形」と「未来完了形」のそれぞれの語形から確認しておきましょう。現在完了形have/has+Vp.p.のha

英文法解説 テーマ2「時制」 第4回 完了形がよくわからない人へ① ~現在完了形について~

 前回までで、「現在」「過去」「未来」の各時制の表し方と「進行形」の使い方について解説してきました。今回は、時制の中でも苦手意識をもたれがちな「現在完了形」について解説していきたいと思います。 現在完了形の基本について まずは、現在完了形の語形から紹介しましょう。  このように、語形に関してはあまり複雑ではありませんね。問題は、「現在完了形」という文法用語です。だいたい、「現在」と「完了」という語句が組み合わされている時点で意味不明な文法用語に思われがちです。しかし、ここ

英文法解説 テーマ2「時制」 第3回 進行形って「している」だけ!?

 前回は、「未来時制」について解説しました。これで、過去・現在・未来の3つの時制について解説したことになります。今回は、それぞれの時制の中で「進行形」というものがどのように働くのかについて解説していきたいと思います。 いきなりですが、「進行形」と聞くと、次のようなイメージで覚えている人が多いと思います。  まあ、これだけで済んだなら、1回分の講義を使って解説することもないですよね。当然、これだけでは対応できないタイプの英文が出てきますよ(笑)。というわけで、早速、進行形

英文法解説 テーマ2 時制 第2回 「未来形」と言ったらベテラン講師から皮肉られる!?

 前回は「現在形」と「過去形」についての話と「現在時制」と「過去時制」についての話でした。少し面倒くさいかもしれませんが、「○○形」と「○○時制」は区別して考えよう、ということと「現在時制」と「過去時制」には、それぞれ2パターンあるということについて解説しました。今回は「未来」の話です。 英文法における「未来」とは?  さて、早速ですが「未来形」という用語を聞いたことはあるでしょうか?「will ~とかbe going to ~ですよね?」という声が聞こえてきそうですが、「

英文法解説 テーマ2 時制 第1回 現在形と過去形について

 こんにちは。今回から、テーマ2「時制」の解説を始めていきたいと思います。いきなり、「○○完了形」だとか「○○完了進行形」だとかを説明してもピンとこないと思うので、まずは、基本の基本である「現在形」と「過去形」についての解説から始めます。「いやいや、さすがにそれは簡単すぎるでしょwww」「だって、現在形って「今」の話で、過去形って「過去」の話でしょ?」と思う人もいるかもしれませんが、その認識では甘いです!今回は、一見シンプルに思える「現在形」と「過去形」を深く掘り下げます。

英文法解説 テーマ1「品詞と文型」 第10回 形式主語構文と形式目的語構文について

 どうも、こんにちは。「品詞と文型」もついに最終回になりました(次回からは別のテーマになります)。初回からここまで、「品詞とは?」という話から始まって、「基本5文型」のそれぞれの文型の解説までかなり時間をかけて詳しく解説してきましたが、今回は、形式主語構文と形式目的語構文について解説していきたいと思います。前者は仮主語構文と、後者は仮目的語構文とも呼ばれていますが、どちらの呼び名で覚えても構いません。 形式主語構文について基本から解説  早速、形式主語構文から説明していきま

英文法解説 テーマ1「品詞と文型」 第9回 使役動詞が分かれば世界が広がる!

 こんにちは。プロ予備校講師のタナカケンスケです。今回も丁寧かつ分かりやすく英文法を解説していきたいと思います。よろしくお願いします。 さて、第5文型の解説もここまで3回分続けてきました。前回までで、「S+V+O+C(名詞または形容詞)」、「S+V+O+C(to V)」、「S+知覚動詞+O+C(V原形/Ving/Vp.p.)」の3つのパターンについて解説してきましたが、いかがだったでしょうか?今回は、第5文型の真打ち(!?)こと、「使役動詞」の解説をしていきます。ここが分か

英文法解説 テーマ1「品詞と文型」 第8回 知覚動詞って何だっけ?という人へ

 今回は、第5文型の第三弾ということで、「知覚動詞」について取り上げます。「知覚動詞」というのは文字通り「五感」を表す動詞で、「見る・聞く・嗅ぐ・感じる」などの意味を持ちますが、まずは次の3つの動詞を使って説明していきましょう。 知覚動詞とは?から始めよう  上記のように、seeは、正確には「見る」ではなくて「見える」という意味で、hearは、「聞く」ではなく「聞こえる」という意味なので注意してください。対象物が視界に入ってくることが「見える」でsee、音が耳に入ってくる

英文法解説 テーマ1 品詞と文型 第7回 第5文型の頻出パターン「V+O+to V」について

 こんにちは。前回に引き続き第5文型を扱っていきます。前回は、「S+V+O(名詞)+C(名詞または形容詞)」というパターンの第5文型について説明していきましたが、今回はC(補語)の語形がto不定詞になっているパターンについて解説します。 SVO+to Vパターンの基本 そもそも、C(補語)というのは、名詞、または形容詞が用いられる位置(第1回「品詞の理解」を参照してください)なので、なぜto不定詞が用いられるのだろうか?と疑問に思う人もいるかと思います。実のところ、to

英文法解説 テーマ1「品詞と文型」 第6回 第5文型の基本の話

 前回は、第3文型と第4文型について解説しましたが、今回からはしばらく第5文型について説明したいと思います。確かに、難しい印象のある第5文型ですが、これまで学んできたように、「はたらきとしての品詞」をベースにして、動詞の語法を意識しながら一歩ずつ進んでいけば、必ずスッキリと理解できると思うので頑張っていきましょう! 第5文型の基本的構造  まずは、これまでと同じように、第5文型の各文要素を「はたらきとしての品詞」に置き換えていきましょう。登場するのは、「名詞」「動詞」「形容

英文法解説 テーマ1「品詞と文型」 第5回 第3文型と第4文型の話 ~他動詞について~

 こんにちは。「品詞と文型」についての解説記事も早くも5回目となりました。できるだけ、普段教えている感じを文字化しているつもりなんですが、うまく伝わっていますかね?実際の授業だと、喋りと板書で展開していくので、可視化された文字情報だけで同じようになっているかは少し心配ですが。まあ、あまり構えずにこのペースで進めていきますね。 第3文型と第4文型の基本 ~自動詞と他動詞の区別について~  さて、前回は、第1文型と第2文型の説明を中心に、自動詞と他動詞についても少し触れました。

英文法解説 テーマ1「品詞と文型」 第4回 第1文型と第2文型の話 ~自動詞と他動詞について~

前回のおさらい ~動詞の語法とは~  前回では、動詞ごとに後ろにどんな要素(目的語・補語・副詞など)が続くのかというパターンはある程度決まっていて、そのことを「動詞の語法」と呼ぶということと、文型ごとにどんな動詞の語法のパターンが用いられるかは決まっていて、そのパターンに従って動詞を分類すれば、動詞を頭の中に整理できるということを説明しました。 第1文型の基本的な構造について  今回は、基本5文型の中から、第1文型(SV)と第2文型(SVC)について詳しく解説していきたいと

英文法解説 テーマ1「品詞と文型」 第3回 動詞って意味さえ覚えればいいの?

前回までのおさらい  前々回と前回で、はたらきとしての品詞を覚えれば、英文のパターンが理解しやすくなる、ということを解説しました。少しだけ、おさらいしておきましょう。  ここまでで、あることに気づいた人もいるかもしれません。「例えば、動名詞って「名詞」としてはたらくことができるってことは、第2文型や第3文型に使っていいんじゃないかな?」そうです!品詞のはたらきを理解することのメリットはまさにこういうところにあるのです。例えば、第3文型を「動名詞+名詞+動名詞」という語順で書