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英文法解説 テーマ2「時制」 第3回 進行形って「している」だけ!?

 前回は、「未来時制」について解説しました。これで、過去・現在・未来の3つの時制について解説したことになります。今回は、それぞれの時制の中で「進行形」というものがどのように働くのかについて解説していきたいと思います。

 いきなりですが、「進行形」と聞くと、次のようなイメージで覚えている人が多いと思います。

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 まあ、これだけで済んだなら、1回分の講義を使って解説することもないですよね。当然、これだけでは対応できないタイプの英文が出てきますよ(笑)。というわけで、早速、進行形について詳しく解説していきましょう。

様々な「している」を知っておこう!

 まず、「している」という訳し方についてです。確かに、「している」という訳し方自体に問題はないのですが、使われる動詞によって、様々な「している」というニュアンスがあるというのを確認しましょう。

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 (1)は、おそらく「現在進行形」と聞いて最初に思いつきやすいパターンですね。(2)は、knock「ノックをする」という「瞬間的な動作(=持続しない動作)」を現在進行形で使うことで「何度も何度も繰り返しノックしている」という意味になる、という例です。(3)は、今この目の前で起きていることではなく、「習慣的に繰り返されている言動」を表しています。この英文を発している人はおそらく、この「彼」に対してうんざりした気持ちを持っていますよね。そういう気持ちで発せられることが多いパターンになります。このような進行形では、例文でもあるように、「is/am/are+always+Ving」のように、be動詞とVingの間にalways「いつも」が用いられることが多いです。

 この例から分かるように、表面的には同じ「している」でも、ニュアンスが微妙に異なるので、現在進行形を見かけたときは、どの「している」なのかを意識できると良いと思います。

過去進行形と未来進行形について

 次に、過去進行形と未来進行形について解説していきましょう。現在進行形の「is/am/are」を「was/were」にすれば過去進行形に、「will be」にすれば未来進行形になります。もちろん、過去進行形でも、「やっている最中の動作」や「繰り返しの動作」が過去時制で表されることになります(ただし、上記の(3)のような意味になることは稀ですが)。また、未来進行形では、上記の(1)のような意味になることが多く、(2)(3)のような意味になることはありません。

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 例えば、When I called her, she was sleeping.「私が電話をしたとき、彼女は眠っていた」とか、I will be staying in Hawaii at this time tomorrow.「明日の今頃、私はハワイに居るだろう」という例文が挙げられます。

 本当は、図で示すのは難しい用法なのですが、一応ざっくりで構わないので、次のようなイメージで考えてみましょう。「点」ではなく「線」で考えると良いでしょう。

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進行形にできる?できない?

 さて、次は「進行形にできる動詞」と「進行にできない動詞」について考えてみたいと思います。

 そもそも、進行形というのはどういう語形なのかというと、主に「する」という動作を表す動詞や「雨が降る」のような可視化できる動詞を、「be動詞+Ving形」にすることで、「している」という意味に変える、という機能を持っている語形だと言うことができます。

  したがって、それら「動作動詞」や「可視化できる動詞」以外の動詞であれば、進行形にできないということになります。端的に言うと、「状態を表す動詞(=状態動詞)」や「心理状態や知覚を表す動詞(=心的動詞・知覚動詞)」は、進行形にすることができない!ということです。

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 ちなみに、live「住んでいる」は状態動詞なので進行形にならない、ということがよく言われますが、実は「一時的な状態」であれば、liveも進行形になることがあります。I am living in Tokyo now.「今私は((単身赴任か何か分かりませんが)一時的に)東京に住んでいます」のような感じです。

 以上、「進行形」に関して、まとめてみました。比較的コンパクトにまとまったと思います。最後に説明した、「進行形にできない動詞」は、次回、「現在完了形」の解説で登場する「現在完了進行形」でもう一度参照することになるので、しっかりと覚えておいてください。というわけで、次回の「現在完了形」をお楽しみに!


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