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英文法解説 テーマ1「品詞と文型」 第10回 形式主語構文と形式目的語構文について

 どうも、こんにちは。「品詞と文型」もついに最終回になりました(次回からは別のテーマになります)。初回からここまで、「品詞とは?」という話から始まって、「基本5文型」のそれぞれの文型の解説までかなり時間をかけて詳しく解説してきましたが、今回は、形式主語構文形式目的語構文について解説していきたいと思います。前者は仮主語構文と、後者は仮目的語構文とも呼ばれていますが、どちらの呼び名で覚えても構いません。

形式主語構文について基本から解説

 早速、形式主語構文から説明していきましょう。まずは、第2文型をおさらいしましょう。「はたらきとしての品詞」をベースに一般化すると次のようになりましたね。

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 ここで、主語の「名詞」に注目します。例えば、This topic is important.「この話題は重要だ」であれば、普通の名詞を使っているだけなので、特に難しくはないのですが、ここで主語の形を少し応用してみたいと思います。

 どういうことかというと、「はたらきとしての名詞」というのは、this topicのような「名詞」だけでなく、to不定詞やthat+SVといったかたまりも「名詞」としてはたらくことができる、というのを覚えているでしょうか?

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 なので、理屈の上では、to不定詞や動名詞やthat+SVや疑問詞(wh-)+SVを「主語」として用いることができるのです。言い換えると、名詞としてはたらく語句は、普通の名詞と同様に、Sの位置に置けるということです。例えば、This topic is importantのthis topicを他の語句に置き換えてみましょう。

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 どうでしょうか?少し、主語が長くなりましたね。もちろん、このままでも英文法的には全く問題はないのですが、このように主語がto不定詞やthat節だと、主語が重たくなりがちで、その後の「V+C」とのバランスが悪く見えてしまいます。そこで、とりあえず、主語の位置にはItという代名詞を仮に置いて、本来主語の位置にあったto不定詞やthat節を「V+C」の後ろに移動させることがあります。この時に、とりあえず主語の位置に置いたItのことを形式主語と呼びます

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 ちなみに、このように「It is … to V/that+SV」のように形式主語構文に変形したとしても、文型は第2文型のままで、訳し方も変わりません。今回は、to Vとthat節を用いた例を挙げましたが、動名詞(Ving)や疑問詞(wh-)+SVを主語の位置から後ろへ移動する場合もあります。

形式目的語構文について基本から解説

 では、次に形式目的語構文について解説しましょう。まずは、第5文型のおさらいからです。C(補語)の語形に注目しながら、第5文型を一般化すると次のようになります。

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 ここで、目的語の「名詞」に注目します。例えば、I think his idea interesting.「私は彼のアイデアを興味深いと思う」という、普通のSVOCの文の目的語にあたるhis ideaを、to compare his idea with yours「彼のアイデアをあなたのアイデアと比較すること」に置き換えてみたいと思います(もちろん、ここでもto不定詞は「名詞としてはたらく語句」なので、文法上は置き換え可能ということです)。でも、そうすると、以下の通りバランスが悪くなります。そして、形式主語構文の場合と違って、このままでは文法的には良くない形になってしまうのです。

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 そこで、今回も、目的語の位置にitを置き、to Vのかたまりを、C(interesting)の後ろに移動してしまいたいと思います。この時に、とりあえず目的語の位置に置いたitのことを形式目的語と呼びます

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 もちろん、このように形式目的語構文に変形したからといって文型まで変わることはありません。訳し方も同じなので、「第5文型」として「O=Cである」という意識で訳すと良いでしょう。上記の例文では、目的語としてto不定詞を用いましたが、that節なども同じように用いられます。

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その他のタイプの形式目的語構文

 他にも、述語の部分を「知覚動詞」や「使役動詞」にした形式目的語構文もありますが、仕組みはこれまでと全く同じで、Oの位置にitを置き、その位置にもともとあったto不定詞やthat節を文末に移動しています。例文で確認しましょう。

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 「はたらきとしての品詞」をベースにしたうえで、第2文型と第5文型の仕組みについて理解できていれば、その応用としてスムーズに理解できると思います。「It be … to V・that SV」構文だとか「S+V+it … to V・that SV」構文だとか、表面上の形だけを覚えるのではなく、このようにシンプルな第2文型や第5文型の構造から派生して考えた方が、「理解」というプロセスを経た分、頭の中にも定着しやすいでしょう。

 というわけで、「品詞と文型」というテーマで解説してきたシリーズもここでいったん終了です。もしかしたら、リクエストなどがあったり、自分の中で「もう少し解説しておきたいな」感があったりしたら、書き足すかもしれません。とりあえずは、今後は「時制」や「準動詞」や「関係詞」といった他の文法事項をテーマに英文法解説をアップしていく予定なのでご期待ください!

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