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【薬膳編】五行学説6 『心』とは


”夏”に影響を受ける臓器

中医学では、夏の五臓は『|《しん》です。
そして、五腑は『小腸』になります。

もう少しかみ砕いてみましょう。
夏は、暑くて五行の中で『火』に属します。
心臓は、血液を全身に送ります。そして、体中をあたためますよね。
そして、『火臓』ともいわれ心の働きは心気、心陽により行われています


心に影響のある人体


言い方を変えると|《しん》に関わる臓腑は、
『心』の調子が良ければ、関連する臓腑も喜び、
調子が悪ければ、臓腑のどれかに不調の印が現れるということ。

例えば、ランニングの後に心臓がバクバクしている、すると、脈は当然早くなりますよね。
驚きがつよければ、「心臓が止まるかと思った」なんていいながら
顔面蒼白に。

汗をかきすぎれば、熱中症で心臓に負担かかかる。
なんとなくおもいあたりますよね。

生理機能

しんの生理機能についてお話ししましょう

① 血脈を司る ・・・ 心気により 血量を司り 
                  脈管(血管状態)を司る
② 五華が顔に現れる(顔色)
③ 神志を司る ・・・ 生命活動(顔色・視線・言語・反応・姿勢など)
            精神・意識・思惟しゆい活動
*心が血脈を司る機能が正常であれば、神志を司る働きも正常となり
 心身愉快、精神安定、反応が早く、頭の回転も鋭くなる
④ に通じる ・・・ 味覚・言語・舌の動き
⑤ 液体は ・・・ 「汗血同源」「血汗同源」といわれ
            血液は、津液と同じ源である精から生成される
           汗は、皮膚を潤し発汗により水液の排泄も行われる
  多汗による脱水症状(津液不足)により熱射病、熱中症になりやすい
⑥ 五志は喜び ・・・喜ぶことは心の働きにプラスとなり血流もスムーズ
       大喜びしすぎると、心気をゆるめてしまう

参考文献:実用中医学 辰巳洋

臓腑の小腸

小腸について説明します
心と小腸は、
手の少陰心経手の太陽小腸経によって表裏関係を持っています。
つまり、経絡でつながっている臓腑ということになります。

① 受盛化物じゅせいかぶつ
       胃で初期消化し泥状になった食物を受け入れる
② 泌清別濁ひっせいべつだく
      小腸は、受け入れた食物から、水穀精緻すいこくせいび
      津液を吸収し脾に運ぶ
     

参考文献:実用中医学 辰巳洋

症状

心の症状

 動悸 自汗(暑くないのに汗が出る) 顔色がよくない 不眠 
 多夢(よく夢を見る) 物忘れ 精神活動の乱れ ろれつが回らない 
など

小腸の症状

 喉の渇き 煩躁 舌が赤い 舌痛 舌瘡 尿痛 血尿 尿の色が赤い
心の熱が小腸に移り、膀胱に流れ込み気血の運行を乱す

夏は、
|清熱瀉下《せいねつしゃか》・|清心瀉下《せいしんしゃか》の食材と
利尿作用のある食材がおすすめです。
  あわ 小麦 大麦 きゅうり ゴーヤ 冬瓜 なす トマト 水菜
  タアサイ セロリ せり 西瓜 梨 しじみ 緑豆 小豆 豆腐
  緑茶 茶葉  など

ワカメや昆布など鹹味かんみ(自然の塩味)のものもあわせて取る  と「腎」の機能を補い体の冷え過ぎを緩和してくれます。
生姜、ネギなどの薬味もあわせてとりましょう


ポピー(ひなげし)ばたけ

 


 


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