マガジンのカバー画像

読書感想文

9
運営しているクリエイター

#北前船

「菜の花の沖」第一巻の巻

「菜の花の沖」第一巻の巻

北前船に興味があると、先日書いた。

日本海側の歴史は詳しくないが、北前船というキーワードで見てみると、何かダイナミックな視点が得られるんじゃないか、と思うようになった。

そんなことを1年間くらい考えていたら、ある記事の中に北前船のことと、司馬遼太郎「菜の花の沖」のことが書かれていた。

菜の花の沖は、司馬遼太郎の歴史小説の中でも、傑作の評価があった。

私は「竜馬がゆく」の大ファンであり、30

もっとみる
「菜の花の沖」第二巻の巻

「菜の花の沖」第二巻の巻

高田嘉兵衛に関わる資料をAIにすべて読み込ませて、司馬遼󠄁太郎風に書け、と命令したらどんな小説になるだろう。

第二巻を読みながら、そんなことを考えていた。

司馬遼󠄁太郎は、江戸時代の商業、船舶の構造、藩の経済状況、当時の各地の民俗等の資料をこれでもか、というくらいに調べて書いたのだろう。

そんな資料を私が見ても、事実の羅列だけで、そこに活き活きとした当時の人々の息づかいまでは感じられない

もっとみる
「菜の花の沖」第五巻 世界一周の巻

「菜の花の沖」第五巻 世界一周の巻

北前船のことが知りたい、と読み始めたこの本。

あらすじは。

第四巻では、蝦夷地やアイヌ人が物語のメインだった。

第五巻は、ほぼ丸ごと、日本との通商をせまる当時のロシアの話に。

ロシアの国の始まりから、司馬遼󠄁太郎は語りだす。

なんと、ロシアの原型のような国は、今のウクライナにあった。
キエフ政権とか、キエフ国家といったそうだ。

北前船の本を読むつもりだったのに、ウクライナの話しにまで

もっとみる