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ワンストップの体制で顧客を「育てる」。ECX本部ならではの強みとは?(前編)

今回お話をお聞きしたのは、ECX本部 本部長の尾崎公紀さん。2000年代のネット通販黎明期からECの事業に携わってきたという尾崎さんの視点からみた業界の今と未来についてうかがいました。

尾崎公紀/本部 トランスコスモス執行役員 デジタルマーケティング・CE・コンタクトセンター統括 デジタルトランスフォーメーション統括 副責任者 兼 ECX本部 本部長。EC黎明期の2005年から20年近くにわたり、ECに携わる。常に未来を見据えながらよりよいECの未来を作ることをめざす。

■EC事業のワンストップサービスを提供

−まず、ECX本部がどういった事業をされてるのか教えていただけますか?

ECX本部のXは、Experienceの頭文字です。トランスコスモスの事業は、コールセンターだったりインターネット広告事業だったり、ウェブ制作事業だったりと、機能を提供する部門が中心になっていました。それらを横軸で担い、EC事業者が必要としているサービスを一環して提供していくための部門として2013年に立ち上がりました。

特定の機能だけを提供するのではなく、マーケティングからECのプラットフォームを構築するシステム開発、バックオフィス、カスタマーサポート、物流まで、横断的に提供していることが特徴です。

−さまざまな企業のECを担っているということで、そのなかで感じている課題にはどんなことがありますか?

私たちのお客さまは小売ではなくて、メーカーが直接商品を作って販売するケースがメインです。とくにスタートアップや、大企業のなかでもまだ認知度の低い新商品が多いので、最初から大きな金額が動くことが少ないことは課題かもしれません。お客さまを地道に少しずつ育てていく必要があります

■縦割り体制の顧客をチームで支援

−育てるというのは、具体的に何をするのでしょうか?

テクニカルなところで言うと、マーケティングオートメーションツールをちゃんと入れて、データをしっかり取ること。そこから分析をして、どういうアクションをするべきかを考えることがまず重要になります。あとは、休眠ユーザーを掘り起こしたり、顧客単価を上げるためのキャンペーンを企画したりといったところから売上向上をめざす場合もあります。

いずれにしても、まずはファンになってもらわないと売上は上がらないので、そのための顧客接点をいかに多く持つか、それをいかに自動化していくかが重要になります。

−ECX本部の一番の強みや得意分野について教えてください

一番の売りは、顧客企業の複数の部門をひとつのチームで担当していることですね。多くのお客さまは、部門ごとに担当者が分かれていて、それぞれに意志決定者がいます。しかも、その部門同士に横の繋がりがないことも多いです。そこで、私たちがそれぞれの部門の担当者から聞いたことを落とし込み、横の連携がとれる体制を作っています。

この体制がきちんと作れていないと、たとえば「マーケティング部門がキャンペーンの実施を決めたけれど、そのために商品に同梱する印刷物が物流部門に届いていない」といったことが起こる可能性もあります。“川上でこれを実施したら、川下にはこんな影響がある”ということを明確にできるのが、私たちの体制の強みだと思っています。

サポートを続けることで、お客さま自身が知識を増やし、ツールの数字などを意識されるようになることも多いです。そんな“成長”を見ることができるのもECX本部ならではの魅力だと感じています。

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後編では、倉庫へのロボット導入や宅配クライシスへの備えなど、ECの未来についてのお話をうかがいます。

(後編はコチラ


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