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『飽食エスケープ2』
追求ティップス1-1
翌朝は雨だった。
昨日あんなこともあったんだからゆっくり話がしたい。目のことも、お腹のことも、食事のことも。幸いにも今日は休みだ。いくらでも時間はある。どうやら僕の中のやつとあの女は恋人同士だったみたいだ。あいつと契約を交わしたのが僕じゃなくて男だったらヤってたんだろうと思うと、今日ばかりは自分が女であることに感謝した。
昨日ちほちーの中のあの女が暴走したせいか、10時
『夏とふたり - July. 21. 2023』
今日は終業式。
夏休みが始まる日は毎年地元の海に来て遊んでいる私たち。ここになっつん や ちなっちゃんが入ったり、幼馴染の穂鷹が来ることもあるけれど、必ず遊んでいる。
通称『夏始めの儀』
みやにはなんだそれって笑われたけど、これがないと夏が始まらないっていうのは2人の中での不文律だと思う。
今年も例に漏れず、終業式が終わったら地元の最寄り駅に集合して海まで一直線に目指す。 みやの
『飽食エスケープ1 』
尾行エンカウント1
新山茅穂‐Niiyama Chiho‐は、昼休みになると消える。
これは比喩でもなんでもない。今日こそはいつメンで一緒にお昼ご飯を食べようと、後ろの席に座る我が級友の方を振り向けば、既にいない。授業終了のチャイムを待ち構えて振り向くまで、わずか10秒。
消えるかの如くいなくなるそいつに顔をしかめる僕、佐田ヤマト‐Sata Yamato‐と、お弁当を持って苦笑を浮かべな
『飽食エスケープ 0 』
プロローグ
『あぁ〜!しあわせ!ねぇ、ジャックもそうでしょう?』
「うん、そ、だね」
いつもの澄んだエメラルドグリーンとは違う、何かに飢えたような、ルビー色の真っ赤な瞳が、うっとりと目の前のプリンを見つめる。 レトロブームに乗っかって流行っていた、硬めの何処か懐かしいそれを大きな口で一口、心底幸せそうに頬張る彼女。一口食べるかと勧めてくれるが、都合上 ”今は” 食べられないため、丁寧にその申し
『柊 奏音』についての話
この子は来年集中して創作しようかなって思ってる『目は口ほどに』というタイトルに出てくる女の子。実は『へんしん魔法』
ひなちゃんと双子です。
親が離婚して、かのん→母、ひなこ→父に引き取られます。母は由緒正しき日本舞踊のお家元の娘です。一族で呉服店も経営していて、日舞一色です。
母は乳母に奏音を任せっきりで、お稽古の時だけ家に帰ってきては厳しい指導で怒鳴り散らかしてまた家を空けま
『はっぴーあいすくりーむ』
『ぶつかる!ぶつかる!!』
『え・・・?』
4月の少し肌寒い夜でした。
こと座流星群が最盛期を迎える日。その日、ひよりは珍しく夜にベランダにでていました。ぼーっと星を眺めながら、黄昏ていると沢山の光の筋の中から一つ、こちらに向かってくる光があります。ぐんぐんと近づくそれは、金髪がキラキラと輝く、ほうきに乗った女の子でした。
【人物紹介】
☆蒼井ひより
駄菓子屋『アオイ商店』の一人娘。両親