雫方奏

Nakata Kana。普段は絵描き。 契約と魔法と日常が隣り合わせの世界。

雫方奏

Nakata Kana。普段は絵描き。 契約と魔法と日常が隣り合わせの世界。

マガジン

  • 飽食エスケープ

    悪魔と食と女子高生

  • 🎵

    劣等感

  • 夏とふたり

    高2の夏

  • 👻

    神の子と見える子

最近の記事

『飽食エスケープ2』

追求ティップス1-1  翌朝は雨だった。  昨日あんなこともあったんだからゆっくり話がしたい。目のことも、お腹のことも、食事のことも。幸いにも今日は休みだ。いくらでも時間はある。どうやら僕の中のやつとあの女は恋人同士だったみたいだ。あいつと契約を交わしたのが僕じゃなくて男だったらヤってたんだろうと思うと、今日ばかりは自分が女であることに感謝した。  昨日ちほちーの中のあの女が暴走したせいか、10時を回ってもなかなか起きない。彼女の性格のせいなのか精神力のせいなのかはたまた、あ

    • 『夏とふたり - July. 21. 2023』

      今日は終業式。 夏休みが始まる日は毎年地元の海に来て遊んでいる私たち。ここになっつん や ちなっちゃんが入ったり、幼馴染の穂鷹が来ることもあるけれど、必ず遊んでいる。 通称『夏始めの儀』 みやにはなんだそれって笑われたけど、これがないと夏が始まらないっていうのは2人の中での不文律だと思う。 今年も例に漏れず、終業式が終わったら地元の最寄り駅に集合して海まで一直線に目指す。 みやの自転車に二人乗りして切る風が気持ちいい。田んぼだらけで全然発達もしていないし、小

      • 『飽食エスケープ1 』

        尾行エンカウント1  新山茅穂‐Niiyama Chiho‐は、昼休みになると消える。  これは比喩でもなんでもない。今日こそはいつメンで一緒にお昼ご飯を食べようと、後ろの席に座る我が級友の方を振り向けば、既にいない。授業終了のチャイムを待ち構えて振り向くまで、わずか10秒。  消えるかの如くいなくなるそいつに顔をしかめる僕、佐田ヤマト‐Sata Yamato‐と、お弁当を持って苦笑を浮かべながら、こちらに近づく ”みや" こと左貴 都‐Sadaka Miyako‐。  

        • 『夏とふたり - July.07.2023』

            夏真っ盛りの本日昼下がり。私たちの夏は今日からである。期末テスト最終日。まだ解き終わっただけで、結果なんて返ってきてはいないが来週からは午前授業で、実質今日から夏休みみたいなものだ。  ここは東京の端の辺鄙な田舎。引っ越してきた時は、本当に住所が東京なのか疑った。私、左貴 都 -Sadaka Miyako- は幼馴染の七星 めい -Naboshi Mei- と近所の駄菓子屋で夏休みの作戦会議中である。今は隣町の私立の高校に通っている。ちなみに七星めいもとい ”めめ” は地

        『飽食エスケープ2』

        マガジン

        • 飽食エスケープ
          3本
        • 🎵
          1本
        • 夏とふたり
          4本
        • 👻
          0本

        記事

          『飽食エスケープ 0 』

          プロローグ 『あぁ〜!しあわせ!ねぇ、ジャックもそうでしょう?』 「うん、そ、だね」  いつもの澄んだエメラルドグリーンとは違う、何かに飢えたような、ルビー色の真っ赤な瞳が、うっとりと目の前のプリンを見つめる。 レトロブームに乗っかって流行っていた、硬めの何処か懐かしいそれを大きな口で一口、心底幸せそうに頬張る彼女。一口食べるかと勧めてくれるが、都合上 ”今は” 食べられないため、丁寧にその申し出を断る。 しっかし本当に美味しそうに食べる。体質がなければ僕も何か食後のデ

          『飽食エスケープ 0 』

          みゃ〜この友達

          ☆佐田ヤマト‐Sata Yamato‐ 不思議ちゃんだがふとした時に確信を突く発言をする。茅穂をちほちーと呼ぶのはやまとのみ。食べることと音楽が好き。好きとかで収まる範囲じゃないかもしれない。所属バンドではギター。 ☆新山茅穂‐Niiyama Chiho‐ 普段はほわほわ天然なゆるかわ。笑いのツボが浅いゲラで密かにお笑いが好き。自己開示があまり得意ではなく、聞き手にまわることがしばしば。甘いものが異常なぐらい好き。

          みゃ〜この友達

          めめの友達

          ☆なっつん(吉良 凪月姫 -Kira Natsuki-) この世ならざるものが見えてるが、それに怖がることなくむしろ、興味津々。一番子供っぽくて、近所の小学生とは仲良しでよく一緒に遊びに行く。秘密基地があるタイプ。町の神社の神主さんのお家とは親戚。 ☆ちなっちゃん(氏家 千夏-Ujiie Chinatsu-) 音楽好き。ネットで知り合った人たちとバンドを組んでいる。(ギター)二人の保護者的な側面が強いが比較的一緒にばかやってて、もはやばかやれるための体制を積極的に整え

          めめの友達

          『柊 奏音』についての話

          この子は来年集中して創作しようかなって思ってる『目は口ほどに』というタイトルに出てくる女の子。実は『へんしん魔法』 ひなちゃんと双子です。 親が離婚して、かのん→母、ひなこ→父に引き取られます。母は由緒正しき日本舞踊のお家元の娘です。一族で呉服店も経営していて、日舞一色です。 母は乳母に奏音を任せっきりで、お稽古の時だけ家に帰ってきては厳しい指導で怒鳴り散らかしてまた家を空けます。(作者はこんな親嫌いや…笑) 奏音はこの厳しさに対する反抗心から外で

          『柊 奏音』についての話

          『はっぴーあいすくりーむ』

          『ぶつかる!ぶつかる!!』 『え・・・?』  4月の少し肌寒い夜でした。  こと座流星群が最盛期を迎える日。その日、ひよりは珍しく夜にベランダにでていました。ぼーっと星を眺めながら、黄昏ていると沢山の光の筋の中から一つ、こちらに向かってくる光があります。ぐんぐんと近づくそれは、金髪がキラキラと輝く、ほうきに乗った女の子でした。 【人物紹介】 ☆蒼井ひより 駄菓子屋『アオイ商店』の一人娘。両親は幼い時に離婚。父親に引き取られるも仕事でほとんど家にいないため、父方のおばあち

          『はっぴーあいすくりーむ』