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「自殺会議」#推薦図書

先日発売されたばかりの「自殺会議」読みました。

可愛いカバーデザイン。この人々は「おさけびさま」というらしいです。

後ろにも。そして、帯に書いてある対談相手の方々の紹介文に、何とも惹き付けられます。

カバーを外したら「おさけびさま」が増員してました。笑。

著者は、今年映画化もされた「素敵なダイナマイトスキャンダル」を書かれている末井昭さんです。って、何だかよく知っているかのように書きましたが、正直言うと映画も観ていないし本も読んでいないです。

あと、この自殺会議も「読みました」とか言ってるけど、実際読んだのはまえがきとあとがきと岡映里さんとの対談のみです。

が、今の時点で書けるだけの感想を書きたくなったので、こうしてnoteを開いています。

私の好きな部分をいくつか引用します。まず、岡さんの言葉。

本来自分の幸福を追求するために人は生きているから、それが生産性がないものとか、無駄なこととか、愚かなこととか、他人からしたらいけないことだって、やっていいはずなんですよね。
なので……死ぬのはいけないことだけど、それがその人にとって幸せになるための選択なら、いけないことをしてもいいはずだって思ったとき、そこを、いろんな思考の過程をショートカットして、まあ、死んでもかまわないみたいな気持ちになったのかな。
共感してもらったり、でも死なないで欲しいとかお願いされたり、ほんとに自分を思ってくれる言葉を掛けてくれる経験がある人とない人だと、やっぱりその後が変わってくるのかもしれない。
「私でも死にたくなりますね」は、結構嬉しいかもしれないですね、言われて。
あらゆる人が、いまもすでに完璧に生きてると思うし、私もそうだと思うし、自分が死を選んだとしても、その結果だから、まあ、それでいいかな、みたいな。だから、私もいまはこんなふうに生きることを選んでますけど、未来のことは未来の自分が決めると思っています。

岡さんの言葉って、淡々としている印象もあるのだけど、その中にすごく深い優しさを感じます。強い言葉もなぜか刺さらない。その優しさの元になっているのは素直さだと思います。あまりにも素直で、傷をつけることなく心の奥に到達してくれる。そして器も大きい。

「未来のことは未来の自分が決める」。これにはとても共感するのですが、私は岡さんに死んでほしくないし、生きていつかお会いしたいと思っています。度々死にたくなる私が言うのもあれなんですが…。

末井さんはあとがきでこのように仰っています。

自殺する人が好きだとまえがきで書きましたが、それは自分と同質の人に対するシンパシーだと思います。僕にとっては大事な人なのです。だから死なないでください。死んだら会うこともできません。
死にたい気持ちを持っていることは悪いことではありません。僕はそういう人が好きです。だから最後にもう一度、どうか死なないでください。

こんな風に面と向かって言ってくれる人がいたら、どれほど救われるでしょうか。私が言ってほしいと思ったのは「同質の人に対するシンパシー」「僕はそういう人が好きです」の部分です。「死なないで」は何人もの人に言われて、ありがたいし、けして嬉しくないわけではないのですが、それを上回る救いの言葉。

言ってくれた人もいました。以前通っていたカウンセリングルームのカウンセラーさんです。「親友に会ったような気分」と表現してくれました。仕事とは言え、まるっきりの嘘ではないと信じているし、純粋にとても嬉しかったです。また会いたいと思うし、そういう「同質の人」を探したいと思うきっかけにもなりました。

たくさん引用しましたが、これでもかなり絞りました。ぜひ全文読んでほしいと思います。私はこれから他の方の対談も読みます。そして末井さんの他の著書も読みたいし、映画も観たいし、岡さんの文章も読み続けたい。とりあえずそれら全てが終わるまでは、生きてみようと思っています。


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