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米大統領選)民主党 主な候補者のプロフィールを紹介します

11月3日に行われるアメリカ大統領選挙。2大政党の共和党と民主党の候補が激突する構図です。この候補を選ぶべく、2月3日の中西部アイオワ州を皮切りに、両党は全米各地で党員集会・予備選挙を繰り広げます。

共和党は現職ドナルド・トランプ大統領の指名が確実ななか、世界が注目するのは民主党の候補者レースです。最大時には連邦議会の議員を中心に20人以上が乱立するなど混乱の様相を呈した去年前半。そして支持拡大にむけて各氏が政治集会や遊説活動、討論会などを重ねた去年の後半を経て、訴えが響かずに多数の候補が脱落しました。

そして1月末現在、世論調査などから主要候補として絞られたとみられているのが次の5人。その主要な政策、そして横顔を紹介したいと思います。

ジョー・バイデン氏(77)

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東部ペンシルベニア州生まれ。デラウェア州選出の上院議員6期を経て、オバマ政権で8年間、副大統領を務めた。長い政治経験と抜群の知名度により、世論調査でほぼトップを走り続けるなど、当初から「最有力候補」と見られている。
ただ、失言が多いことや、当選したとしても就任時に78歳と高齢であることなどが不安視されている。息子が取締役を務める企業での不正疑惑が取り沙汰されていることの悪影響も懸念される。
1988年と2008年に、大統領選の民主党指名争いに立候補。1972年には、妻と娘を交通事故で、2015年には、息子を脳腫瘍で亡くしている。


エリザベス・ウォーレン氏(70)

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南部オクラホマ州生まれ。東部マサチューセッツ州選出の上院議員。法律学者。政治、社会の「構造的な変化」を呼びかけ、大企業や富裕層への増税を訴えている。また巨大IT企業分割、最低賃金の引き上げなども掲げている。さらに利権を排除するとして、富裕層からの大口献金は受け取らない姿勢も打ち出した。個人からの少額の寄附が中心にも関わらず、多額の資金を集めている。
去年秋、世論調査で一時、バイデン氏を追い抜いて先頭に立ったが、すぐに急落し、勢いを失っている。また大企業を敵視する政策から、金融、IT企業関係者などの間には、「ウォーレン大統領」誕生への警戒感が広がった。
選挙活動中、集会の終了後には支持者との「自撮り」=セルフィーに何時間も付き合うことも話題となった。


■バーニー・サンダース氏(78)

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ニューヨーク市生まれ。東部バーモント州選出の上院議員。同州バーリントン市長も8年間務めた。
「民主社会主義者」を名乗り、経済格差の是正を訴える。国民皆保険や富裕層への増税、公立大学の授業料無償化などを政策に掲げ、主な候補者のなかでも「最も左寄り」とされる。
民主党指名を争った前回2016年の大統領選では、若者の支持を集めて「バーニー旋風」を巻き起こし、ヒラリー・クリントン候補を相手に善戦した。今回は、リベラルな若者層に影響力が大きいとされる史上最年少の女性下院議員、アレクサンドリア・オカシオ=コルテスの支持を得たことが追い風となっている。
ただ、78歳という高齢であり、去年秋に心筋梗塞で入院するなど健康面での不安を指摘されている。


ピート・ブティジェッジ氏(38)

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中西部インディアナ州生まれ。サウスベンド市長を2期務めた。
候補者のなかで最年少であり、「アメリカ政治の、新時代への架け橋になる」と訴える。名門の米ハーバード大学、英オックスフォード大学を卒業。アフガニスタンでの兵役、コンサルタント会社勤務などの経験もある。
同性愛者であることを公言する民主党初の大統領候補。2018年に教師の男性と結婚、夫とともに選挙運動を展開している。
経歴や中道派の政策スタンスで支持を集める一方で、典型的な「白人エリート」と見られ、マイノリティーの間で支持が広がらないなどの弱点も指摘されている。


マイケル・ブルームバーグ氏(77)

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東部マサチューセッツ州ボストン市生まれ。ハーバード大ビジネススクールを卒業後、金融関連企業に勤める。その後、金融情報サービス「ブルームバーグ」を創業し、成功を収める。同社は現在、世界180拠点、従業員1万9000人を抱える企業に成長している。
アメリカ同時多発テロ後の2002年から2012年まで、3期にわたりニューヨーク市長を務めた。経済成長や犯罪の減少、銃規制の推進などで成果を挙げたとされている。
「トランプを倒すこと、アメリカを再建すること、これらが最も喫緊の課題だ」と、打倒トランプを最大の目的に掲げる。資産が約520億ドル(=5兆6千億円)と言われており、寄附を受け付けず私財のみで選挙戦を展開。テレビやYouTubeの広告などに莫大な資金を投入している。ただ「選挙を金で買おうとしている」との批判も出ているほか、過去に共和党に所属したこともあり、民主党支持者からの支持が伸びるかを疑問視する声も。

3年にわたり、異端の政策を打ち出し続けた第45代のトランプ大統領・・・ここで紹介した5人のうち誰かが民主党候補としてトランプ氏を倒して、ホワイトハウスを奪還できるのか?はたまた2期8年の「トランプ時代」が続くことになるのか?

世界の耳目を集める、熾烈な民主党指名争いは数か月続く見通しです。