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看護科という世界

付属病院のない大学に進んだ私が学んだことと、
就職してから感じたこと。

看護師になると決められた時間

看護科という学科の進路は決まっている。看護師。
国家試験に受かるために学びたい人たちの集団だ。
入った時から目的は明確なので、経済学科とか文学科とか、進む方向が沢山選べるところと違って迷うことはほぼない。
なので、「これから先どうしよう…」なんていう会話は皆無だ。
勉強をしていく中で、勉強が面白いかとか、面白くないかとか、先生の課題は過去問が大切らしいとか、この授業は適当でもなんとかなるとか、そういう情報にあふれていた。
私は大の図書館好きで、実家から片道車で1時間かけて通っていたので、空き時間は図書館に入り浸ったり、授業の後はアウトドアサークルに言ってだべったりしていた。

その頃のモチベーション

4年後に控えた国家試験さえ通れば問題ないと思っているので、学問自体にのめりこんだり、おもしろい!と感じることはほぼなかった。
「必要な課題」程度の意識。
微生物学とか、看護概論とか、ほぼもう記憶がない…(職場で使う知識は結局残ってるけど)
ただ、私が唯一興味が持てたのは「心理学」と「コミュニケーション論」だった。
心理学は必須なので全員習うのだけど、コミュニケーション論だけは必須ではなかった。空いた時間を使ってでも習いたいかすごく迷ったけど、どうしても習いたかったし、受けてみて、ロールプレイングしてみて初めて分かることも多く、本当に今でも役立っている、素晴らしい時間だった。
正直、今時使わないケリーパット(超アナログな洗髪の道具)の手技とか習うくらいだったら、倫理観とか、死生観とか、先輩後輩との立ち回り方とか、ナースのキャリアについて考えるとか、いくらでもやるべきことはあると思ったけど。(個人的な事後談)

情報学部とデザイン学部に挟まれている幸せ

私が通った学校は、情報学部とデザイン学部と保健福祉学部の3部構成だ。
県内の国立大学に行くと、看護学部は薬学部や医学部と一緒のエリアで、その他の文学部などの一般学部からはだいぶ離れてしまう立地だった。
友達になるなら、私が興味ある「デザイン」と「情報」が断然良かった。
本当は入試直前に車の工学デザインに進みたいと思ったけど、何の準備もできていなくて試験を受ける資格を獲得できなかった。
だからせめて、デザイン的な話も聞けたり触れたりできる距離感がいいと思った。情報分野のことも好きだったので、話題に触れたかった。
実際、サークルでいろんなジャンルの人と知り合うことができたのは、今でもナイスチョイスだったと思っている。
医学系だけで視野が固まってしまって、自分の情報の引き出しが少なくなるのがなぜか無償に怖かった。

看護師資格、保健師資格、国家試験見事にストレート合格!

大変なのは、3~4年にかけての実習が終わって、本格的に受験勉強に励む時期なんだけど、看護師の国家試験の範囲も広いことながら、保健師の国家試験も法律系などなかなか覚えにくいものばかり。国家試験二つ一気に受けるのだけでも心は「うげ…」と悲鳴をあげていたけど、助産師コースを受けていた子たちは更に助産師の国家試験まで同時期に受ける。一度に国家試験3つとか、なかなかないんじゃないかと思う。

私はよく興味のない授業では机を頭がホウキで掃いていたものだから、直前で大焦りして、東〇アカデミーにお世話になったもんだ…
なんとか運も味方して、両方ストレートで合格することができた。
就職先は、実習でいくつか行った病院の中で、優しそうな職場は選ばず、あえて家から離れた、ちょっと厳しめの国立の急性期病院に就職した。条件として、国家公務員扱いになるのが魅力だった。それは、ある意味私には劇薬になったのでした…


つづく♡




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