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《楽曲紹介》Girl(1965)/The Beatles

今回は、ビートルズの「ガール」という曲についてご紹介します。

ビートルズはその8年間の活動のなかで「初期・中期・後期」に分けて語られることが多いのですが、この「ガール」は中期に属する「ラバーソウル」というアルバムに入っています。

哀愁たっぷりのジョン・レノンの歌声が楽しめる一曲です。


① 歌詞

Is there anybody going to listen to my story
誰か僕の話を聞いてくれないか

All about the girl who came to stay?
忘れられない娘の物語

She’s the kind of girl you want so much, it makes you sorry
彼女は焦がれるような女性さ 同情するよ

Still, you don’t regret a single day
それなのに ちっとも懲りないね


Ah, girl
ああ あの娘

Girl, girl
あの娘は、あの娘は…


When I think of all the times I’ve tried so hard to leave her
彼女から離れようとしたことが 何度あっただろう

She will turn to me and start to cry
きっと彼女は 振り返って泣きだしてしまう

And she promises the Earth to me and I believe her
そして無理な約束をして 僕は信じてしまう

After all this time I don’t know why
結局いつもこうさ 何故だか分からない


Ah, girl
ああ あの娘

Girl, girl
あの娘は、あの娘は…


She’s the kind of girl who puts you down
彼女は君をコケにするような女さ

When friends are there, you feel a fool
友達の前で 間抜けな気分にさせられる

When you say she’s looking good
彼女のことを素敵だなんて言ったら

She acts as if it’s understood
彼女は当然のように振舞うぜ

She’s cool, ooh, ooh, ooh
彼女はとってもクールなんだ…


Girl
あの娘

Girl, girl
あの娘は、あの娘は…


Was she told when she was young that pain would lead to pleasure?
痛みはいつしか悦びになると 昔教わったのかな

Did she understand it when they said
その言葉の意味を 理解したのかな

That a man must break his back to earn his day of leisure?
男は休みのために 日々懸命に稼がなきゃならないなんて

Will she still believe it when he’s dead?
彼が死んでも それを信じるかな


Ah, girl
ああ あの娘は

Girl, girl
あの娘は、あの娘は…

Ah, girl
ああ あの娘は

Girl
あの娘は

男を振り回し、その男を情けなくするタイプの女」についてブルーに歌うラブソングといったところでしょうか。

次の項目からこの曲について解説します。



② この曲の遊び心


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タイトルの通り、この曲は「僕の心の中から離れない女の子」について語る内容になっています。


しかし筆者にはこの"女の子"という部分が女性ではなく、合法ではない何かを指しているような気がしてならないのです。
確信的な理由が、サビの"Girl"を繰り返す部分の歌い方にあります。

「ガアァ、アァァル… スゥゥーーウウウゥ…

今なんか吸ったね?鼻から何か勢いよく吸い込んだね??


ポールは「ジョンが息継ぎの音を使って親密な感じを出そうとしてた」と言っているそうですが、その親密にはダブルクォーテーション付きですかね。

穢れた筆者には「ヤク離れできない男の悲哀」を歌ったようにしか聞こえなくなってきています。


この曲の遊び心はスゥゥーーウウウゥ…以外にもあって、曲の途中から「ティッティッティッティッ」(tit, tit, tit, tit, tit, tit, tit, tit) というバックコーラスが入ってくるのですが、これは英語でおっぱいを意味します。こら!

これに対してポールは

「ビーチ・ボーイズの影響を受けたんだよ。彼らが"la la la la〜"と歌っているのが好きだったんだけど、同じ事はしたくなかったから代わりの言葉を探したらこうなった」

などと供述しているようです。ビーチボーイズを巻き込むな。

ビートルズは今でこそ世界的に評価されているバンドですが、所々にこういう悪ガキみたいなエッセンスがあって好きです。



③ この曲の魅力


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この曲の一番の魅力は「世間一般的には認知しがたいものを隠喩している」ところにあると思いますが、イントロ無しに始まるジョンの歌声も素敵です。

使われている楽器はアコギ・ベース・12弦ギター・ドラムというシンプルな構成なので、鼻を抜けるような響きをもったジョンの甘い歌声が存分に楽しめます。



おすすめカバー

最後に、この曲をカバーしているおすすめの動画をご紹介します。


原曲よりもややスローテンポなこちらのカバー。
特に"Girl"の融け合うようなコーラスが最高で、個人的にはこちらのほうが甘ったるくて好きです。


こちらはウクレレ1本のカバー。
スペインの山の近くで撮影されたということですが、夕暮れの風景とウクレレの音色が相俟ってエモいです。
"girl"の歌い方が原曲と異なって可愛らしくアレンジされています。


記事はこれで以上になります。

最後まで読んで下さって有難うございました!

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