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【コーヒーショップ】入りたいけど・・・。

これまでの記事にあるように私は持病の筋疾患のため外出時は電動車椅子を使用している。
そして、荷物が多くなるスーパー等での買い物は介護ヘルパーさんと共に出かけるが、一人で済む用事は極力単身で外出している。

先日、単身で少し遠出をした際の話。

その日私は昼前に出先で用事を済ませ、時間もあるのでその出先の近くにあるショッピングモールを目的もなく散策。

しばらくすると、ふと某セルフサービス式のコーヒーショップが目に留まり、急にコーヒーが飲みたくて堪らなくなってしまった。


話は少しそれるが、私は毎日4~5杯はコーヒーを飲まないと落ち着かなくなるくらいコーヒー好きだ。
あの飲む者を惹きつける芳醇な香りと、心地よい苦みとコク。
子供の頃は大嫌いだったのに、二十歳を過ぎた頃からいつしかその魅力に取り憑かれていた。
そして自宅ではインスタントや缶コーヒーではなく、レギュラーコーヒーでないと飲まない。
(他のコーヒー好きの方からすれば大したこだわりではないだろうが😅)

話を元に戻そう。

コーヒーが飲みたくなった私はそのコーヒーショップに入ろうかと思ったのだが、そこでいつもの悪い癖が出てしまう。

そのお店は誰もが知るおしゃれな雰囲気の某有名コーヒーチェーン店だ。

「車椅子の人間だからと、店員さんに迷惑そうな目で見られないだろうか?」

セルフ式コーヒーショップに入るとき、いつも上のような考えが頭をよぎるのだ。

一般的にセルフ式コーヒーショップはカウンターでメニューを購入し、商品を自分で受け取るスタイルだ。

しかし車椅子ユーザーが店内で飲食する場合は店員さんに座席の椅子をどけてもらい、さらにメニューをその座席まで運んでもらう必要がある。
(私は電動車椅子にドリンクホルダーを付けておらず、店内で購入したコーヒーを飲むしかなかった)

この一連の動作は単純に店員さんのお仕事を増やすことになる。
それが何だか店員さんに悪い気がして、私はいつもセルフ式コーヒーショップに入る前にためらいが生じてしまうのだ。
(現に別のコーヒーショップで、店員さんから明らかに「車椅子か、面倒だな」という雰囲気を感じた経験がある)

「どうしようかな、入ろうかな」、「いや、でも」などと迷いながら訳もなく店の近くをウロウロする様は我ながら情けない。

あいにくショッピングモール内にある一般的な喫茶店は車椅子で利用するには手狭な店ばかりだ。

しばらく考え込んだ末に、やはりコーヒーの魔力には抗えずに入店することに。

ドキドキしながらカウンターの店員さんに近づきホットコーヒー1杯を注文する。

店員さんはやはり車椅子ユーザーということもあってか若干の緊張が窺えたが、笑顔の対応。
自ら座席への案内とホットコーヒーを運んできてくれることを申し出てくれた。

「ああ、今回は親切な店員さんで良かった!」

少し座席で待っていると約束通りにホットコーヒーが届けられる。

待ってましたとばかりにコーヒーカップを口に近づけると、
突き抜けるような豊かな香り。
一口飲むと程よく調和された苦みと酸味。
やはり家庭で飲むコーヒーとは遥かに違う。

念願のコーヒーを飲みながら、「やっぱりお店に入って良かった」と思うのと同時に、コーヒーを飲むためにここまで苦労する自分の性格に呆れてしまう。
「別に悪いことをしているのではないから、堂々とすればいい」と自分でも思う。
ただ、持って生まれた性格だから今さら変えられない。
これからもドキドキしながらコーヒーを注文し続けるのだろう。

そして大げさではあるが、ほんの少しの勇気で幸福を手にすることができるということも実感した。

現に勇気を出して注文したコーヒーは格別に美味しかった😊

今後も自分の面倒な性格に付き合いながら、また機会があればセルフ式コーヒーショップを利用したいと思う。


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