「公平な税」は現代のモートンズ・フォークである
こんにちわこんばんわ。
全ての増税に反対し、全ての減税に賛成する自由人、七篠ひとり(@w4rZ1NTzltBKRwQ)です。
突然ですけど、皆さんは
モートンズ・フォーク(Morton's fork)
という言葉を知っていますか?
日本では「モートンの熊手」という全くセンスの無い直訳で紹介されていますが、モートンズ・フォークはフォークの先端が分かれているところから
「モートンの選択肢」
という訳の方が正しいと思うことは置いておくとして、この言葉は「ウ●コ味のカレーか、カレー味のウ●コか」というような
どちらを選んでも悪い結論になる
を表す俗語になります。
そしてこの語源には「税金」が大きく関わっています。
話は1486年のイギリスにまで遡ります。
ヘンリー7世のもとで「大法官」となったジョン・モートンは、税金を徴収する任務を任されました。
彼の任務は、前国王の失策で財政が危機に瀕した当時の王室にとって非常に重要なものです。
そこでモートンは、誰一人として税金から逃がさないために徴税人にこのような指示を出しました。
「質素な暮らしをしている国民には、『あなたは倹約家なので財産を貯めているはずだから国王のために税金を払える担税力がある』と伝えなさい。」
「一方で、贅沢な暮らしをしている国民には、『裕福なあなたには国王のために税金が払える担税力がある』と伝えなさい。」
このように、相手がどんな状況であれ「担税力がある」という答えにしかならないというモートンのやり方から「モートンズ・フォーク」という言葉が生まれ、「どちらを選んでも結局は悪い結論になる」という意味で使われるようになりました。
さて、話は変わりますが「税の3原則」という言葉がありますよね。
「税の3原則」とは
「公平・中立・簡素」
のことですが、この「公平」という言葉に「モートンズ・フォーク」を感じませんか?
例えば政府は、消費税のことを
収入に関係なく消費一般に対して広く「公平」に課される税
と説明しています。
しかしこれが所得税の話になると
経済力のある人に、より大きな負担を「公平」に求める税
という説明に変わります。
要は
庶民には「累進課税でお金持ちから”公平”に税金を取ります」
という一方で
富裕層には「消費税で庶民からも”公平”に税金を取ります」
といっているわけです。
これが「公平」の正体であり、これこそが「現代のモートンズ・フォーク」ではないでしょうか。
他にもオーバーツーリズムで地元住民の生活に影響が出ると聞けば
「オーバーツーリズム対策の財源に宿泊税を導入しよう」
となる一方で、もっと観光客を呼びたいという話に対しても
「観光振興を支える財源に宿泊税を導入しよう」
とやっぱり宿泊税の話が出てくるのも「モートンズ・フォーク」でしかありません。
また、車両重量は道路の損壊に密接に関連するから自動車重量税を掛けるという理屈に対し「それなら走行距離に関係なく一律に課税するのはおかしい」という指摘には、自動車重量税の廃止の議論はそっちのけで「じゃあ走行距離課税が必要だ」という話になっていくのも「モートンズ・フォーク」以外の何者でもないでしょう。
このように税金は「モートンズ・フォーク」だらけであり、これのどこが「税の3原則」の「簡素( 税制の仕組みをできるだけ簡素にし、理解しやすいものにする)」なのかを小一時間問い詰めたい心境なのはきっと私だけではないはずです。
私は日頃から、減税に必要なのは政策論でも財源論でもなく
ごちゃごちゃうるせぇ!減税しろ!
という圧力のみと主張していますが、これは決して支離滅裂なものではありません。
逆に支離滅裂で滅茶苦茶なのは、理屈が通らなくても「モートンズ・フォーク」で課税する政府の方です。
ちなみに「税の3原則」の「中立」の意味は
税制が個人や企業の経済活動における選択を歪めないこと
ですが、ではなぜ第三のビールが生まれ、なぜ軽自動車の台数がこれほど増えているのか、政府は「税制の中立」の観点から有権者に説明すべきです。
そういわれると政府は「ピグー税(経済活動が社会に悪影響を及ぼすと理由付けてその是正を根拠に課す税)」の話を始めるでしょうから、やっぱりここでも「どうであれ課税する」という「モートンズ・フォーク」なわけなので結論としては
ごちゃごちゃうるせぇ!減税しろ!
しかないということです。
政府が示す選択肢はどう選んでも「税金を取られる」にしかならないので、聞く耳を持たず数と圧力で減税だけを迫っていきましょう。
ということで、今日はここまで。
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