すこーし気になる病気解説します。【慢性腎臓病】vol.1
定期健診でGFRの数値が50。腎機能が低下していると指摘された場合に、将来的になりうる可能性のある病気は何でしょうか?
東京高輪病院長 木村健二郎氏の見解は、「慢性腎臓病(CKD)の可能性が高い。」とのこと。耳にすることが増えてきた「慢性腎臓病」についてくわしくみていきましょう。
慢性腎臓病とは
慢性腎臓病は慢性的に腎臓が障害されたり、腎臓の機能が低下した状態が続く病気の総称で、日本では成人の8人に1人が当てはまると言われているほど身近な病気です。
腎臓のはたらきは大きくわけると5つ。
① 血液をろ過して老廃物を排出する
② 体液の浸透圧、イオンバランスやPHを調整する
③ 塩分の排出量をコントロールして体液量や血圧を調整する
④ 血液(赤血球)をつくるホルモンを分泌する
⑤ ビタミンDを活性化し、骨をつくるカルシウムの吸収を助け、骨を強くする手助けをする。
こうして、各臓器が正常に働くように、内部環境をつねに微調整をして、最適な状態に維持しているのです。
腎臓の機能が低下し、末期腎不全になると生命を維持することが難しくなり、透析療法や腎移植といった治療が必要になります。さらに、心血管疾患を発症する危険性も高まります。
そうならないためにも、慢性腎臓病は早期に発見して、軽度のうちに対策をとることが重要です。
診断は尿検査で「尿タンパク」が出ていないかを調べます。これは、+、-、±で表記して、腎臓の障害の程度をみます。
また血液検査で血清レアチニン値から腎機能の指標である「糸球体濾過量(GFR)」を算出します。数値が60未満になると、腎機能が低下していることを示します。
現在はこの2つの指標を組み合わせて、病態の重症度を「低・軽・中・高」で表し、「軽」以上が慢性腎臓病と診断されます。
慢性腎臓病になる要因は、慢性糸球体腎炎などの腎臓そのものの病気以外に、高血圧、糖尿病、肥満、脂質異常、、メタボリックシンドローム、喫煙習慣、加齢などがあります。
慢性腎臓病と診断されたら、まずは原因を探り、その要因となる生活習慣の改善をします。喫煙習慣があれば禁煙を、肥満ならダイエットを、血糖値や血中脂質を改善するなら、バランスのよい食事や軽い運動を心がけるといったこと続けていきましょう。必要に応じては、血圧や血糖値を下げる薬物治療を行うことも。
慢性腎臓病は自覚症状がないため、知らないうちに進行していることがあります。毎年の健診で腎臓の数値をチェックし、前年と比べて機能の低下がみられないかを観察していく必要があります。
軽度の段階では、腸活によい食事や美腸習慣をマスターすることで、腎機能を改善することができます。なるべく薬などの化学治療に頼らない体づくりをすることが重要です。
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