見出し画像

その不調💦モヤモヤ・ヤル気が出ない・疲労感…もしかして「冬季うつ」かも?

冬季の日照時間が少ない雪国や白夜のあるヨーロッパでは、うつ病患者が世界的に見ても比較的多いそうですが、日本でも「冬季うつ」といって、日照時間の短い冬に抑うつ症状の患者が増加します。思い当たる方はいらっしゃいませんか?

❖「冬季うつ」とは


季節性感情障害(SAD)と呼ばれ、抑うつ感などの症状の発症時期と季節性が関係しているという障害で、特にはっきりとしたストレッサー(ストレスの原因)や心理的原因となる出来事がなく発症するのが特徴です。

原因としては、日照時間の短さからくるビタミンD合成不足が一因ではないかとされています。ビタミンDは、腸内でのカルシウムの吸収を促進し、骨や歯の形成にかかわる栄養素として有名ですが、セロトニンの合成に関与することも近年の研究ではわかっています。


北欧では、日照時間の短い時期になるとうつ病予防のためにビタミンDを摂取するキャンペーンが展開される、とか。

ここ2年ほどは、感染症予防から生活スタイルが大きく変化してきました。自粛生活が増えた方、夜型の生活になった方は、セロトニンの分泌が低下している可能性があるため、日中外でウォーキングしたり、部屋の中でもカーテンを開けて日光を浴びるようにしましょう。

❖ 脳がストレスをまず回避してくれる


脳の中でも、大脳皮質の前部にある「前頭前野」は30%を占め(チンパンジーですら17%!)、生きていくための意欲や、思考・創造性をうみだし、情動や行動をコントロールします。

ただ、老化や病気・ストレス過多などで、前頭前野の機能が低下することで、意欲が低下し、計画を立てて実行することが困難になったり、判断力が低下したりします。

日常生活で起こるさまざまなストレッサーに対して、まず「前頭前野」で理性を働かせて抑えてくれるのですが、「怒り」にはすぐに対応できないようになっています。瞬間湯沸かし器のように短気な人もおりますが、実際の刺激を受けてから、脳がはたらくのに3~5秒ほどかかるので「アンガーマネジメント」の手法として注目されているように、反射的に行動せず、ひと呼吸おいてから行動するということは、脳の行動からしても大正解なのです。


❖  脳と体のストレスと回復させてくれるもの


現在は、ネットの普及で情報過多になり、個性や価値観の多様化が尊重されて、人間関係はますます複雑になっています。仕事や家事、子育て、介護などを複数抱える生活スタイルの人が多く、常に、悩みやストレスを抱えている人が多いのが現状です。

そこで、陥ってしまいやすいのが「考えすぎによるストレスの蓄積」です。冷静さが欠けている状態であれこれ考えすぎてしまうと、前頭前野がオーバーワークになり、さまざまな精神疾患を引き起こす原因に。物事に行き詰ったら、「脳を休める」ことを習慣にしましょう。

脳と体のストレスを回復させてくれるものは、ただ一つ。「睡眠」です。

脳と体どちらにおいても、疲労の原因の多くはストレッサーにより交感神経が過度に活動することで活性酸素が過剰に発生してしまうことにあります。

活性酸素により脳や体の細胞が傷つけられてしまうと、細胞から疲労物質である「FF(ファティーグファクター)」が発生します。私たちが日常的に感じる疲労感の多くは「脳疲労」です。慢性的な脳疲労は、前頭前野のはたらきを低下させるので、集中力や判断力を鈍らせるだけではなく、感情的になったり理性を働かすことがうまくできなくなります。

でも、睡眠をとる目的は、脳や体を休めて回復させるだけではなく、脳内の情報整理、記憶の定着や消去、感情の整理、活性酸素の除去など。眠気を誘発する睡眠ホルモン「メラトニン」には、高い抗酸化作用があるため、さらに活性酸素のはたらきを抑えて、疲労回復を促してくれるのです。
「メラトニン」は、体内の深部体温を下げ眠気を誘発するだけではなく、脳の温度を下げるはたらきもあるため、脳がオーバーヒート状態にならないように調整してくれます。

また、「深い睡眠」とよばれるノンレム睡眠の間は、脳を回復させている時間です。成長ホルモンが分泌されることによって、皮膚や細胞の修復が行われているので、就寝後の最初のノンレム睡眠時は、高額エステ以上の効果を得ることができるゴールデンタイムです。ぜひ、しっかり睡眠しましょう(笑)

幸せホルモンとして有名な「セロトニン」は、精神を安定させ多幸感をもたらしてくれる神経伝達物質です。不安や怒りなどのネガティブな情動をおこすノルアドレナリンの作用を抑えるために、前頭前野は、セロトニンを分泌させ脳内の興奮を抑えるよう対処します。ただ、前頭前野の機能低下によりセロトニンの分泌を促す力が弱まると、抑うつ感が高まり、うつ病が発症することが分かっています。

また、愛情ホルモンや幸せホルモンとも呼ばれる「オキシトシン」は、ストレス状態を軽減させ、不安や心配を緩和させてくれるメンタル調和の効果があり最近では注目を集めています。「オキシトシン」と「セロトニン」は相互作用があるので、両方が分泌されている脳内では、脳疲労が軽減されることも証明されています。


❖ 睡眠・疲労回復に必要な栄養素


肉・魚・卵・豆類などに多く含む【タンパク質】をしっかり摂り、セロトニンの合成に必要な【ビタミンB6】・脳神経を正常にはたらかせる【ビタミンB12】・気持ちを落ち着ける作用がある【マグネシウム】・活性酸素を抑える抗酸化作用の高い【イミダゾールペプチド】をバランスよく食べることを心がけましょう!

また、ショートスリーパーの方も増えていますが、連続して睡眠時間は最低6時間は確保したいところ。睡眠時間だけではなく、睡眠の質もとても大事です。寝る直前の食事や飲食を避ける・寝る直前までPCやスマホを見ないようにしましょう。







この記事が参加している募集

#習慣にしていること

130,488件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?