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なぜ、山田錦は評価されるのか?

「酒米を使ったお酒ってどんな味??」から「酒米の王様「山田錦」の特徴の秘密」そして今回の「なぜ、山田錦は評価されるのか?」で酒米の特徴やメカニズムについて書きました。酒造り観点から書いています。

山田錦の味わいのメカニズム

「山田錦」は、もともとタンパク質含有量が少なく、発酵してもアミノ酸の生成が少なくなります。また、「山田錦」の持つタンパク質は、麹菌の持つ分解酵素では分解されにくいタンパク質が多く、分解されてできるアミノ酸の量が少ないのです。

分解されてできるアミノ酸の種類もアルギニン、ヒスチジン、フェニルアラニンなどの苦味アミノ酸が少ない。そのことにより、他の酒造好適米(酒米)や一般米に比べ、酒がふくよかで広がりのある味わいに感じます。
これはアミノ酸の違いによると考えられています。

大吟醸 米のささやき YK-35 H30BY金賞受賞酒 720ml


山田錦の評価

つまり、山田錦を使用したお酒は、甘みが多く、苦み・渋みが、少ないお酒になります。
日本酒のコンテストなどでは、ブラインド(ラベルを隠して)で審査をします。
そうすると、前情報がない為、苦みや渋みを感じやすくなり、評価されにくく審査をする際に減点要素になる事が多いです。

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※苦味や渋みは、知識や経験、情報によって美味しいと感じるものです。
例として苦みや渋みがあるものは、子供は好みません。
苦味や渋みは、知識や経験、情報がないと美味しいとならないものなのです。

実際に、日本酒の最大の鑑評会である独立行政法人酒類総合研究所が主催する「全国新酒鑑評会」において、

金賞受賞しているお酒における山田錦の使用率は80%を超えています。
これが、酒米の王様と言われる理由です。

山田錦は、非常に「造りやすく」「評価されやすい」と言うのが多く使われる理由なのではないかと思います。

また、料理との相性も良く、ペアリングしやすいというのも使われる理由だと思います。

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なぜ蔵元は、色々なお米を使うのか?

山田錦を使用すると、辛口を使っても味わいが出ます。味わいのある印象的な辛口になります。
使用するお米に向いている酒質、向いていない酒質があります。
様々な日本酒の味わいは、お米によると私は思います。
使用するお米のセレクトが蔵元の醍醐味です。

参考文献:山田錦物語 兵庫県酒米研究グループ

次は、ペアリングについて書こうかな。

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