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【初投稿】文系卒営業の私が、なぜエンジニアのサービスを立ち上げたか

はじめに

ソフトバンクの社内起業制度で、エンジニア向けの実践教育サービスを立ち上げている、藤原と申します。

仕事柄、最近特に情報発信し続けることの重要性を感じており、自分の経験や考えをアウトプットしようと思い立ちnote始めました。

簡単に自己紹介させていただきます。愛知県名古屋市出身で、高校卒業後に東京へ。日米の大学でビジネスを専攻し、2016年にソフトバンク株式会社に入社。法人向けにITソリューションを販売するセールスエンジニアとして、営業と技術の両方の業務を3年間経験した後、事業開発部門へFA異動。事業開発では、ソフトバンクビジョンファンドを含む国内外の投資案件のリサーチ、出資検討、出資先の事業支援、ソーシング等の業務に携わりました。また、SBイノベンチャーという社内起業制度も2年前から兼任し、300件以上の社内公募の中の4件で審査通過し、現在はプロダクトβ版検証を経て事業化に向けて活動しています。

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なぜエンジニア向けサービスを立ち上げたか

私は文系で、大学では金融経済が専門で、ビジネス領域に関心がある人間です。新卒で法人事業のセールスエンジニアに配属された当時、テクノロジーに関心はあったものの、その技術的な仕組みは全く理解しておらず、ITシステムの基本的な知識やプログラミング思考のようなものは皆無でした。

入社1年目は、セールスエンジニアという職種の特性上、IT部門のお客様とある程度対等に技術の会話ができて、かつ同行する営業よりも技術の知識がないと双方に信頼されないと思い、情報系の基礎知識を詰め込み、プログラミングの勉強にも勤しみました。若手はベテランよりも何か強みがないと差別化できないと思い、特にAI/Data分析の分野に力を入れて勉強しました。実際に業務経験を積んでいくうちに純粋にあることに気付きました。

エンジニア職は、勉強と実際の業務に大きなギャップがある

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エンジニアはどこの企業も足りません。事実、国内のIT人材の有効求人倍率は5.6倍と需要過多です。特にAIやデータサイエンスといった人材は、企業の事業DX化に伴い需要が高いにも関わらず、そのような人材は希少です。

とはいえ、インターネット環境さえあれば様々なことが学べます。無料の技術記事もたくさんありますし、プログラミングスクールやE-Learning、動画サイト、書籍等、様々な手段で体系的な知識は学べます。実際、小学校でもプログラミング科目が必修化され、大学生の文系でもプログラミングスクールに通ってる人がいます。エンジニア見習いレベルの初心者層は増えています。ただ、体系的な知識を勉強したからといって、そのまま業務に応用できるかと言えば別問題です。

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プログラムはただのツールで、使いこなせないと意味がないですし、資格や書籍で知識をインプットしても、覚えただけで使えない人が多いです。IT業界の技術変化は凄まじく、常にアンテナを張って情報をインプットし、能動的にアウトプットを繰り返さなければ、すぐにスキルは陳腐化してしまいます。

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実際に社内外でエンジニア職の同僚や先輩から、著名な有識者やIT業界CXOレベルの方まで計60名以上にもヒアリングしましたが、エンジニア(特にプログラミング)に関しては、スクールやオンライン講義、書籍、資格などで得られる体系的な知識だけでは不十分で、実務経験こそが唯一のスキルアップの方法のようでした。実務経験の機会がなくても、能動的にアウトプット(演習)を繰り返すことが必要で、実践的な経験を積み重ねることが必須です。そして、エンジニア初心者レベルの数はたくさんいるが、案件対応ができる中級レベルは極端に少なくなり、中級レベルまでの育成が課題と、口を揃えて話していました。転職や部署異動の際も、やはりエンジニア初心者レベルではほぼ採用されず、実務経験が必要不可欠です。

例えば英語の場合はわかりやすいと思いますが、10年以上英語を勉強して英単語や文法は覚えていても、社会に出て業務として活用できるほどの英語スキルを持ってる人が少ないように、プログラミングについても同様の事象が起きていて、「プログラミング言語や構文、基礎知識は勉強したが実務で活用できない人」が多いことがわかりました。この「教育と実務のギャップを埋める」ことに挑戦することは、社会的意義があるのではないかと思いました。

Axrossというサービスの考案

エンジニアは、教育と実務には大きなギャップがあるという課題感から着想し、「学んだが活用できない人を減らしたい」という想いでソフトバンクとヤフーのエンジニアメンバーでAxrossを立ち上げました。

Axrossは、基礎内容は学んだが、実務への応用が課題である見習いエンジニアが、エンジニア経験者のノウハウが詰まった教材 ″レシピ″をもとに、 実践的な内容を繰り返し学習できる「エンジニア向けの技術ブログとE-Learningを掛け合わせたサービス」です。昨年6月にβ版をリリースし、ソフトバンクのグループ会社7部門、社内200名程を対象にトライアル検証を行いました。日々トライ&エラーを繰り返しながら、PMF検証を進めています。

Axross
- LP
- レシピ一覧
公式Twitter

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Axrossのレシピは、他の体系的な学習教材とは異なり、現役エンジニアの体験談やノウハウが含まれ、具体的なビジネス課題を解決するテーマや、実務で使えそうな実用的な内容が記載された、E-Learning形式のプログラミング学習教材です。料理のように、より身近に楽しくものづくりがDIYでできるような理想の世界感と、最終的に何かしらのアウトプットができるようになる目的型の教材にしたい、という想いを込めて、教材を ”レシピ”に喩えた独自のフレームワーク構成を用いています。AI/MLのテーマに注力して現役エンジニアに声をかけ、独自のチェック体制下で一定水準のクオリティを担保したものを提供しています。現在は、画像処理や言語処理、音声処理、時系列データ分析などレシピの数は140を超え、2000名以上のエンジニアが利用するサービスになりました。(※2021年6月時点)

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今後は、β版プロダクトのUI/UX改善や機能追加等のアップデートを予定しており、実用的なレシピを強みとして、法人向けのエンジニア職スキルアップや、AI/DX人材育成サービスとして事業展開を目指します。

さいごに

現時点ではスモールでの検証のため、まだプロダクトやコンテンツに至らない点はあると思いますが、ユーザーが求めるより良いサービスを作れるように尽力していく所存です!

ぜひご興味ある方はサービス使っていただき、使ってみた感想や要望などフィードバックいただけると助かります。また、身の回りにAIに興味ありそうな方やエンジニア職の方がいましたら、このnoteとサービスをシェアいただけるととても嬉しいです。

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