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3才の娘に「墓」の概念を教えようとしたところ、半分失敗した


 
子供にはいろんなことを教えたいなと思っています。


でも、無理やり押し付けてはいけません。

出来るだけ、さりげなく、がええかなと思っています。


子供が日常の中で出くわしたことに、さらりと知識というデザートを乗せてあげる。

そんなことが出来たら、

”体験”というメインディッシュに、

”知識”というデザートが増えて、

なんでもない日常が

極上のフルコースになるやん

なんて小洒落たことを、汚い服装で考えています。

(なぜ僕が汚い服装かは、もしよろしければ、こちらのnoteをご覧ください)


子供からも

「お父さんって、いろいろ教えてくれて、ほんま賢いな」

「お父さん、かっこええわ」

と思われることが確実でしょう。


ここまで読んでいただいてお気づきかと思いますが、究極にイタイ父親です。



公園で見つけたもの


そんな、ヨコシマな頭でいる僕は、子供をよく公園に連れていきます。


子供が出来て改めて気づきましたが、公園は本当に素晴らしい場所ですね。


いろいろな出会いと体験が詰まっています。


他の子供と仲良くなることもあります。

綺麗な花や草木を見つけることもあります。

時には、子供にとっては見たことがない昆虫に出くわすこともあるでしょう。


あの日は、たまたま、死んでいるバッタを見つけました。


僕が、木の根元に見つけたんです。


鳩を追いかけて遊んでいる娘を横目に、ぼーっと立っていると、死んでいるバッタを見つけたのでした。



普通のバッタやてんとう虫であれば、よく見かけます。

でも、今回は「死んでいるバッタ」でした。

娘にとって、少し珍しい体験のはずです。



僕は、ふと思いました。


「これって、極上のフルコースになるやん」


頭の中で思っただけで、口からは言葉として出ていないと信じたいです。

もし口走っていたら、本当に危ない人なので。

(死んだバッタを持って帰って食べると思われかねない)


娘はまだ3才です。

「死」という概念すら、ちゃんと理解しているかも、怪しい。


僕は、この"体験"を逃しません。

死というものを娘に教えつつ、「墓」という概念まで教えてやろう。

こんな欲張ったことを考えました。


バッタにとってはええ迷惑でしょう。

「おまえがカッコつけるために、俺を使うなや」

バッタの声が聞こえてきそうです。


そんなバッタに、僕はこう答えます。

「おまえの死は無駄にしない」



生前のバッタ(イメージ)




お墓を作ろう


死んだバッタと盛り上がっている僕をよそに、まだ娘はハトを追いかけて遊んでいます。



そんな娘を僕は呼び止めました。


「おーい、珍しいものがあるから、こっちおいで」


娘は、もう少しハトで遊びたかったのでしょう。

多少不服そうな顔でしたが、素直に来てくれました。



そんな娘に、僕は出来るだけさりげなく、語りかけます。

「ほら、見てみ。

 バッタ死んでるな」


このチャンスを逃すまいと究極に意識が高まっていた僕です。

声は震えてなかったと思います。

娘には気付かれていません。


娘はじっとバッタに見入っています。

”動かない”バッタです。

珍しいものを見て、興味を持ってくれたようでした。



早速娘は、近くにあった木の棒を拾い上げました。


死んだバッタを木の棒でツンツンしそうになっていました。


「よしよし、生き物が死んだ時はな、こうすんねや」


僕は、靴で地面に小さな穴を掘りました。

「オハカって知ってるか?

 人間もな、死んだらお墓というものに入るんや。

 バッタさんに、お墓を作ってあげよう


小さい穴に、死んだバッタをやさしく置いてあげます。


娘はじっと見ています。


僕は、死んだバッタが入った穴に、やさしく土をかぶせます。

「一緒に土をかけてあげてくれる?」


娘も、見よう見まねで、僕と同じように土をかけてくれます。



「よしよし。お墓の作り方を学んでるやん」


僕は手応えを感じました。


娘に、フルコースを御賞味いただいています。



「最後にノンノンをするんやで」


ノンノン。

方言かもしれませんが、手を合わせて祈ることです。


ノンノンは、つい最近、初詣で教えたところです。



僕は娘にやって見せました。

「こうやって手を合わせてな。

 目をつむって。

 『 バッタさん、安らかに眠ってください 』

 とか、言うんや。

 これでバッタさんもお墓でゆっくり眠れるわ。」






僕は、

「100点ちゃうか」

と、早々に自己評価をしました。

見事なデザート付きのフルコースです。

育児界のアイアンシェフです。



娘も、僕の真似をして、ノンノンを始めました。

小さい可愛い手を合わせます。


目をつむります。


そして、娘は、バッタのお墓に向かって、大きい声でこう言いました。





「 ハトに乗れますように! 」




(あ、全然ちゃうこと考えてたんや!)





衝撃を受けた僕は、急いで頭の中で自己採点をやり直しました。


「墓を作る”動作”は教えれた」


「死の概念は教えれてへん」


「墓の概念は、明らかに伝わってへん(鳩のこと考えてる)」



よし、少し甘めに自己評価をして、60点としよう。


アイアンシェフでも常に満点は無理なんです。



そうやって僕が自己評価を終えた頃、


娘が墓を掘り返し始めた
ので、


もう10点マイナス
することにしました。






今日も読んで頂いて有難う御座いました😃





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