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みかん鍋食べてきたレポ

 八割くらいの人が首をかしげる不思議な鍋料理、みかん鍋。

山口県は周防大島町で盛り上がっているみかん産業の新局面としてあらわれたみかん鍋ですが、味はどんなもんなのか分からない、気になるけどこわい、そんな人たちが多数いる奇妙な鍋料理としての立ち位置に甘んじてしまっている現状のようにみえます。

食べに行ってみた

今回は竜崎温泉ちどりさんのみかん鍋をいただいてきました。

 まず目を引くのは焼き印入りの小ぶりなみかん。みかん鍋のメイン具材として温まる姿が愛らしいです。

そしてみかんの皮風味のつみれ、みかんジュースで白玉粉を練った100%みかん白玉。目にもあざやかなみかん色の具材が魚介ベースのお出汁を吸い込んでいるのです。ここに海老、白身魚、鶏肉、お野菜、豆腐が鍋としての構成を支えます。

みかん胡椒の存在

 これらの具材を包むのが、ゆず胡椒ならぬみかん胡椒です。ピリッと刺激的な風味が溶けたお出汁によってみかん鍋は完成するのです。

みかんまるかじり

 よく煮えたみかん白玉はお出汁を吸ってふわふわ、後にみかんジュースの酸味がやさしく主張する味わいです。みかんジュース100%は伊達ではありません。つみれもみかんの皮がいい香りをもたらしてくれて、おいしいつみれでした。

 そしてメインのまるごとみかんです。熱いのでよく冷ましてから!と店員さんから説明を受けたのでそのとおりに、海老や鶏肉にみかん胡椒を追加して辛味を楽しみつつ、冷めてきたところで満を持してまるかじりしましょう。オレンジ色の皮が見慣れたみかんより薄いことに気がつくはずです。あたたかい果肉とお出汁のマリアージュも最高なのですが、いちばんおいしいのはみかんの皮なのです。

 柑橘のさわやかな香りと絶妙な食感の皮の感触に夢中で食べるうちに、もうなくなっちゃった……とさみしさを覚えるはずです。

 でも大丈夫、まだ雑炊があるのです。
ごはんと生卵をひと煮立ちした頃、あおさ醤油という名前の名脇役が姿をあらわします。

あおさ醤油

みかん胡椒の辛味にあおさの風味が加わった雑炊は一瞬でなくなってしまうおいしさでした。

 ここまで読んでくださったなら、みかん鍋への得体のしれなさは綺麗になくなって、きっと周防大島まで食べに行きたくなったことでしょう。私たちも二回目みかん鍋の予定を話し合いつつあるくらいですから。







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