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野球やサッカーのルールは分かる。では、僕らがいま生きている資本主義のルールとは?

こんにちは。Desafio代表の辰巳です。
最近はこんにゃくゼリーを食べ過ぎて、逆にお腹を壊している毎日を過ごしています。


突然ですが、皆さんはこれまでどんなスポーツに取り組まれてきましたでしょうか。
サッカー、野球、バスケ、テニス、卓球、水泳、剣道、柔道、陸上、、、etc
沢山ありますよね。

では、例えばサッカーをやってきた貴方に質問です。
「あなたはサッカーのルールは分かりますか?」

答えはYESです。
そりゃもちろん、だってルールが分からないとプレーできないですからね。

では、皆さんに質問です。

「あなたが生きている資本主義のルールは分かりますか?」

資本主義という枠組みの中で生きているのにも関わらず、意外とルールを知らない人は多いのではと思います。
ルールを知らないと勝つこともできないですし、気が付いたときには負けてることもありますよね。

せめて、1人のプレイヤーとして、ルールを知っておくことは大事です。

かくいう僕も分かっているようで不明確だったので、あくまでも個人的な見解ですが、「資本主義のルールとは?」を簡単に言語化してみました。

資本主義とは資本家が豊かになる仕組み

そもそも資本主義においては、生産手段(工場、機械、土地など)を所有する資本家と、それらの手段を使って働く労働者の2つに分類されます。

そしてはっきり言って、資本主義とは構造的に資本家が豊かになる仕組みになっています。


なぜならば、労働者は自らの労働力を資本家に提供し、その対価として賃金を受け取るからです。
カール・マルクスは、この労働と賃金の関係について「賃労働と資本」という著作で次のように述べています。

「労働者は賃金のために働くが、その賃金は彼らが生産する価値の一部に過ぎない。残りの価値は資本家によって利益として取り上げられる。」(Karl Marx, 1847)

「賃労働と資本」

マルクスの理論によれば、労働者は自分の労働によって生み出された価値の一部しか受け取らず、残りは資本家の利益となるため、労働者は常に資本家よりも経済的に不利な立場に置かれることになります。

これで「やってられない!!!革命だー!!!」となったのがマルクスです。

労働者は構造的に豊かになりにくいです。

なぜか。

それは労働者の給料が「労働力の再生産コスト」という考え方に基づいて設定されているためです。

労働力の再生産コスト

労働力の再生産コストとは、労働者が働き続けるために必要な費用のことです。
一言でいうと、”明日元気に働いて貰える代”です。

「労働者が明日も同じパフォーマンスで仕事をするために必要なコスト」
これが労働力の再生産コストです。

その中には単に労働者が生きていくための基本的な生活費だけでなく、健康を維持し、次世代の労働力を育てるための教育や養育費用も含まれます。
またリフレッシュするための飲みや趣味を嗜むお金も含まれています。

ここで重要なポイントは、労働力の再生産コスト(給料)は十分には余らないように設定されているということです。

なぜならば資本家にとっては、
労働者が明日元気にさえ働いてくれれば、言い換えると
労働力さえ提供してもらえれば良いので、余ったお金は他の利益を生み出すものに使えるからです。(あえて冷たい言い方をしています)

労働者の収入は生活水準で決まります。
年数や職業によって給料が異なりますが、それは結婚や出産やライフ
スタイルの変化に合わせて生活水準が異なっているからです。

だから会社員で収入が上がっても、お金が思った以上に貯まらない。
なぜならば、収入を上げても同時に、家のローンや子供の養育費、親の介護費と生活水準(費用)も同時に上がっていくからです。

これが労働者がどれだけ頑張っても、豊かになることができない理由です。
構造的にそうなっているって話です。

ちなみに日本の労働者の月収は直近30年で減少しています(注)
それにもかかわらず、社会保険料や税負担は増加し続けていますよね。

(注)
厚生労働省が毎年発表している「毎月勤労統計調査」によると、1990年代から2020年代にかけて、実質賃金の伸びは停滞または減少傾向にあります。
また経済協力開発機構(OECD)の「Real Wages in Japan」レポートでも、日本の実質賃金は1990年代半ば以降、ほぼ横ばいか減少傾向にあります。

富の分配と所得格差

また資本主義社会では、富と資源の分配が不平等であることが一般的です。
経済学者トーマス・ピケティは「21世紀の資本」で、資本主義が富の不平等を拡大させるメカニズムについて次のように述べています。

「資本収益率が経済成長率を上回るとき、資本の所有者はますます豊かになり、労働者との間の格差は広がる。この現象は資本主義の基本的な特性であり、所得不平等を助長する。」(Thomas Piketty, 2013)

「21世紀の資本」

ピケティの研究は、資本主義における所得格差の拡大を示しています。
資本の所有者は資本から得られる収益(株式の配当、不動産の賃貸収入など)を得る一方で、労働者は主に賃金収入に依存しており、その賃金はしばしば物価上昇や生活費の増加に追いつかないため、富の蓄積が難しいのです。

まとめ

資本主義とは、構造的に労働者が豊かになりにくい仕組みです。
そして、現在日本の労働者の可処分所得は年々減少傾向にあります。

更には、
人生100年時代の到来により、定年退職後も約30年生きる必要がある
・少子高齢化に伴い、年金受給額もどんどん減少していく
・AIの急速な進展により、人の仕事が取って代わられている

これらを踏まえて、今後の自分のキャリアを設計していく必要があります。

僕が言いたいのは労働者だから幸せになれないと言ってるわけでは決してないです。
ただ構造上のルールを把握した上で今後を考えていくことが大切です。

「普通でいいや」という選択肢を取ることで、逆に普通ではいられなくなる可能性も高いわけです。
安定志向の僕が起業を考え始めたのも、本当の安定は「100万円を貰える仕事に就くこと」ではなく、「100万円を稼ぎだすことのできる自分」に成長することだと気が付いたからです。

ぜひ、自分事としてキャリアを考えて、
多くの人がこの資本主義の中で自己実現していくと良いなと思います。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました(^^)

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