見出し画像

誕生日【2】

誕生日が楽しかったのは
もう随分と
昔の話
誕生日会なんて
一時流行ってたなあ
なんて
思い出したり
僕は遅い方だったから
いくつか
プレゼントを用意した後
これだけやったから
さぞ──

まあ
子どもなんで
そこまで
たいしたものは
あげてないけど

自分のは
いいもの
欲しいもの
くれないかな
とか

あんまり覚えてないから
たぶん
期待に沿ったものは
もらえてなかったかな

母親や
おばあちゃんからは
その分
希望を伝えて
一緒に買いに行ったから
よく覚えている

ゾイドのプラモデル
ミニ四駆のサーキット
そういや
スーパーファミコンも
少しずらした
誕生日プレゼントだったかな
発売日にひとりで
買いに行ったのは
今でもはっきりと
覚えている

中学生になると
もうそこまで
無邪気に
誕生日会とかもなく
プレゼントとかも
記憶に残るようなものも
なくなって
もうあんまり
もらったりはしなかったかな

ひとつひとつ
数字が増えていくのに
違和感しかなかった

まだそんな年齢じゃない
まだ子どもだって──
とかなんとか

数字はどこまでも
客観的で
主観的には
どこかで止まっていて

その理由を
探すのが
生きる意味だとか
なんだとか

そんな時期も過ぎ
誕生日は
一日分と変わらなくなった

たぶん
主観と客観が
一致して

生きることに
集中し出したからか
とか思ったり

やっと
大人になった

やっと
生まれた

そう言えるのかもしれない

今日も世界中で誰かが
365分の1の
特別な日を迎えている

誰かは知らないけど

誕生日おめでとうございます──


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?