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風を読む【小説】

「大佐、戦況は刻々と変化しています。このままではわが軍は確実に負けます。ここは一旦、後方へ下がって、編成などを立て直してからにしてはどうですか?」
 最前線で指揮している部隊長から、朝早くにそう連絡があった。大佐は戦場から少し離れた小高い丘で、テントを張りコーヒーを飲みながら戦況を分析していた。確かにここ数日の戦況は良くない、何か次の手を打たなければ──。
「しかし、何故俺は今ここでこんなことをしているのだろう。ほんの数か月前までは、学校で教員をしていたはずなんだがな」
 
 話は一年前に遡る──
 
    大佐とのちに呼ばれるこの男は、元々数学の暗号によく用いられる素数の研究者で、規模の大きな地方都市の大学の助教授をしていた。大佐は趣味でインターネット上に時々現れる、一見意味のない数字や記号に何か法則はないかと調べるのが日課だった。自身の研究生活で培った理論や数式を駆使して調べるが、大抵は本当に何の意味もなさない、数字の羅列であることが多かった。
   しかし、丁度一年前のある日、いつものようにインターネット上の暗号らしき数字のいくつかを解読する趣味をやっていると
「おや、これは珍しく次のサイトに行ける」
そして、いくつかの暗号をその度に解読し、サイトのキーをこじ開けていくと、今まで見たことのない紫色を背景とした、アラビア文字か何か、読めない言葉で書かれたサイトに入った。
「何だ、ここは」
 ほぼ解読不明な文字の羅列ではあったが、ここは長年の素数研究で培った、文字列の法則を解き明かす大佐にしかできない裏技的な方法で、その意味するところを読み解いていくと、そこにはこう書かれてあった。
「二〇××年△月□日、計画を実行する。今のところ作業は順調だ。準備も整っている。あとはこのデータを流して誘導していけば、世論なんて簡単に我々につくだろう。これまでと同じようにな」
 最初はただのよくあるネット上の陰謀論のふざけた書き込みか、と大佐は無視していたが、そもそもこのサイトに入れた暗号上の苦労が、それまでの研究者生活では得られなかったぐらいに、充実したものだったため、少し気になってはいた。
 
 翌日、大学に入ると奇妙なことに大学構内や研究室にも誰もいなくて
「今日は休講か何かか?」
 なんて思ってみたが、やりかけの素数の研究が残っていたため、研究室のパソコンを開いて、昨日までの研究データが保存してあるサイトにアクセスを試みようとしたその時、今までに聞いたことのない大きなそして、不気味なサイレン音がパソコンから流れてきて画面上にこう書かれていた。
 
 ###このパソコンはウイルスに感染しました。そして、このウイルスは昨日、完全極秘にされていたあるサイトがこじ開けられたため、現在世界中のパソコンに自動的にばらまかれています###
 
 大佐はその文字を見て、すぐに理解した。
「まさか、昨日のあのサイトは決して開けてはならないパンドラの箱だったのか?」
 そう思ったものの、それは少しオカルトすぎると、考え直して、パソコンが使えないなら、授業の小テストの答え合わせとか、雑用でもしておこうと、しばらくデスクに向かって作業していた。窓から外を眺めても、本当に今日は大学構内には誰もいない……、
「うん? あの黒いスーツの男はいったい誰だ?この研究室に一直線に向かってくるぞ」
そして、しばらくして研究室のドアがノックされた。
「失礼します。〇〇政府の者です。ここに××助教授はいませんか?」
 俺のことを呼んでいる──。昨日今日の不可思議なことの延長線上にある出来事に、大佐の感度も鈍くなって、普段なら警戒して知らない人間など決して研究室には入れないのだが、この日は違って、すんなりとドアを開けた。
「私が××ですが、政府の人間が何か用ですか?」
「すいません。ありがとうございます。私は政府の秘密諜報部門の管轄に所属している、梶という者です。あなたが昨日、とあるサイトで見つけて、解読した暗号はまさに我が政府が長年解読を試みようとして、叶わなかったことでした。そこでひとつ頼みごとがありまして、今日こうしてお伺いさせていただいたのです」
「しかし、政府の人間がどうして? まさか、あの暗号の中身は本当のことなのですか?」
「ええ、これは本当に極秘の高度な機密情報なのです。絶対に外部の人に、特にマスコミか何かに漏れてはいけないことですので、我々が秘密裏に開発した、超高周波システムで、この大学関係者のすべてのIT機器から、催眠周波を流して、教授、学生、事務員に至るまで、一日中眠っていてもらっています。なので、今日ここにはあなたしか来ていません」
「しかし、あのサイトからはウイルスが出ていて……それもあなたたちの仕業ですか?」
「さすが、お気づきになるのが早い。そうです、ああでもしないと、この危機には対応できないので警告を込めてそうさせて頂きました。それくらい、彼らの計画が直前に迫っていたため、どうにかして、我が政府としても先手を打つ必要があり、暗号解読を進めていたのです。そして、昨日あなたが解読された」
「で、その危機とは何ですか?」
「よくある陰謀論そのものです。陰謀論はそう名付けることによって、一部のマニアしか通用しない代物にされるきらいがあるのですが、それこそまさに彼らが狙っていることなので、裏の裏は表であって、またその裏がありまたその裏がある、まるでややこしい暗号のように、情報で覆い隠して、本当のことを小さく見えないようにして、そして、世界を決定づけることを現実に行っていく──。歴史のほとんどがそういうことです」
「では、ウイルス? それとも大きな戦争でもこれから起こるのですか?」
「両方、もしくはもっと違うなにかかもしれません。彼らの目的はまだ完全にはつかめていませんが、少なくとも現状を大きく変える何かを、世界規模で行ってくるでしょう。そのために彼らの暗号を解読する必要があり、あなただけがあのサイトにたどり着いて、解読された。そこで政府としてあなたを臨時職員、参謀として採用したいのですが、どうでしょうか。もちろん報酬は今の仕事よりももっと出させていただきます」
「わかりました。しかし、もう少しだけ考えさせてください。出来るだけ早く返事を差し上げます」
「承知いたしました。我が政府としては協力をお願いしたいので、いいお返事を待っています」
 
 梶はそう言い残して研究室を出ていった。大佐は少し窓の外を眺めて
「何か訳のわからんことに巻きこまれたな。完全に騙されているのかもしれないが、今日誰も来てないことが妙に説得力があるし、退屈な日常にも少し飽きてきたところだ。だまされたと思って、ここは「物語」に参入するか」
 
 それからすぐに、まず梶という男が言ったように、ウイルス起源の風症状に似た、致死率の高めのパンデミックが瞬く間に世界中に広がって、連日マスメディアを賑わせて、まさに世界は「変えられて」いった。大佐はしばらく連絡を取っていなかった政府の人間梶に連絡を取って協力する旨を伝えた。新幹線で首都へ入り、超高層ビルの地下深くのシェルターのような空間の一室の応接間で梶と再会した。その傍らには梶の部下らしき男が立っていた。
「お久しぶりです。先生。ようこそ遠いところを遥々と……なんて悠長なことは言っていられないですね。ご存じの通り、彼らの計画の一部が始まっています。これからもっと、仕掛けてくると思いますが、あれから、何か暗号解読は進みましたか?」
「ええ、いくつか解読していたのですが、さすがに向こうも暗号解読されないような最新の数学理論を用いたブロックをしてきて、ほんの少ししか分かっていないのですが」
「良ければ、分かったことだけでも教えてくれませんか?」
「そうですね。彼らはこの混乱に乗じて、次の作戦をもうすぐ実行するようです。兵器開発の軍需産業の株価がここ数日急激に上がっていることはご存じですよね? そうです。次は戦争を起こすつもりです。そうして、戦争を起こして両方の国に武器を売りさばいて、儲ける仕組みに彼らは長年加担してきて、今回も世界の紛争地域で、何か仕掛けてくる、そんな気配があります」
「やはり、そうですか。我々もウイルスよりそっちの方が彼らの計画の中心にあると考えていたので……。そうなったら、先生、本当に暗号部隊の諜報員として働いてもらいたいのですが」
「えっ、この私が? 戦争に加担していくのですか?」
「いえ、そこまでになるとは思えないし、先生にはそうなる前に戦争を食い止める何かを暗号解読でやっていただきたい、というのが我々の願いです」
「わかりました。戦争を食い止めるためなら、何でもしましょう。相手は相当優秀な数学者を使って、より高度な暗号を用いた情報戦をしてくるでしょうが、私も素数研究の第一人者として、彼らに負けない働きをして見せますよ」
「ありがとうございます。政府を代表して厚く御礼申し上げます。これからは先生も政府の人間ということで、この任務については守秘義務がありますし、この高橋をSPとして先生の警護に当たらせます」
「高橋です。よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
 
 そんなやり取りの後、大佐は元々独り暮らしだった地元の大学近くのアパートから、政府の諜報員として雇われている間に手配されたホテルで、隣に高橋を住まわせる形で、暮らし始めた。大学からは少し離れた都心に位置していたが、通勤にはさほど支障はなかった。それからしばらく、大学での研究生活などの日常は何事もなく過ぎて、しかし、高橋は相当訓練されているSPらしく、決して怪しまれない距離で大佐の警護を完璧なまでに続けていた。ここまで本格的なSPをつけて来るのだからと、大佐にわずかに残っていた「陰謀論」への疑念は完全に消えていた。
 
 ある日仕事終わり、いつものようにホテルへチェックインして、部屋に戻ってもう一つの任務である暗号解読の作業をしていた。しかし最初に入ることの出来たサイトは完全に閉鎖されて、「彼ら」の足取りが見えなくなってしまっていた。
「これじゃ、俺が政府に雇われた意味がない。彼らが簡単に計画を諦めるはずがない。何か手掛かりはないか、何か……」
 途方に暮れて、ホテルの窓の外から都心を見下ろした。眼下には通勤帰りのサラリーマンが急ぎ足で交差点を渡っていた。
「人の流れは、遠くから見れば風の流れのようだな。一人一人はそれぞれ意志を持って動いているのかもしれないが、離れれば離れる程に、ミクロの粒子の粒のように無機質に動いて流れていくみたいだな……。でも、時々流れに逆らう何とも交わらない「素数」のような際立ったものも、あるよな……」
 なんて考えを巡らせていたその時、大佐は急に閃いた。
「そうか、ひょっとしたら、これまでの俺に起こった出来事の中に素数のように流れていかない引っかかる出来事があって、それが暗号を解く手がかりになるのかもしれない」
 そう思い、大佐は初めてあのサイトに入った時の日時、次の日にパソコンでウイルスが表示された時の裏コードを記録していた裏アカウントのナンバー、東京への切符のコードナンバー、など、ここに至るまでの象徴的な出来事にまつわる数字など、日ごろからの癖でいろいろと記録していた数字や文字を並べて、最新の数学理論で分析を開始した。
「思った通りだ。大きな流れの中に暗号めいたものが見えてきた。あとはこれを俺が開発した暗号解読ソフトに入力してと」
 ある意味ぶっ飛んだ思考回路のように思えるが、研究の最先端を行く人間はどうしたって、神の問題にぶち当たることがある。そういう時は素直に直感に従って進めるのがいい、とかつて在籍した、アメリカのシンクタンクの所長が言っていたっけな。そうして出てきた暗号解読の結果驚くべき事実が判明した。
「なるほどな……そういうことか」
    大佐は隣の部屋の高橋の様子を見ようと思い、ドアを開けたがそこにはもう彼の姿はなかった。
「ちっ、もう奴らは先を越しやがったぜ」
 
「ごくろうだったな、高橋。これは褒美だ」
 梶は高橋にそう言うと、彼から受け取ったUSBメモリーを握りしめ
「もうお前に用はない」
 銃声が防音フロア一帯に響き渡った。
「梶です。ようやく暗号が解読されデータを手に入れました。もちろんこれからそちらに向かう予定です」
 梶は受話器を置いて、湾岸線を空港へと車を走らせていた。
 
 その頃、大佐は暗号解読の結果判明したことを手掛かりに、梶と同じ空港へと大急ぎで向かっていた。しかし、間一髪で梶は先に飛び立った後だった。
「クソ、遅かったか」
 大佐の携帯のベルが空港内に鳴り響いた。
「誰だ?」
「お……俺です。た……高橋です……」
「お前か? お前は奴らとグルじゃなかったのか?」
「俺もそう思っていましたが、彼らにとって、俺も先生も道具でしかなかったのです。俺は、ただ割のいい仕事があるってことで、奴らの組織のSPの仕事についていただけで、あいつらの本当の目的は知りません」
「本当か? 最近どうも人間不信にしかならない出来事が続いているからな、そう簡単に、しかも俺の前から消えたお前を信じろってのが、どだい無理な話だ」
「そう言われても、仕方ないですが、ひとつだけ、最後に梶が電話で話していた内容についてなら、分かっていることがあります」
「それは、なんだ?」
「あいつは、某国のスパイです。この国から機密情報を抜き取って、本国に送るのが仕事です」
「それで?」
「梶はあなたに解読させた暗号コードを本国の地下内部に保管されている、スーパーコンピュータに入力して、最後の「ピース」を埋めるんだ、と言っていました」
「話が見えてこないな」
「つまり、彼らこそが……、あ、誰か来た。隠れないと俺が殺される。すいません、切ります」
 高橋がそう言って、電話を切ったあと、大佐は今までの出来事の流れを風として改めて読んでみた。
 
──そうか、奴らは梶を使わせて、自分たちでも解読することが出来なくなった、さらに上の存在たちが書き残した「黙示録」を解読して、その力を手に入れようとしていたのだ。ある程度まで解読が進んだところで、入力画面上で、一番優れた成績を収めた俺のパソコンを見つけて、梶を通してコンタクトを取ってきたわけか。じゃあ、戦争は必ず起こすし、今回俺が解読した暗号から導き出された、古代文明の兵器や力さえ解放して、完全に世界を「変えて」しまうわけってことか。こんなこと言っても、誰も信じないし、クソ、なんでか知らないが、俺がやらないと、ヤバいような気がする。でも一人じゃな──
 
 空港のロビーでそんな物思いに耽っていると、また携帯が鳴った。
「高橋です。今そちらに向かっています。先生、あの国へ行くんでしょう? お供しますよ」
「お前、撃たれたんじゃないのか?」
「梶が電話で誰かと話をしているのを偶然聞いてから、奴らの本性が分かったので、常に防弾チョッキは奴らに気づかれないように仕込んでいて、大丈夫でした」
「よし、それなら一緒に行ってくれると助かる。空港の一階ロビーで待っているぜ」
「了解です」────
 
 ───戦場にて──
 
「クソ、思ったより、奴らはしぶといな。おい、高橋、これからどうなると思う?」
 作戦本部に戻って、大佐はこの国に就いて以来の相棒で、現在は前線の部隊の指揮を執る高橋部隊長にそう尋ねた。
「そうですね、大佐。これから冬本番を迎えて、彼らとの持久戦に入りと思います。どっちも寒さには馴れている国民ですから、そう大きく戦況が変わるとは思えないです」
「そうか、分かった。他の者は何か作戦とかいいアイデアがあったら、遠慮なく言ってくれ」
 しかし、その日は誰も何も言う気力が残っていないのか、特に言葉を発する気力もないように黙ったままの兵士ばかりだった。
「仕方ないな、もう一年もこんな戦争が続いているしな。わかった、今日のところはこれで解散。各々、テントに戻っていい」
 兵士たちは無言のまま大佐のテントから出ていった。大佐は最後に出ようとしていた高橋部隊長を呼び止めて
「あれから、梶たちの動きはどうなっている? しばらく目立った動きはないようだが」
「恐らく、本国で傀儡政権を通して、プロパガンダなどの工作をしているものと思われます。やはり、この戦争を通して出来るだけ武器を両国に売りつけて、ぼろ儲けを企んでいるみたいです」
「やけに陳腐な目標になってねえか? 俺が解読した暗号にはもっとスケールのでかいことが書いてあったぜ」
「表向きは、だと思います。恐らくスーパーコンピュータに暗号コードを入力し終わって、その準備のための言わばこの戦争自体、カモフラージュなのかもしれません。丁度、パンデミックがこの戦争の準備のための前振りだったように」
「そうだったな。俺たちがこうなったのは、この国の偉い奴らに梶たちの計画を伝えてそのとおりにいろいろと仕掛けてきてからだもんな。それで信用を過剰に得てしまって最前線で指揮を任されるまでになっちまったのは予想外だったが……。そんなことより、そっちの探りは順調か?」
「大丈夫です。俺はこう見えて大学では国際政治を学んで、五か国語話せますし、昔からスパイ映画が好きで諜報とかは一通り知っていますから」
「そんな、映画に知識なんて役に立つのか? まあ、いいや。それで進めてくれ」
「了解です」
 
 高橋がそう言ってテントを出ていった。大佐はひとり残って、現在の戦況、両国の歴史、裏で蠢く者たちの影、経済的な支援、世界中の嘘も真実も含めたおびただしい数の情報、そのすべてを可能性も含めて、暗号解読で培った数式や理論、もしくは長年の直感。すべてを動員してこの戦争の行方、世界の「風」を読んでみようとした。
 
「ダメだ。あそこまでは、奴らまではたどり着けたが、その先は聖も悪魔も入り乱れて、カオスでしかない。材料がそろいすぎてやがる。この次元での解読はもう不可能だ。それは奴らだって同じことだ。科学者が言う言葉じゃねえがまさに「神のみぞ知る」領域に突入しやがった。人間のやることはあまりにも勝手すぎて、賢いつもりが、バカにしか見えない。動物や昆虫やウイルスとかの方が、よっぽど「風」に従順だな。人間よりも神に近いのかもしれない。ならば、人間はどうなるんだろう。こんな、戦争ばっかりしている、外れちまったどうしようもない出来損ないの生き物は。奴らの黙示録通りになってしまうしかないのか。罪もない子供たちも、すべてひっくるめて死の制裁を食らわなきゃならないのか。俺にはもう何が何だか、わかんねえよ。元の生活に戻りたい。でも、もう引き返せない」
 
 ──ふふふ、そうとうに困っているみたいね。いろいろと落とし過ぎたかしら、人間にも、そうでない者にも。じゃ、最後にこれを落として……っと。どうかな、ちょっとは中和していかなくない?
 
……いい加減遊ぶのよせよ。奴らは必死になってもがいてるじ  ゃないか。お前の悪い癖だな。ま、結局はこの詩を書きたかっ ただけなんだろう?
 
──ふふふ、正解。いいじゃない。ここは暇で退屈なんだし、何も起こらないから、時々いろいろぶち込んで、出来た模様から作るの好きなの知ってるでしょ?
 
……遊ばれている方もたまったもんじゃないな……
 
 
情報は何にでも化けるものさ
何を選ぶかは
その時のお前次第
風が吹くままに
つかんだものが
未来を連れて来る
その時のお前の色で
いくらでも
分岐点は来る
これは一つの可能性
そこから
生まれるものが
どれだけの力を持つかは
人の心の数に比例する
嘘も多くの者が
信じれば真実として
命を宿すように
  
どっちにしろ
風は常に吹いている
高きにも
低きにも
平等に
明日の行方も
どの風に捕まるか
どの風を捕まえるか
それ次第だろう
そんな総数も
遠くから見れば
一陣の風             

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